小豆粥

先日、1月7日は七草の節句、お正月の締めくくりになる「七草がゆ」の日、最近は「七草セット」が販売されていて簡単に手に入りますが、ご家庭で作られましたか?もし忘れた方は・・・この次は<小豆粥>です。

昔から小正月(15日)には、14日の夜にはずしたお飾りを15日の朝に燃やし、その火で小豆粥を炊き、お餅を入れて食べる習慣がありました。これで1年の邪気を払い万病を防ぐという意味が込められています。

小豆は生薬名<赤小豆>といい、その効能は、利尿消腫(小便を出しむくみを去る)、解毒排膿(瘡瘍などを治し、膿を排出する)などで、むくみ、脚気、黄疸、化膿症などに使われます。

七草粥とは一味違った小豆粥をお楽しみください。

ぎっくり腰の辛さ!

新年おめでとうございます。

本年も皆様にお役に立つようなブログを綴ってまいりますので、宜しくお願いします。

私事になりますが、お正月明け早々にぎっくり腰を起こしました。一般的にぎっくり腰は、重い荷物を持ったときや不自然な姿勢が続いたときに起こる<急性腰痛症>ですが、繰り返す方は、<運動不足>や<座ったままの仕事>そして<年齢に伴う筋力の低下>などが原因と思われます。

今回は思い当たる原因がないのですが、もしかするとお正月の食べ過ぎ状態で胃の負担が大きくなり、背筋の緊張が引き金になったかと考えます。

ひどい場合は、寝転んでも寝返りが出来ない、起き上がれないほど辛く、経験した方でないと分からないものです。高齢者やその他の疾患でも、寝返りが出来ない方は多く、その辛さを改めて知ることができました。そして、立って歩けることがどんなに幸せなことかが分かります。

ぎっくり腰の時はマッサージは厳禁ですが、経絡に沿った<針灸治療>は効果が早いです。背筋の緊張をとる<芍薬甘草湯>や、アリ成分配合健康食品を使うことで改善が早くなります。

でも根本治療はやはり運動をして、背筋を鍛えることですね。

今年を締めくくるうれしいお便り

『声が出にくい』という相談を受けてから約1年間、Kさんとはメールでやり取りをしながらお薬を変えてきました。そして少ししずつ改善傾向はあったのですが、今日はずいぶん良くなって『まだ十分ではないですが、以前に比べると楽で、本当に嬉しいです。』とのご報告をいただきました。

Kさんは「話し始めに声が出にくく、力が入ってしまう」という症状で、漢方では<肺腎陰虚>の証ととらえ、滋補肺腎のお薬を使ってきました。

最初は<麦門冬湯>で口渇と咽のかすれが改善し、次の<響声破笛丸>で声の出やすさは少し良くなりましたが、スッキリしませんでした。

そこで滋陰清肺作用の百合が含まれる漢方薬をお使いいただきましたところ、一気に良くなり嬉しいメールをいただきました。

この症状の原因と対処法はわかっていても、使う処方によって結果に差が出ます。今回は最後の手段として煎じ薬を使っていただきましたが、これなら最初から煎じることをいとわず、お使いいただいたほうが良かったのかと思いました。

いずれにしても年末に良い報告をいただいたことが嬉しいです。Kさん、ありがとうございました。

これを食べてはいけない!

年末になると京都では、<京の台所>と言われる<錦市場>

http://www.kyoto-nishiki.or.jp/

にお正月の食べ物を買出しに行く人がふえ、今日もいっぱいの人で歩けないほどです。地元の新鮮なものや産地直送などが多く、安心して買えるのが特徴です。

話は変わって、先日から<これを食べてはいけない>という本を読みました。

今年問題になったニセモノ原料の食品や、添加物の問題などを書いたもので、以前には<食品の裏側>という同様の本もありました。

これらの本を読むと、食べてよいものが無くなるというほど、問題食品が氾濫していることがわかります。こういった添加物があって今の食品流通が成り立ち、恩恵をこうむっていることは否定できませんが、将来に食品公害といった禍根を残すことの無いよう祈るばかりです。漢方は3000年以上の臨床を積み重ねて安全性が検証されていますが、食品添加物はまだ数十年の歴史で、しっかり見ていく必要があると思いました。

お正月、飲んで食べての一時、退屈しのぎに?読んでみてください。

蓄膿症の再発

慢性鼻炎や蓄膿は体質が原因で起きることがほとんどで、体質が変わらなければ慢性化したり、再発を繰り返します。

40歳の男性Hさん、20年前に蓄膿の手術をしましたが今回再発し、相談に来られました。症状は鼻の周囲が腫れ、目の近くに蓄膿がある、熱っぽいとのこと。医師から手術をするよう言われているが、できればしたくないとの話でしたので、<荊芥連翹湯>と<排膿散及湯>を使っていただきました。

その後3ヶ月きっちり服用されたこともあり、痛みや腫れも治まり、手術も不要になったとの報告を受けました。Hさんは少し肥満気味で、漢方では痰湿タイプといい、水分が身体に溜まりやすい体質ですので、症状の改善後は体質改善に変えていくことになっています。

