おけそくさん

今日はお彼岸の中日で、先祖供養のお墓参りに行ってきました。

その途中で<おけそくさん>を買っていきました。この言葉をご存知でしょうか? 

<おけそくさん>とは京都などで使われている、仏前などに供える小さなお餅のことです。 調べてみますと語源は<御華足>と書き、机などの脚を意味し、ひいてはお供えをする台のこと、そしてお供えそのものに変わって行ったとの事です。さらに京都では丁寧な表現方法として、<お豆さん>のように何にでも<さん>をつける習慣があり、<おけそくさん>になったようです。

お彼岸をきっかけにひとつ物知りになりました。

抗老化三七研究会 に参加しました

NPO法人・抗老化三七研究会は、少子・高齢化社会時代に向けて「抗老化」をキーワードに、社会に役立つ健康情報の提供などを薬局・薬店のメンバーが推進していこうとするグループです。

当初は三七(田七)人参のすばらしさを紹介し、現代の様々な疾患に役立たせることで健康に寄与することなどから始まります。

田七人参は中国・雲南省の文山で栽培されるものですが、限られた気候条件でしか生育しないため大変貴重なものとなっています。中国で有名な<片仔廣>はここで栽培された田七が主成分ですが、当店でもすでに取り扱っている、<廣禅顆粒>などは<片仔廣>で作られた原料を使用しています。こういった自然のもの(生薬)こそ、安全かつ穏やかな作用で、高齢化に適したものと思います。

季節感が失われています

3月中旬・お彼岸の入りだというのに、今日の朝は雪がふっていました。

地域にもよりますがここ京都の南部では2月の末に最終の雪が降り、3月に入ると雪が降ることがなかったように思います。

異常気象を身近に感じ、季節感も狂って来ています。食品の分野ではすでに季節感がなく、夏に冬野菜が、冬に夏野菜があるのが普通になり、子供たちは年中なんでも取れるものと思っているのではないでしょうか?。お母さん方は子供たちに、自然の変化を教えてあげてくださいね。食糧難意の時代に備えて!

声がかすれる

声が出にくいという相談はよくあります。その原因は主に

ストレスや自律神経によるもの

咽頭や肺系の乾燥によるもの

声を出しすぎて声がかすれるもの

に区分され、それぞれに対応した漢方薬があります。

この中で高齢者に多いのは乾燥によるもので、ちょっと話しただけでかすれてくるようです。

74歳のMさん、昨年3月に始めて来店され、声がかすれるというので、補気・補陰作用で体質改善の<麦味参>をお使いいただきました。その後しばらくあいていたのですが、先日再びお越しになり「朗読をしていて声がかすれやすいが、前に使った漢方薬は良かった」とのことで、再び<麦味参>を求めていかれました。

<麦味参>は生薬「麦門冬」によって滋潤作用が、「五味子」が止咳、「人参」が補気作用があり、講演をされる方が事前に飲んでおくと楽に話せるという実績があります。

しゃっくりの話

漢方が得意とする疾患のひとつに<しゃっくり>があります。

漢方から見るしゃっくりの原因は、

胃の急激な冷え、

久病によって胃の力が低下した場合、

急な嘔吐や下痢で胃の状態が影響を受けた場合に起こります。

いずれも漢方薬は即効性があります。

28歳の男性Hさん、風邪をこじらせて嘔吐をした後連続するしゃっくりに見舞われました。息も出来ないくらいひどいので、救急車で病院に行き点滴を受けましたが治まらず、お母さんが「漢方で何か方法がないか」と来られました。

そこでいくつかある処方のうち、胃が冷え、且つ胃気が低下しているので<柿蒂湯>をお渡ししました。帰ってすぐに煎じて飲ませてあげたところ、しゃっくりは回数が減り、あくる日は時々出るくらいまで落ち着きました。

柿蒂湯は昔から民間薬としてしゃっくりに使われてきた<柿のヘタ>を主成分にする煎じ薬ですが、このほかしゃっくりに使う漢方処方はいくつかありますが、いずれもほぼ即効性で大変驚かれ、喜ばれます。

