目の奥の痛み

頭痛にもいろいろなケースがありますが、目の奥の痛みから始まって偏頭痛に繋がることもよく見られます。

37歳のIさんも、慢性的に頭痛があり、週のうち半分ほど頭痛に悩まされているとのことでした。肩こりからくる頭痛や、目の奥から来る頭痛などがあるとのことでした。

そこで止痛作用の<清上蠲痛湯>と目のトラブルに使う<枸菊地黄丸>を併用いただきましたところ、1ヶ月で眼の奥の痛みもほぼ無くなり、偏頭痛の日数も減り、鎮痛剤の服用回数も激減しました。

結果から考えますと、ストレスや疲れなどで<肝陰虚>や<気滞血お>が原因となっていたようです。漢方の頭痛薬もたくさんありますので、原因を探って、ぴったし合わせる事が肝心ですね。

朝方の頭痛

24歳の女性Mさんは、毎日朝起きに前頭部と頭頂部がジワーッと痛むと、相談に来られました。

舌苔はやや白苔で、少し水毒の傾向があるタイプでした。血圧も低く、冷え症、貧血とのことで、補血作用の<婦宝当帰膠>と補気健脾の<補中益気湯>をお使いいただきました。

その後、少しづつ楽になり、1ヶ月過ぎた頃には頭痛もなくなりました。Mさんの頭痛は比較的軽微なほうで、改善も早かったようですが、偏頭痛のような強い頭痛は漢方でも改善しないケースもあります。

頭痛・頭重感

頭痛の漢方薬はたくさんあり、その使い分けも簡単なようで難しいものです。

44歳のYさんは、頭全体がボワーンと痛み、眉毛あたりを押すと気持ちが良いとのこと。また時には肩こりから後頭部にかけての頭痛もあるということでした。これは肩こりだけでは解決しないと思い、全体的な体質から考えることとし、冷え症、のぼせ、むくみ、舌が淡舌などの特徴から補血・利水作用の<当帰芍薬散>をお使いいただきました。

1週間ほどで冷えが少し楽になり、むくみも改善するとともに、頭痛も改善してきました。

ついつい頭痛という病名にとらわれて考えてしまうのですが、漢方はその方の全体を見て体質を判断することが重要であることを(当然のことなのですが)、この方を通じて再認識させていただきました。

偏頭痛のご相談

62歳のMさん、10年以上偏頭痛に悩まされ相談に来られました。

元々考え込み、落ち込みやすい性格のため、ストレスで頭痛が悪化することから、医師もストレス性頭痛と言うだけで特に治療はされていないとのこと。頭痛は目の奥から痛くなったり、側頭部が痛くなるようです。

そこでまずは目の奥の痛みをとるため<清上蠲痛湯>をお使いいただきました。2ヵ月後、目からくる痛みはなくなり、少し楽になったのですが、側頭部の痛みは変わりませんでした。

偏頭痛は西洋医学でも漢方でも難しく、10年来の痛みですのでまだまだ時間が必要なようです。また、薬だけでなく、生活環境や運動、ストレス解消なども重要なポイントとなりますので、様々なアドバイスを行っていく必要がありそうです。

またその後を、報告したいと思います。

首がつまり苦しい

首から後頭部にかけて詰まった感じがし、ときには頭痛や頭重感がするケースはよくあります。同じような相談が連続してありましたので紹介します。

58歳の男性Yさん、後頭部が詰まって重苦しく頭重感がすると相談に来られました。実は以前にも同じ症状で来られ、<釣藤散>を5日分お渡ししたのですがそれが良く効いたのでまた同じものが欲しいとこられました。

釣藤散の効能は「慢性に続く頭痛で中年以降、または高血圧の傾向にあるもの」ですが、作用部位は後頭部を目標に使います。今回は3分でよいとのこと、効く事がわかっておられるようでした。

