続・若い方の自律神経失調

若い方の自律神経失調に共通して見られる症状は、

息苦しさや咽の詰まりと違和感、
微熱が出る、
夜は気分が沈む、
寝付かれない、
動悸がする

などが見られます。

前述の女性Yさんもこの4ヶ月間でずいぶん症状が改善されてきました。漢方薬も症状の変化に合わせて変えていますが、最近は微熱の改善に滋陰清熱の<滋陰降火湯>を使い、気分の安定に柴胡剤を、そして睡眠のために<帰脾湯>を使っていただいています。

今週は睡眠薬のハルシオンを全く使用しなくても眠れるようになったとの報告を受け、Yさんも改善への自信ができたようです。

そして表情も明るくなってくるにつれ、ますます美しくなってこられました。

便秘に食物繊維

便秘だけの相談は少ないのですが、相談に来られた方に聞いてみると便秘の方は大変多いのです。3日に1回だと<普通?>と思われている方や、10日に1回というすごい記録保持者もおられます。

しかし便秘はすべての疾患に対して悪影響があり、特に皮ふトラブルの方には毎日お通じがあるように改善していただいています。このとき使うのが、センナ実含有便秘薬の<ハーベルシー>だけでなく、食物繊維健康食品を合わせて腸をきれいにする方法です。多くの方に使っていただきましたが、好評で快調+快腸だとの感想をお聞きしています。

厚労省は生活習慣病予防などの観点からは、大人で1日15-20グラムの食物繊維を摂取するという目標を掲げていますが、大腸がん予防には10グラムでよいとのこと。しかしこれ以下だと大腸ガン発症の危険性が高まるとの調査結果を発表しています。

便秘を改善すると共に食物繊維を合わせて摂ることは理に適っているのです。

夏風邪

本格的に暑くなるにとともに、風邪の方が来られています。

こんな時期に風邪?と思いましたが、クーラーなどで急に冷えたためか、熱は高くなく微熱程度なのに、咳や痰が酷いというケースがありました。

時々来られる近くの会社の男性、咳と痰がひどく、寝る前には特に咳き込み寝苦しいとのことでした。そこで咳と微熱をとる<麻杏甘石湯>と痰を軽減する<蘇子降気湯>を併用していただき、3日間でほとんど治まりました。

夏風邪には<銀翹散>を使うことの方が多いのですが、この方は痰も多く、微熱っぽいこともあり、発汗して熱をとる麻黄剤を使っていただき、改善した例です。

杜仲茶の番組

先日のTV番組で、『杜仲茶で中性脂肪が短期間に下がる』という内容が放送されました。

その明くる日、漢方薬局やドラッグストア、ネットショップなどは杜仲茶に振り回され、すぐに在庫切れになったようです。このようなケースは過去にもバナバ茶やウコンなどでたくさんありました。

テレビによって消費者が振りまわされることの問題点は、消費者でなく番組制作側にあります。お茶などを飲用した結果、特定少数の人には著しい効果があったとしても、すべての人に同様の効果があるように聞こえ、誤解を与えているのです。

杜仲は昔から漢方生薬として存在し、杜仲の樹皮や葉に含まれる成分に、降圧、利尿作用があり、また漢方では筋骨を強め、身体を丈夫にする働きがあるとして使ってきましたが、最近成分の中に体内の脂肪を減少させるという効果が立証され、この内容が今回放送されたようです。

最近、チラシや書籍やホームページ上での誇大広告と、それに連動する通信販売が厚生省によって厳しく規制されつつありますが、誇大広告を行っている最先端は、テレビ番組とそれに連なる通販業者ではないでしょうか。

めまいが短期に改善!

