甘草による偽アルドステロン症

漢方の副作用?で時々起きるのは、甘草による<偽アルドステロン症>です。

一般的には甘草を含むものを大量、または長期に服用すると、成分のグリチルリチンによって全身に浮腫が生じ、体重も増えて、血圧が上昇するというものです。

漢方薬に配合されている甘草の量は、1日量3g(グリチルリチンとして120mg)以下がほとんどで、標準量の使用で問題が発生することはほとんどありません。しかし、まれに甘草アレルギーを持っている方は、例えば風邪で<漢方薬K>を少し飲んだだけでも浮腫を生じるという場合があります。

気が付いた時点で服薬をやめれば、浮腫は徐々に引いていきますし、また利尿剤を使えば早く改善します。当店では過去に3例の経験があり、いずれも<漢方薬T>などでスムースに改善しました。

漢方薬も使い方を自己判断しないで、必ず薬局などで相談の上お使いになることが必要です。また何か変化が生じたときは早く対応することが肝心なのです。

ゴボウシの効果

昨日の続きで、当店でよく使うものに<牛蒡子>があります。

生薬<牛蒡子>は字の通りゴボウの種ですが、その成分には利尿作用や抗真菌作用があります。漢方処方では風邪などによる熱を発散させる作用や、扁桃炎などに対する解毒作用、湿疹では清熱解毒作用を利用します。

ここまでは従来の使い方ですが、それ以外にも産後の乳汁分泌の悪い方が求めてこられます。特に乳腺が詰って乳汁分泌がうまくいかない場合や、乳腺炎で乳汁が滞留している場合に昔から牛蒡子が使われています。

乳汁分泌不足の場合は<蒲公英根:タンポポの根>を合わせて煎じる方法も以前から行われています。

当店でもたくさんの方に使っていただきましたが、効果は上々です。赤ちゃんにとって大切な自己免疫がつくられる時期は、しっかり母乳をあげてください。元気な子供になる第1歩を大切にしてください。

この話は特定の方だけに関係するものですが、お困りの方があれば教えてあげてください。

ヨクイニンは人気商品

最近流行のもの、といっても当店の話ですが、ひとつは<ヨクイニン>です。昔から使われている<はと麦>の種子で、<はと麦茶>はどこにでもあるものです。

このヨクイニン、まず1番目はイボとりで有名!、粉末や錠剤を使います。肌荒れやニキビなら錠剤の方が使いやすく便利でしょう。

また、生薬・よく苡仁には利水作用があり、慢性的に浮腫のある方にはヨクイニンをご飯と一緒に炊いても良いでしょう。あるいは粉末を常用してもかまいません。

『安くて』 『幅広い効果』 の漢方薬Yは優れもの!です。

明日はもうひとつの生薬?です。

漢方の軟膏 2

生薬を主成分とする軟膏は以前はたくさんあったのですが、医薬品製造における品質管理規制が厳しくなり、製造業の免許を維持しようと思うと大変な設備投資が強いられるため、廃業に追い込まれる零細製造業者がたくさんありました。

軟膏としては良いものもあり、少し臭いが強いとか粘度が高くて塗りにくいとかありますが、何よりも歴史があって安全性が高い、人間に優しいことが特徴です。

このような歴史があるものを残すことなく、新しい規格と新しい化合物を求めていく現在の制度は、長い目で見て! 本当に人間のため、地球のためになっているのでしょうか? 環境ホルモンが問題になっていますが、人間が生んだもので人間が滅びていくというのは、一面滑稽な感じがします。

よく効く漢方茶 5

先日の続きですが・・・

◆連銭草(レンセンソウ)

 別名カキドウシは民間薬として古くから使われています。漢方では清熱・利尿・通淋の効能があり、浮腫や排尿障害、結石に用いられます。結石には金銭草も用います。

お茶としては、糖尿病の方が、タラノ木皮と一緒に煮出して使われますが、お茶とは言いがたい味です。目的を持った方は飲めますが!

◆桑葉

 桑の葉は絹を生むカイコの餌。蚕にはもったいないような、カルシウムやミネラル成分が豊富で、民間薬としても桑枝が用いられてきました。漢方では解熱・明目・止咳の効能があり、煎じ薬に用いています。

最近は桑の葉に含まれる特有の成分が、ブドウ糖の吸収を阻害し、血糖上昇を抑制するとして、血糖値の高い方向けにサプリメントが売られています。お茶としては飲み易く、ミネラル補給の意味からもオススメです。おいしく飲むめに、他のお茶とあわせても良いでしょう。

よく効く漢方茶 4

きのうの続き・・・

◆何首烏(カシュウ)

 ツルドクダミの塊根を乾燥したもので、名前の由来は『何』公という王様が服用したら『首』の白髪が『烏』のように黒くなったので『何首烏』といわれた説が本に出ていました。

