頭痛・偏頭痛
ストレスと頭痛
今日、明日は頭痛の話を2題です。
頭痛もたくさんの原因があり、たくさんの処方がありますので「頭痛にはこれ」とはいかず、体質や、発症のきっかけ、悪化する要因や時間などを尋ねて考えます。
男性Mさんは、ほとんど毎日肩こりから後頭部にかけて頭痛がし、ストレスを感じると酷くなり、こめかみも痛むときがあります。朝夕問わず発症するため、相談にこられました。
お聞きした症状からは緊張性頭痛と言われるもので、一般的には肩こりから来る場合は<葛根湯>が使われますが、この方には平肝作用の<釣藤散>を使っていただきました。
結果は、飲んでいると楽になるが、やめると痛むとのこと。ストレスという根本原因が取り除くことが出来ないので、完全に治まるには時間がかかりそうです。
頭痛のパターン
今日は頭痛の相談が3人ありました。
以前も書きましたが、1日に同様の疾患の方が集まるというのは、何かバイオリズムのような、不思議な力が働いているように思えます。
さて、頭痛も様々なパターンがあり、対応も多処方がありますが、《頭痛が発生している部位》、《痛む時期や時間》、《痛み方》 である程度原因が推定できます。
今日の方は、Yさんは後頭部が鈍痛、Kさんは前頭葉が夕方痛む、Mさんは目の奥からこめかみが昼に痛む、という異なったパターンで特徴的でした。そして、Yさんの場合は血流不良が関係しているとみて<冠元顆粒>を基本にエキス剤を組み合わせ、Kさんは神経的な疲れが原因ですので疎肝剤を基本にし、Mさんは仕事での目の疲れやストレスが原因ですので<杞菊地黄丸>を基本にエキス剤を使っていただきました。もちろん体質も合わせて考えた結果です。
効果のほどはみなさん1週間後ですが、改善することを期待して待っています。
さまざまな頭痛
先日も頭痛に関することを書きましたが
またまたテレビの番組「あるあるⅡ」でも頭痛の特集がありました。
頭痛の9割が偏頭痛や緊張性頭痛で、残る1割が脳梗塞や腫瘍など脳内で起こるこわい頭痛ということです。そして最近わかったのに「脳脊髄液減少症」による頭痛があるということでした。
打撲などによって脊髄液が漏れた場合に脳内の液が減少して、脳の位置が下がることで頭痛が発生するというものです。症状は重く締め付けられるようなタイプの頭痛です。この症状が出たときに、水分をとって体液、髄液が増えると楽になるらしいです。
これは漢方でいう血虚頭痛に相当するように思われ、たとえば補血作用の<当帰芍薬散>によって血流を良くすると楽になるようなタイプが想像されます。
医学検査方法が発達し、新しい病名がどんどん増えていきますが、よくよく考えれば、昔からその病気・症状はあり、漢方もそれに対応してきたのです。そしてそれぞれの症状に応じた治療法も、漢方ではすでに確立されているのです。3000年の歴史の蓄積ですね。
ストレス性頭痛
頭痛にもいろいろあります。
よく聞くのはズキンズキンの片頭痛ですが、他にも締め付けられるような緊張性頭痛、片側の目の奥が痛む群発頭痛、そして脳に異常があって起こる症候性頭痛などがよく知られています。
漢方では、その原因で分類し、<寒> <熱> <湿> <肝陽> <血虚>などがあります。この中でも、難しいのが<肝>によるもので、いわゆるストレスを引き金とするものです。
42歳男性のSさん、数年前は週に1回程度の頭痛、それも休日に多く起こっていました。病院で頭痛薬をもらい、服用すると治まっていましたが、徐々に効かなくなってきました。そして頭痛の頻度も増したので、薬も変えられて、カフェルゴットが一番よく効いていたのですが、年々量が増えて効果が低下してきました。初期はストレスを受けたときに発症していたのが慢性化し、頻繁になってきました。根本治療にと漢方薬をお勧めしたのですが、このタイプの頭痛には即効性がなく、少しでやめられました。
寒冷による頭痛や、湿気による頭重、緊張性頭痛などには漢方薬でも即効性がありますが、ストレス性はその要因をなくすることが難しく、西洋医学でも難しいようです。
漢方を根気よく続けられないのも頭痛の方によくあり、これが私の頭痛のタネです。