耳鳴りと難聴の漢方
高齢化に伴い、耳鳴りや難聴の方は増えています。
特に耳鳴りは人口の20%の人にあると言われ、その多さに驚きます。
西洋医学ではステロイドや血管拡張剤、ビタミン剤などが使われますが、病的でない耳鳴りは老化現象として治療方法はありません。
一方、漢方では様々な対処方法があり、ストレス軽減、水分の代謝、血流改善、緊張緩和、そして老化に対する方法としての<補腎剤>があります。
短期間で治まるケースや、年単位で改善するケースもあります。
65歳のKさん、元々蝸牛型メニエールの疾患があり、状況によって耳鳴りや閉塞感が強くなることがありました。
耳鳴りは、キーンという時と、ブーンという時がありました。症状は1日中続き、特に夕方や疲れたときに憎悪するので、漢方薬はキーンという症状に対して肝腎不足を補う<滋腎通耳湯>や、ブーンという音と耳閉感に対して清熱化痰作用の<温胆湯>を併用しました。
1ヵ月後、耳閉感が少し改善したのですが、耳鳴りは変化なく再考しました。
さらに詳しくお聞きすると、気圧の低下で悪化、ストレスも受けやすい、寒い日は不調などから、補腎陽の作用がある<八味丸>や、平肝潜陽・化痰作用の<釣藤散>をお使いいただきました。
その後も状況に合わせ、漢方薬を変更しつつ1年半継続され、牛車腎気丸と温胆湯でようやく治まってきました。
結果からみてKさんの場合は、原因としては「腎陽虚:生命エネルギーの低下、不振、疲れやすい、身体の冷え」と「痰濁内擾:ストレスも影響して、身体に湿が滞留し、頭部に熱を持っている状態」があると考えられました。
そして、改善に時間がかかったのは、補腎は時間ががかる体質改善であることや、電話相談によるために正確に体質を捉え切れなかったことが原因と思われます。
やはり漢方相談では直接対面して体質判断をすることが重要になります。

雨で潤うハナミズキ
◇◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◇
健康増進・男性の悩み・皮膚病などあらゆる漢方ジャンルをスタッフ
陣で幅広くサポート。漢方薬のことなら是非当店へおまかせください!
取扱い商品・ブログ・コラム等コンテンツ盛りだくさんのHPは
コチラ→http://www.kanpou.info
漢方の健伸堂薬局 宇治本店・京都四条店
◇◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◇◇◇◆◆◇◇◇◆◇