原因不明のこわばり・痛み

23歳の男性Sさん、6年前から膝関節や指関節の痛みが発症し、病院で様々な検査を受けられましたが、リウマチや膠原病ではなく、原因不明で鎮痛剤しか処方されませんでした。

その後も状態は変わりなく、特定部位を酷使したときにその部分の関節が腫れ、痛みが強くなるというので、相談にこられました。

外見上は全く症状がないため、リウマチの前駆症状のようなものと捉え、<桂枝加朮附湯>などをお使いいただきましたが変化はありませんでした。

そこで、免疫に係わる疾患の可能性を考え、シイタケ菌糸体健康食品をお使いいただきました。使い始めてからは強い痛みがなくなりましたが、それほど顕著な改善ではなく、しばらく継続することにしました。痛みをとる漢方薬はたくさんありますが、原因不明の疾患にはこのような健康食品を使うケースもあります。

しばらく後に、その後の経過もアップしたいと思います。

原因不明の痛みが改善!

病院の確定診断がつかない疾患でも、漢方では症状や体質によって判断し、改善する例もあります。

60歳のSさん、2年前からあちこちが痛み、こわばりが生じるので病院で検査を受けられましたが、<線維筋痛症>の疑いがあると言われたものの、鎮痛剤しか治療方法がなく、相談にこられました。

詳しくお聞きすると、湿気が多い日や暖かい日に痛みが強くなるとのこと。また、熱がこもる感じがするが汗は出ないようです。そこで漢方薬は発汗して体内の水毒を改善する<麻杏苡甘湯>をお使いいただきました。その後2週間して再来され、痛みが半減し、またのぼせは全くなくなったとの報告を受けました。こんなに早い効き目が出るとは思われなかったので私たちも驚きでした。

このような原因不明の痛みや発熱などに対しては、症状と体質から決めていく漢方の考え方が適応するケースが多々あります。

足が重くだるい!

梅雨に入り、湿度が高くなると、身体も脚も重だるくなる方があります。これは湿気が身体に入り、むくみや水分の停滞を招くためです。

しかし、梅雨に限らず脚がだるく、動かないとか、とってしまいたいほどだるいとか言われる方があります。

74歳のTさん、とにかくだるくて、何とかならないかとの相談を受けました。
痛みがある場合や痺れる場合は<独活寄生湯>を使っていただき良くなる方はありますが、その症状はなく、また高齢でもあるので<腎気虚>によるものと思われ、<参馬補腎丸>をお使いいただきました。

補腎の場合は時間がかかりますので、結果はしばらく後になります。

脚のだるさ・しびれ

脚がしびれたり、こわばる原因はいくつかありますが、病院で検査を受けても特に疾患がないと判断された場合は漢方がよく効きます。

高齢者の場合は<腎虚>で足腰の弱りが、若い方の場合は冷えや血流悪化が原因となるケースが多いようです。

38歳の女性Yさん、元々低血圧で冷え性で子宮筋腫がある方でした。そして、ふくらはぎがだるく、脚がしびれるときもあるとのことで相談にこられました。

まずは身体を温め、血流をよくするため補血剤の<婦宝当帰膠>と活血剤の<冠元顆粒>を少量加えて使っていただきました。

1ヵ月後の今日度来店され、だるさとしびれはほとんど改善したとのことでした。そして今度は朝起きの辛さを改善したいとのことでしたので、今回は補腎・補陽の<八味丸>を加えてお使いいただきました。血圧が低いために朝起きが辛いのでしょうが、身体を温めて元気をつける補腎剤<八味丸>が効果をあらわすものと思います。

梅雨の関節炎

以前から来られている68歳の女性Kさん。7月の上旬から足首がや足指付近が赤くなって脹れあがり、痛いとの相談を受けました。

当然、整形外科を既に受診され、通風や、リウマチなどの疾患の検査を受けられましたが、尿酸値も血液検査値も異常なく、CRP(炎症反応)も正常範囲で、原因不明とのこと。そこで、少し大きい病院の診察も受けられましたが、医師の診断はマチマチで、確定診断がなく、結局原因不明の関節炎だろうということになりました。

そこでまずは、炎症を沈め、浮腫をとる目的でリウマチに使う<越婢加朮湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。1週間後、脹れは引き、痛みも軽くなり、押さない限りは問題ないところまで改善しました。

Kさんはその間もMRIなどの検査を受けておられたのですが、すべて正常で、やはり原因不明状態でした。そして漢方薬が切れて後、また腫れが出てきたため、再び来られました。

今回は<よく苡仁湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。

この症状は、長引く梅雨により<湿>が身体に停滞して起こっているものと考えています。そして梅雨が明ければ改善するのではと思います。

腱鞘炎のむくみ

このところ梅雨らしく湿気が強い毎日で、むくみやはれが出やすい状況です。

以前から腱鞘炎のある27歳の女性Tさん、最近手首が腫れてきて、力がかかると痛いとのこと。見た感じでは赤くなっていないので炎症や熱はなく、単にむくみを生じているようでした。

そこで<藿香生気散>を使っていただき、温めながら、むくみをとり、痛みを改善するという処方にしました。1週間程度で改善するものと思われます。

この時期、湿気のためにむくみを訴えられる方が続いています。

脇の痛み

いろいろな部位の痛みの相談があります。

脇腹の痛みや張りは、漢方で『胸脇苦満』といい、ストレスに影響して起こるものや肝臓に関係したものなどがありますが、いずれも<柴胡>という生薬の含まれる漢方薬を用いるのが基本となっています。

Yさん60歳才女性、半年前から右脇腹が痛み、背中の方まで硬く凝っている、医師で様々な検査を受けたが異常なし、漢方医で漢方薬をもらったが良くならず、鍼灸治療も受けたがそのときだけ楽になり、後は同じ状態になり改善せず、相談に来られました。

タイプは神経質で「気にしい」の方、これは更年期の不定愁訴の様でもあり、<加味逍遥散>をと思いましたが、医師から柴胡剤をもらったが効かなかったということでした。そこで再考し、長期にわたる緊張があるとみて、活血作用の<血腑逐瘀湯を合わせて使っていただきました。

2週間後、ほとんど痛みは消えた!と喜んで来られ、ホッとしました。

古くからの(永い間の)症状は必ずお血(血の滞り)を伴っていると考えたのが奏功したようです。患者さんに良い勉強をさせていただきました。感謝!