ドライアイ
ドライアイの症例ですが・・・
目が乾燥してヒリヒリするという学生さん。真面目な感じで、勉強で目を酷使するのは常でしょうが、他にも目の奥から始まる頭痛があり、肩こりと後頭部の頭痛もおき、疲れやすいとの相談でした。疲れがひどいと、夕方まで身体がもたないとのことでしたが、見た目は健康的なのですが・・・。
そこで、漢方でいう「気虚=エネルギー不足」と「気滞血お=ストレスで血流が悪い」ととらえ 目のトラブルに<杞菊地黄丸> と補陰作用の <麦味参>を服用していただきました。
次の検査で、涙の量が増えて、自覚的にも楽になり、頭痛も改善しました。
乾燥を改善する成分だけでなく、自分の力を引き出すものや、ストレスを緩和するものの総合作用が良かったようです。
目の乾燥感
眼の乾燥のため、まばたきを頻繁にする、ヒリヒリする、涙が出ないなどの相談がよくあります。病的なものはシェーグレン症候群などがありますが、単なるドライアイの方も多いようです。年代は中年女性から若い男性まで幅広く発症します。
漢方ではファーストチョイスに麦門冬湯が使われます。この薬は滋潤剤といって、潤いを増す働きで、対処療法としては良いのですが、その症状を生んでいる根源を改善しないと、根本治療(本治といいます)になりません。
発症の原因は、ストレス、血液不足、血の流れなどがあり、それぞれに異なる漢方薬を用います。
よく、乾燥⇒麦門冬湯として本に紹介されていますが、その原因と体質判断をして根本的に治しておくことが必要です。
明日は症例を書きます。
夏の花粉症
花粉症は春と秋の2回に集中しますが、この暑い時期にもアレルギーはあります。今はイネ科の植物、アシやススキでも起こりますし、ブタクサもこれから増えてきます。
たまたま、昨日と今日にかけて眼がかゆいという症状の方が3人来店されました。春の花粉症と同様に対処し、咳こむことや喉の症状があったので<銀翹散> などを使っておさまりました。症状は軽いので気にならない方も多いと思いますが、長い眼で見て体質改善が必要ですね。
ところで、年間通して花粉の飛散を測定している方ってあるのですね。参考に見てみましたのでどうぞ。
汗をかいて疲れる!
まだまだ暑い日が続いていますが、夏バテが始まるのは実は今頃からですね。
とにかくだるい! 食欲が出ない、なんとなくムカムカする、汗が異常にでる、発熱するなどです。疲れのために汗腺がコントロールできず、汗とともにエネルギーも抜ける状態で『気陰両虚』といいます。
55歳 女性 自営業の方、汗がダラダラでて止まらない、とにかくしんどくて・・・という相談でした。以前から漢方薬を飲まれていましたが、今回は気虚と陰虚がみられたので『麦味参』をお使いいただきました。あくる日、すごく楽になったと喜んでいただき、更に1週間分を買っていかれました。
麦味参は<麦門冬> <人参> <五味子> で構成された、夏にピッタリのお薬です。試してみては!
よく効く漢方茶 5
先日の続きですが・・・
◆連銭草(レンセンソウ)
別名カキドウシは民間薬として古くから使われています。漢方では清熱・利尿・通淋の効能があり、浮腫や排尿障害、結石に用いられます。結石には金銭草も用います。
お茶としては、糖尿病の方が、タラノ木皮と一緒に煮出して使われますが、お茶とは言いがたい味です。目的を持った方は飲めますが!
