梅雨の関節炎

以前から来られている68歳の女性Kさん。7月の上旬から足首がや足指付近が赤くなって脹れあがり、痛いとの相談を受けました。

当然、整形外科を既に受診され、通風や、リウマチなどの疾患の検査を受けられましたが、尿酸値も血液検査値も異常なく、CRP(炎症反応)も正常範囲で、原因不明とのこと。そこで、少し大きい病院の診察も受けられましたが、医師の診断はマチマチで、確定診断がなく、結局原因不明の関節炎だろうということになりました。

そこでまずは、炎症を沈め、浮腫をとる目的でリウマチに使う<越婢加朮湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。1週間後、脹れは引き、痛みも軽くなり、押さない限りは問題ないところまで改善しました。

Kさんはその間もMRIなどの検査を受けておられたのですが、すべて正常で、やはり原因不明状態でした。そして漢方薬が切れて後、また腫れが出てきたため、再び来られました。

今回は<よく苡仁湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。

この症状は、長引く梅雨により<湿>が身体に停滞して起こっているものと考えています。そして梅雨が明ければ改善するのではと思います。

腱鞘炎のむくみ

このところ梅雨らしく湿気が強い毎日で、むくみやはれが出やすい状況です。

以前から腱鞘炎のある27歳の女性Tさん、最近手首が腫れてきて、力がかかると痛いとのこと。見た感じでは赤くなっていないので炎症や熱はなく、単にむくみを生じているようでした。

そこで<藿香生気散>を使っていただき、温めながら、むくみをとり、痛みを改善するという処方にしました。1週間程度で改善するものと思われます。

この時期、湿気のためにむくみを訴えられる方が続いています。

脇の痛み

いろいろな部位の痛みの相談があります。

脇腹の痛みや張りは、漢方で『胸脇苦満』といい、ストレスに影響して起こるものや肝臓に関係したものなどがありますが、いずれも<柴胡>という生薬の含まれる漢方薬を用いるのが基本となっています。

Yさん60歳才女性、半年前から右脇腹が痛み、背中の方まで硬く凝っている、医師で様々な検査を受けたが異常なし、漢方医で漢方薬をもらったが良くならず、鍼灸治療も受けたがそのときだけ楽になり、後は同じ状態になり改善せず、相談に来られました。

タイプは神経質で「気にしい」の方、これは更年期の不定愁訴の様でもあり、<加味逍遥散>をと思いましたが、医師から柴胡剤をもらったが効かなかったということでした。そこで再考し、長期にわたる緊張があるとみて、活血作用の<血腑逐瘀湯を合わせて使っていただきました。

2週間後、ほとんど痛みは消えた!と喜んで来られ、ホッとしました。

古くからの(永い間の)症状は必ずお血(血の滞り)を伴っていると考えたのが奏功したようです。患者さんに良い勉強をさせていただきました。感謝!