様々な病名と漢方

最近は疾患分類も細かくなり、難しい疾患名をいって相談に来られる方も増えました。

漢方はもとも病名で考えるのではなく、現れている症状やその原因、体質などで決めるものですが、症状が具体的にない場合は難しいものです。

58歳のOさん、病院で<非結核性抗酸菌症>といわれたものの、自覚的症状はなく、心配なので漢方薬を飲みたいと考えて来られました。

この疾患は結核菌以外の抗酸菌による肺の疾患で、免疫の低下や肺疾患から感染する病気とのことです。こんなときは病理を調べ、予後を調べてみるのですが時間がないときは改めて相談に来ていただくことにしています。

今回Oさんの場合は、ひとつは肺の力を付けることを考え肺腎陰虚の漢方薬<滋陰降火湯>をおすすめし、もうひとつは菌の働きを抑制することと考えて抗菌作用のある生薬を含む、咳などに使う<銀翹散>をお使いいただきました。

結果は3ヶ月後の検査によりますが、いずれの場合も免疫力の向上が大切なことを改めて考えました。