時には病院の先生の紹介で、当店に求めに来られるケースもあります。

過敏性腸症候群

就職や進学の時期となりました。

新しい環境になると、ストレスによって慢性的な下痢を発症する方がふえてきます。特に脂ものや牛肉、香辛料などで下痢症状はひどくなり、食べ物に対して神経質になる方もあります。

26歳女性Kさん、10年前に過敏性腸症候群と診断を受けたことがあり、その後小康状態を保っていましたが、3年前の就職をきっかけに再発し、常時軟便で、食べ物や冷えが伴ったときには下痢になることが増えました。そのこと自体がまたストレスになり、困って相談に来られました。

デリケートな感じで、下半身が冷えやすいとのことでしたので健脾・止瀉の<参苓白朮散>と温中作用の<人参湯>をお使いいただきました。2週間でお腹の状態は落ち着いてきて、気分も良いとのことでしたが、冷えがまだあるので今度は、補血作用の<婦宝当帰膠>を併用いただきました。

2ヵ月後、下痢はすっかりなくなり、冷えも改善して調子も良くなり、最初来られたときとは違ってとても表情が明るくなりました。

気分が良くなると、身体もますます良くなることと思われます。

水分過多によるめまい

またまた水分過多の関連ですが・・・

めまいの原因にはいくつかありますが、一番多くみられるのが頭部の水分異常によるものです。いわば頭の上に少量の水が入ったバケツをのせて頭を動かすと、水が左右に揺れるようにフラフラするのです。あるいは回転性のめまいはほとんどが水分の過多によるものです。

このとき使われる漢方薬は<苓桂朮甘湯>や<沢瀉湯>です。いずれも水分をさばく=余分な水分を減らす作用があり、これで改善するケースが多いのです。

水分過多による下痢

水分過多に関連した話ですが・・・

慢性下痢も摂取水分を減らし、且つ胃腸の機能を高めて胃の水はけを良くする事で短期に改善することがあります。

54歳の女性Sさん、更年期の諸症状なのか、下半身が冷えてのぼせやすく、口渇があり、ついつい水分が多くなるようでした。そのため夕食後に水様性の下痢があり、お腹がはりゴロゴロするとのこと。また神経を使うと下痢になりやすいとのことでした。

そこで、お腹の水分をさばく、健脾・止瀉の<参苓白朮散> と 疎肝・理気薬の<四逆散>をお使いいただきましたところ、2週間で下痢は治まりました。結果からみても、<水湿困脾=胃腸に水分があふれていた>ことが明らかでした。

このような場合は口渇を少なくすることで摂取水分量を減らすべきですが、まずは下痢を止めることから開始し、次に根本治療に移す予定になっています。

水分を摂りすぎです!

最近は1日に2リットルの水分を摂るのが普通と考えておられる方が多いようです。そのために起こる症状は、

胃腸が弱くなり慢性的な下痢 

むくみやすくなる 

花粉症の症状が悪化し、鼻水が増える 

女性では冷え症の原因となる 

めまいやフラフラする

など、様々です。

必要な水分量は個人差があり、スポーツをやる方は多く必要ですし、身体を動かさない方は少なくて良いし、高齢者の方は睡眠前に1杯のむなど、必要に応じて飲むべきと考えます。

漢方では、その方に必要な水分量は<舌診>などによって明らかになりますので、ご相談のときに水分量を調整していただくように話し、それだけでもかなり改善するものが見られます。

世間一般的には過多傾向ですので、もう一度見直してみてください。

三寒四温と風邪

昔からこの時期は三寒四温といい、寒い日が3日続くとその後4日は暖かい日が続くといわれます。この言葉通り、最近気温の変化がはげしいですね。

京都では、1昨日は最高気温23℃で5月の気候でしたが、今日は短時間ですが雪が降りました。

気温の極端な変化についていけず、風邪を引く方がおられますが、少し熱っぽいと思ったらすぐに漢方薬を飲むと、発熱せずに終わることが出来ます。この時期よく使う風邪薬は、体力のある方には<葛根湯>、またゾクゾクするようなタイプの方には<麻黄附子細辛湯>がお勧めです。錠剤で常備薬として使いやすいのも特徴です。

何事も早めの対応が肝心です!