◆桑葉
桑の葉は絹を生むカイコの餌。蚕にはもったいないような、カルシウムやミネラル成分が豊富で、民間薬としても桑枝が用いられてきました。漢方では解熱・明目・止咳の効能があり、煎じ薬に用いています。
最近は桑の葉に含まれる特有の成分が、ブドウ糖の吸収を阻害し、血糖上昇を抑制するとして、血糖値の高い方向けにサプリメントが売られています。お茶としては飲み易く、ミネラル補給の意味からもオススメです。おいしく飲むめに、他のお茶とあわせても良いでしょう。
よく効く漢方茶 4
きのうの続き・・・
◆何首烏(カシュウ)
ツルドクダミの塊根を乾燥したもので、名前の由来は『何』公という王様が服用したら『首』の白髪が『烏』のように黒くなったので『何首烏』といわれた説が本に出ていました。
漢方では補血、補陰、強壮の効果があり、足腰や筋骨の衰え、遺精、便秘などに用います。
お茶としては、ほとんどが白髪や抜け毛の改善に使われます。養毛剤のアポジカにも何首烏が入っています。薬用酒として、ホワイトリカーにつけてもよいでしょう。
◆問刑(スギナ)
スギナはトクサ科の植物で全国どこにでもあり、春に食べるツクシはスギナの胞子茎です。
漢方では清熱、利尿に用い、民間薬としては、利尿、降圧、鎮咳、止血に用いられます。
お茶としては、むくみ易い方が利尿作用を目的に使われています。昨年だったか?テレビでガンに良いと放送されたらしく、求めてこられましたが、この効果は定かではありません。
続きはまた明日・・・
よく効く漢方茶 3
きのうの続き・・・
◆ 決明子(けつめいし)
最近ヒットしている『ケツメイシ』は、メンバーの2人が薬科大学卒業生で、,ヒップポップ、レゲエを中心に活躍するグループ。この名前の由来も「すべてを出しつくす」、「見えない神秘的な」という意味ということです。
生薬のケツメイシはエビスグサの種子で、ハブ茶の原料でもあり、その効能は・・・降圧、利尿、コレステロール低下、緩下作用などです。漢方では、眼の充血や痛み、高血圧に使います。
お茶としては、特に便秘薬として効果があります。コーラックのような便秘薬や漢方の便秘薬で、調子よく出ない、薬では用量が調整しにくい方などで、ケツメイシのお茶を使ってもらい、『すべてを出しつくす』という感じの、快便になった方があります。
また高血圧の方は、便通がよくなれば血圧も下がる傾向があります。安くて、飲みやすいお茶です。
◆ 裏白樫(ウラジロガシ)
ブナ科の樹木ウラジロガシの葉で、民間薬として昔から使われ、結石の抑制や溶解作用があり胆石、腎結石、尿路結石などを起こしやすい方に使います。現在は医師からの処方薬にもこれを原料にしたお薬(ウロカルン)があります。
お茶としては、ウラジロガシに連銭草や金銭草などをあわせ、利胆作用や利尿作用を加えて使うと効果的です。結石の出来やすい体質の方が、普段のお茶として使われます。
続きはまた明日・・・
よく効く漢方茶
最近はハーブティやリラックスティ、中国茶がブームのようになり、多くの種類のお茶がありますが、昔からの漢方生薬をお茶として飲んでいる方もおられます。
漢方薬とは複数の生薬を決まった分量であわせたものを言いますが、その生薬の1種類だけでも効果はシャープに現れます。例えば、黄耆、紅花、菊花・・・などがありますが、いくつか紹介します。
◆黄耆(オウギ)
漢方では、補気(抵抗力をつける)、利水(水分代謝をよくする)、止汗(無駄な汗をとめる)などの効能があり、疲れやすい、胃弱、内臓下垂、むくみ、寝汗、などに用います。
お茶で飲んでおられる方は、いつも汗が多い(多汗症)方や、疲れやすいという方です。
◆漢方薬Y(漢方薬Y)
漢方では利湿(水はけをよくする)、排膿(膿をとる)、健脾(胃腸機能高める)などの効能があり、むくみやすい、化膿性疾患、慢性下利に使います。
お茶で飲んでおられる方は、むくみやすい方、肌を美しくしたい、イボができやすい方などです。ハトムギ茶は漢方薬Yを炒ったもので、香ばしくておいしいですが、これに生漢方薬Yを混ぜても効果が期待できます。
続きは明日に・・・