子供の喘息

文部科学省が公表した「平成19年度学校保健統計調査速報」によると、満5歳~17歳までの児童・生徒の健康診断の結果、子供の喘息が過去最多になったということです。

その結果、2007年度の喘息にかかっている子供の割合(被患率)は、幼稚園では2.2%、小学校3.9%、中学校3.1%、高等学校1.8%で、10年前の2倍になっているそうです。また、蓄膿症やアレルギー性鼻炎の子供も増加しています。

原因は様々で、環境汚染や食物の添加物、食事内容の変化などが考えられると思いますが、漢方の立場でから見ると一番気になるのは<冷飲・冷食> <クーラーなどによる冷え>が一番気になります。

そして、相談に来られた子供さんには、衛気を高める<衛益顆粒>や <荊芥連翹湯> <麻杏甘石湯>などを使い、滞った水分を減らし、身体を温め、アレルギー体質改善することで改善していきます。あわせてお母さんに対して、水分摂取を制限し、冷たいものを止めるように生活改善するよう話します。その方の環境によって原因様々でしょうが、結局ご両親が気をつけてあげることでかなり改善、または予防ができると考えます。

便利な生活が病気を生んでいますので、昔の生活を見直すことも必要ですね!

治りにくい咳

風邪の後に咳だけ残ることはよくありますが、風邪に関係なく咳がいつまでも続いて治らないというケースが最近多く見られます。

59歳の女性Oさん、以前に比べ最近咳が治りにくくなったと相談に来られました。状況をお聞きすると、痰はなく乾燥の咳で、朝方は楽なのに昼から夕方にかけて酷くなり、咽の痛みはないが乾燥感があるとのことでした。年齢的にも身体の<津液>が失われて乾燥しやすい体質<陰虚>になると考え、乾燥咳の代表処方の<麦門冬湯>にあわせて<養陰清肺湯>をお使いいただきました。

その後1週間ほどで咳はほぼ改善しましたが、薬がなくなると再び咳が出るようですので、しばらく継続していただくことにしました。このような咳には漢方薬はほぼ即効性があります。

ポリープができやすい

85歳の女性Oさん、足取りもしっかりとし、顔色も良く、その年齢には見えない元気な方です。3年前に大腸ポリープが見つかり、2回にわたり内視鏡で切除されたのですが、85歳という年齢のこともあり、手術せずに治らないかと2年前に相談にこられました。

それ以降、クマザサエキスをお続けいただき、また便秘がありスッキリ出ないとのことでしたので、穏やかな便秘薬の<麻子仁丸>に加え、腸内をきれいにし、便をスッキリ出させる食物繊維の健康食品をお使いいただきました。

その後便通は良くなり、便秘薬も半分で、時々使うだけでよい快便になり、今回大腸検査をされた結果もポリープは小さいものがあるだけで切除は不要との結果でした。

ポリープに対しては以前からクマザサエキスをお勧めしてきましたが、いつも期待に応える結果をもたらしてくれます。また、食物繊維の健康食品の併用が良かったのかもしれません。

いずれにしても高齢の方の場合は、できるだけ身体に傷をつけることなく改善できるのが望ましいと思います。

子供が風邪をひきやすい

風邪が流行っています。特に子供はちょっとした気候の変化で風邪を引きやすく、学校でもらってくることも多くなります。

風邪を予防するために、この季節には大人も子供も<板藍根含有健康食品>をお勧めしていますが、根本的に風邪を引かない身体をつくるため子供には胃腸を丈夫にすることを優先します。

7歳の女の子Hちゃん、元々風邪を引きやすく、体重は18Kgで平均値23Kgを下回ります。寒がりで、食も細く、食後に時々胃痛も起こるので相談にこられました。そこで子供の漢方薬として昔から使われ、風邪を引きにくい体質をつくるため虚弱体質改善の<黄耆建中湯>を使っていただきました。

1ヵ月後、胃痛は起こらなくなり、2ヵ月後減少していた体重も元に戻り、元気になってきました。

子供は冷たいものを欲しがりますが、おなかが冷えると胃腸機能も低下しますので、これから寒い季節は特に冷たいものを与えないよう、親が気をつけるべきです。最近は様々な点で子供に対する厳しさが低下しているように思われますので、店頭では努めて親に注意するよう話しています。

リウマチ様症状が増えています

寒くなってくると特有の相談が増えます。

一番は冷え症と風邪や咳ですが、その他頻尿、膀胱炎、神経痛、頭痛、そしてリウマチに見られるようなこわばりや関節炎です。

リウマチの診断基準は次の6項目の内の3項目が該当すればリウマチと判定するようです。

①3つ以上の関節の圧痛と運動痛
②2つ以上の関節の腫れ
③朝のこわばり
④リウマトイド結節(皮下結節)
⑤CRP陽性・血沈値が20mm以上
⑥血液検査でリウマトイド因子がある

しかし、最初からリウマチの検査に行かれる方は少なく、冷えによる関節炎と思われて漢方相談に来られます。

漢方ではこれらの原因の多くが<寒湿>と捉え、身体を温めることと湿気の滞留をなくするような漢方薬を使います。例えば<桂枝加朮附湯>や<薏苡仁湯>など、症状と体質にあわせて使いますと、短期間で症状改善は望めます。しかし、リウマチであるか否かは判断できませんので、合わせて専門医の診断を受けるよう薦めています。

昨今、冬の時期になっても若い女性の間ではショートパンツをはいている方を多く見かけますが、冷えが様々な病気の原因になっていることに気づいてほしいものとつくづく思います。