43歳の女性Kさん、肩こりから首がつまり、頭痛になる、背中も痛くて・・・という相談でした。舌診や望診では<お血タイプ>で、活血作用の<冠元顆粒>をお使いいただきました。1週間ほどで楽になりましたが、止めるとまた詰まるので、当面続けることにしました。血流を良くすることが根本治療になるかと考えられます。

肩こりでも人によって、体質によって薬は変わりますので、かならずご相談ください。

頭重感の漢方

今日は京都は雨です。このようなときに頭が重くなり、あるいはずしんとした痛みが出る方があります。原因は外部の湿気や気圧が影響しているようで、漢方では水分の代謝をはかるものを使います。

40歳の女性Cさんは、以前からめまいや耳鳴り、耳閉感などで相談を受け、その都度改善していました。先日、上記のような雨天の時に頭が痛くなり、ムカムカするとのことでしたので、化痰・安神作用の<温胆湯>を1週間お使いいただきましたところ、その後の大雨のときも大丈夫だったと報告いただきました。

そこで薬をやめられたのですが、今日は再び重くなったと相談に来られました。漢方を飲んでいるときは良いのですが、1週間では当然根本的な解決にはなっていませんので、しばらく継続していただくことになりました。体質が変わるには時間がかかることを理解いただきました。

頭重感に使う漢方薬は、これ以外にもいくつかあります。体質によっても異なりますのでご相談ください

疲れると頭痛

ストレスによる緊張性頭痛の話は以前にも書きましたが、今回は疲れとともに出てくる頭痛の話です。

28歳の女性Tさん、神経を使う仕事をされていて、疲れてくると肩がこり、首から後頭部にかけて頭痛がするとのことでした。めまいも月に2~3回はあり、座っていてもクラッとするので相談にこられました。

血圧は低く血流が良くないタイプで、漢方では<気滞血お>と捉え活血作用の<冠元顆粒>を少しと、緊張を緩和する平肝作用の<釣藤散>を使っていただきましたところ、2週間余りで頭痛はすっかり消え、めまいも今まで全く起こらず、喜んでいただきました。

肩こりからくる頭痛には、通常<葛根湯>を用いますが、血流が悪いとか緊張が連続する方には、異なった対応で改善することもよくあります。漢方は体質によって決めるものなのです。

後頭部の痛み

後頭部の痛みには肩こりからくる頭痛や、後頭神経痛などがあります。

50歳の女性Iさん、ヘルペスになった後に顔面痛が残り、同時に後頭部の痛みが発現しました。また、左半身が冷えて腰痛などもあり相談に来られました。

顔面痛はヘルペスによる三叉神経痛が疑われますが、その他の痛みは冷えや筋肉の緊張によるものと思われ、疼痛に使う<麻黄附子細辛湯>や、頭痛薬の<釣藤散>をお使いいただきました。

2週間後、後頭部痛や肩こり、腰痛などが改善し、顔面痛だけが残っていましたので、今度は<麻黄附子細辛湯>や健康食品Bをお使いいただきました。ヘルペス後の痛みは時間がかかりますが、改善することを期待しています。

水毒による頭痛

頭痛の原因はたくさんありますが、そのひとつに水毒によるものがあります。中医学では<痰濁頭痛>といいます。

特徴は、身体の水分滞留のために頭が重く、めまいがあり、ムカムカする、あるいは嘔吐するなどの症状があります。

60歳の女性Mさん、以前からお越しになっていたのですが、今回は頭が張るような頭痛とめまいがあり、ゲップをし、ムカムカする、胸が詰まるような感じもするとの相談を受けました。

舌は白苔があり、胃腸が弱くて水分がオーバーしているようでしたので<半夏白朮天麻湯>を使っていただきました。1週間後、飲んでいると調子が良いとのことでしたので、しばらく続けることとしました。

これから梅雨時期に入ると湿気が多く、身体にも<湿>が溜りやすくなりますので、このようなトラブルも増えるかと思われます。