漢方では補血、補陰、強壮の効果があり、足腰や筋骨の衰え、遺精、便秘などに用います。

お茶としては、ほとんどが白髪や抜け毛の改善に使われます。養毛剤のアポジカにも何首烏が入っています。薬用酒として、ホワイトリカーにつけてもよいでしょう。

◆問刑(スギナ)

 スギナはトクサ科の植物で全国どこにでもあり、春に食べるツクシはスギナの胞子茎です。

漢方では清熱、利尿に用い、民間薬としては、利尿、降圧、鎮咳、止血に用いられます。

お茶としては、むくみ易い方が利尿作用を目的に使われています。昨年だったか?テレビでガンに良いと放送されたらしく、求めてこられましたが、この効果は定かではありません。

続きはまた明日・・・

よく効く漢方茶 3

きのうの続き・・・

◆ 決明子(けつめいし)

 最近ヒットしている『ケツメイシ』は、メンバーの2人が薬科大学卒業生で、,ヒップポップ、レゲエを中心に活躍するグループ。この名前の由来も「すべてを出しつくす」、「見えない神秘的な」という意味ということです。

生薬のケツメイシはエビスグサの種子で、ハブ茶の原料でもあり、その効能は・・・降圧、利尿、コレステロール低下、緩下作用などです。漢方では、眼の充血や痛み、高血圧に使います。

お茶としては、特に便秘薬として効果があります。コーラックのような便秘薬や漢方の便秘薬で、調子よく出ない、薬では用量が調整しにくい方などで、ケツメイシのお茶を使ってもらい、『すべてを出しつくす』という感じの、快便になった方があります。

また高血圧の方は、便通がよくなれば血圧も下がる傾向があります。安くて、飲みやすいお茶です。

◆ 裏白樫(ウラジロガシ)

 ブナ科の樹木ウラジロガシの葉で、民間薬として昔から使われ、結石の抑制や溶解作用があり胆石、腎結石、尿路結石などを起こしやすい方に使います。現在は医師からの処方薬にもこれを原料にしたお薬(ウロカルン)があります。

お茶としては、ウラジロガシに連銭草や金銭草などをあわせ、利胆作用や利尿作用を加えて使うと効果的です。結石の出来やすい体質の方が、普段のお茶として使われます。

続きはまた明日・・・

よく効く漢方茶

最近はハーブティやリラックスティ、中国茶がブームのようになり、多くの種類のお茶がありますが、昔からの漢方生薬をお茶として飲んでいる方もおられます。

漢方薬とは複数の生薬を決まった分量であわせたものを言いますが、その生薬の1種類だけでも効果はシャープに現れます。例えば、黄耆、紅花、菊花・・・などがありますが、いくつか紹介します。

◆黄耆(オウギ)

 漢方では、補気(抵抗力をつける)、利水(水分代謝をよくする)、止汗(無駄な汗をとめる)などの効能があり、疲れやすい、胃弱、内臓下垂、むくみ、寝汗、などに用います。

お茶で飲んでおられる方は、いつも汗が多い(多汗症)方や、疲れやすいという方です。

◆漢方薬Y(漢方薬Y)

  漢方では利湿(水はけをよくする)、排膿(膿をとる)、健脾(胃腸機能高める)などの効能があり、むくみやすい、化膿性疾患、慢性下利に使います。

お茶で飲んでおられる方は、むくみやすい方、肌を美しくしたい、イボができやすい方などです。ハトムギ茶は漢方薬Yを炒ったもので、香ばしくておいしいですが、これに生漢方薬Yを混ぜても効果が期待できます。

続きは明日に・・・

漢方はやっぱり煎じ薬

漢方薬には、エキス顆粒、錠丸剤、練り薬、煎じ薬などがありますが、当店で一番多く使われているのがエキス顆粒です。そのまま飲んでもよいし、複数の種類を飲むときはまとめて湯のみに入れ、溶かして飲むのが美味しい?です。

しかし、難病といわれる難しい症状や、永く患っている方には煎じ薬をおすすめします。手間はかかりますが、効き目はやっぱり煎じ薬が一番!! 最近は便利な道具がありますので紹介します。

あなたもオーダーメイドの漢方煎じ薬を試してみませんか!

動物生薬のはなし 3

動物生薬でみなさんよくご存知の<鹿茸>は、マンシュウジカのまだ骨質化していない幼角を使います。この角は、鹿の生後3年目から毎年生え変わるもの、それを切り落として使われます。

鹿茸は、発育や造血機能を促進する作用があるといわれ、漢方では補陽薬、補腎薬としてよく使います。不妊症、発育不全、疲労回復、自立神経などに使いますが、精力剤としても人気があります。特に高齢で冷える方には即効性が期待できます。鹿茸は少し臭いがありますので、カプセル入りが飲み易いようです。