手首の痛みと漢方

Wさんは、昨年夏頃から肩から手首にかけて痛み、腕を下げるとうっ血する状態でした。病院では<胸郭出口症候群>と診断されましたが、決定的な治療はなく相談に来られました。
症状は、肩こりがひどく、首筋も凝る、上肢が突っ張り、手首が痛く、字が書きずらい、脚が冷える、などでした。
そこで、血流を良くするため、活血薬の<冠元顆粒>や<疎経活血湯>をお使いいただきました。
1ヶ月使っていただいてもあまり変わらないので、今度は<疎経活血湯>をベースにして<桂枝加朮附湯>を併用いただきました。
その後は少しずつ楽になり、2か月余りでかなり痛みは無くなりました。
まだ完全ではないので継続されています。
胸郭出口症候群は、鎖骨周辺の心臓から続く血管が、胸郭を出た所で神経の通り道が狭くなり、血管や神経を圧迫するために、肩こり、腕や手のしびれ、手の血行不良などの症状が起きる疾患ですが、漢方では、病名に係わらず、痛みの症状や体質で判断し、漢方薬を選択します。
また<漢方薬K>は、頸肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)によく用いられる漢方薬ですが、この疾患にも効を奏したようです。
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脚の痛み

60歳の女性Kさんは、昨年ガンで手術をされ、その後ホルモン剤による治療を受けておられました。
そして半年ほどして、ホットフラッシュなど更年期のような症状が出始めました。
さらに、手足が痺れ、膝の裏側が痛み始め、歩き出すのが辛いほどに痛みが増してきました。
脚はいつも冷たく、血流や年齢もその原因と思われ、漢方薬は補腎活血の<独活寄生湯> をお使いいただきました。
1ヵ月後、痛みは少し楽になって、次は更年期のような症状が気になり始めたとのことで、調子を見ながら、
少しずつお薬を調整しています。
この<独活寄生湯>は、比較的虚弱で疲れやすく冷えがある方や高齢者の痛みや痺れには効果を発揮します。
ご相談ください。

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膝の痛み

介護の仕事をされてるYさんは、日常的に力が要る仕事のせいか、膝に水が溜り屈伸すると痛みがありました。昨年には一度水を抜いたのですが、まだ膝の痛みが残り相談に来られました。

膝だけでなく股関節から下にかけてのツッパリや痛みもあり、体質をお聞きした上で、<よく苡仁湯>をお使いいただきました。2週間お使いいただいた後、腫れが少し軽減し、痛みも楽になってきました。さらに1ヶ月以上継続していただき、屈伸もかなり楽になって喜んでいただきました。

その後は費用のこともあり、健康食品でのグルコサミンやMSMなどが含まれるものをお続けいただいています。

膝の痛みや腰の痛みには、症状によって対応できる漢方薬がたくさんあります。
ご相談ください。

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膝関節痛が改善

寒くなってくると関節などの痛みの相談が増えてきます。
58歳の女性Yさん、11月頃より膝に水が溜り、病院で抜いてもらったのですが、それ以来痛みが続き相談にこられました。お仕事は力の要る仕事で、毎日が疲れるとのこと。膝は屈伸の時に痛み、歩いている時は比較的ましだとか。体格はやや肥満気味で、水肥りタイプでした。
そこで漢方薬は<通陽利水>、すなわち温めて水分代謝を良くしてむくみや痛みをとる<よく苡仁湯>をお使いいただきました。
2週間後再びご来店いただいた時は、痛みがずいぶん楽になり、夜も眠れるようになったと喜んでいただきました。
もう水を抜くことはなくなり、しばらくすると更に楽になることと思います。
関節痛の漢方薬もたくさん有りますが、体質と症状に合うと早い効果が出るものです。

背骨の骨折による痺れ

73歳の女性Tさんは4年前に背骨を骨折して以来右手右足の痺れがあり、朝方は比較的調子が良いのですが、夕方になると痺れや痛みが強くなり、また慢性腰痛もあって当店に相談に来られました。

この痛みは中医学で<不通即痛>といい、気血の流れが通じないために痛みが出ていると考えます。そこで体質をお聞きした上で、補肝腎作用の<独活寄生湯>と、活血作用の<疎経活血湯>をお使いいただきました。

1ヵ月後、脚の痺れはかなり改善し、足指先付近の痺れが残る程度にまで回復しました。長期間の疾患ですのでかなり時間がかかると思われたのですが、薬が適合して予想外の短期間で改善した例となりました。

<独活寄生湯>は比較的高齢の方の足腰の痛みによく使いますが、いつも期待に応えてくれる優れた漢方薬です。

原因不明のこわばり・痛み

23歳の男性Sさん、6年前から膝関節や指関節の痛みが発症し、病院で様々な検査を受けられましたが、リウマチや膠原病ではなく、原因不明で鎮痛剤しか処方されませんでした。

その後も状態は変わりなく、特定部位を酷使したときにその部分の関節が腫れ、痛みが強くなるというので、相談にこられました。

外見上は全く症状がないため、リウマチの前駆症状のようなものと捉え、<桂枝加朮附湯>などをお使いいただきましたが変化はありませんでした。

そこで、免疫に係わる疾患の可能性を考え、シイタケ菌糸体健康食品をお使いいただきました。使い始めてからは強い痛みがなくなりましたが、それほど顕著な改善ではなく、しばらく継続することにしました。痛みをとる漢方薬はたくさんありますが、原因不明の疾患にはこのような健康食品を使うケースもあります。

しばらく後に、その後の経過もアップしたいと思います。

原因不明の痛みが改善!

病院の確定診断がつかない疾患でも、漢方では症状や体質によって判断し、改善する例もあります。

60歳のSさん、2年前からあちこちが痛み、こわばりが生じるので病院で検査を受けられましたが、<線維筋痛症>の疑いがあると言われたものの、鎮痛剤しか治療方法がなく、相談にこられました。

詳しくお聞きすると、湿気が多い日や暖かい日に痛みが強くなるとのこと。また、熱がこもる感じがするが汗は出ないようです。そこで漢方薬は発汗して体内の水毒を改善する<麻杏苡甘湯>をお使いいただきました。その後2週間して再来され、痛みが半減し、またのぼせは全くなくなったとの報告を受けました。こんなに早い効き目が出るとは思われなかったので私たちも驚きでした。

このような原因不明の痛みや発熱などに対しては、症状と体質から決めていく漢方の考え方が適応するケースが多々あります。