めまいの話は何度か書いていますが、先週も短期間で改善した例がありましたので紹介します。

45歳の男性Hさん、急な動き方をするとめまいを起こしそうで、ゆっくり歩いて相談に入って来られました。体格は肥満気味、水肥りで、6月頃~めまいがひどくなり、横揺れ氏、ムカムカし、耳閉感があり、頭重感があるとのことでした。

詳しく聞くと1日に3,5リットルほどの水分をとっておられ、明らかに水毒(湿困脾胃)状態でした。親が脳梗塞であったので、血液が粘るのを防ぐため多めに摂ってたとのことでした。

そこでまずは口渇をとめるために<五苓散>を使い、身体に溜まった<湿>をとるため清熱化痰作用の<温胆湯>を併用していただきました。あわせて水分摂取を極力減らすようにしていただきました。

1週間後に来店され、あれほど口が乾いていたのがなくなり、自然と水分が減り、めまいがほとんどなくなりました。すごい早い改善でしたがまだ完全ではないので暫く続けていただいています。

水毒によるめまいは、いつも早い改善が見られます。

爪が生え変わり

5月に、冷え症と長引く咳でお越しいただいた40歳の女性Tさん、今日はご主人とお越しいただきました。

最初来られた時は,咳に<蘇子降気湯> 冷えに<婦宝当帰膠>をお使いいただきましたが、咳は1週間で治まり、漢方薬Fだけ続けていただいていました。

そして今日お聞きした話では、冷えは改善し、朝起きの辛さがなくなり、元気になったとのこと。さらに、足の爪の下から新しい爪が生まれてきて、上の古い爪がとれたとか。

<婦宝当帰膠>で代謝が上り、細胞の活性化に繋がったのは理解できますが、爪が生え代わったことは驚きでした。

ネコに健康食品・田七人参

当店に長い間お越しのMさん、元々肝臓トラブルに関連して<田七人参>をお使いいただいていましたが、最近は微細梗塞がわかり活血作用の<冠元顆粒>を併用していただいています。

この方から今日聞いた話ですが、飼っているネコが、夏になると血便が出るときがあり、その都度ハチミツに健康食品の<田七人参>を混ぜて食べさせると、すぐに止まって元気になるのでネコも喜んで飲むとのことでした。

ネコが元気になるというのは初めて知りました。ぜひ試してみて下さい。

高齢者の下痢

長い間お越しいただいているKさんのお母さんは88歳で、ほぼ寝たきり状態です。

元々胃下垂があり、胃弱なため、食べ過ぎたら下痢や腹痛をおこしておられました。医師からは止瀉薬や胃腸薬をもらわれたのですが、調節が難しく、そのためKさんも世話が大変なため、漢方薬を使うことになりました。

体が冷えて、おなかも冷たいとのことでしたので補陽利水の<真武湯>と<人参湯>をあわせて使っていただいたところお腹は温まったのですが、まだ軟便気味とのこと。そこで<参苓白朮散>に変更しました。

その後これらの薬を交互に使っていただき、すっかり改善し、現在は1日1回の服用で順調とのことです。

高齢者には漢方薬の穏やかな効き目がピッタシのようです。

熱体質・寒体質

先日のTV番組「発掘!あるある大事典II」では、暑さに対する人間の体質は「熱体質」「寒体質」に分けられるというテーマでした。

その内容は、汗をかきやすい人は「熱体質」、かきにくい人は「寒体質」で、体内水分量が少ない熱体質の方が熱がこもりやすく夏バテしやすいとのこと。

漢方では<熱証・寒証>といい、いわゆる<熱がりタイプ>と<冷え性タイプ>でとらえます。

そして、熱がりは水分を摂っても汗で発散してしまいますので、単に水を補給するのでなく、例えば<漢方薬B顆粒>のような<補陰作用=細胞に水分を保持させる>ような漢方薬を使い、疲労を軽減します。

また、冷え性タイプは水分を身体に保持しやすく、それがまた冷えを生むという悪循環に陥るのです。そこで、夏でも身体を温め、代謝をアップするようなもの、例えば<婦宝当帰膠>や<桂枝茯苓丸>を用いることにより、余分な水分を溜め込まなくなります。

食べ物ではTVでも紹介のように、熱証の方はトマト、キュウリ、ナスなどの夏の野菜で身体の熱を冷まし、冷え性の方はネギ、ニンニク、ショウガなどで胃腸の働きを高め、水はけをよくします。

これらの考え方は、昔から漢方の基本にあります。

梅雨の関節炎

以前から来られている68歳の女性Kさん。7月の上旬から足首がや足指付近が赤くなって脹れあがり、痛いとの相談を受けました。

当然、整形外科を既に受診され、通風や、リウマチなどの疾患の検査を受けられましたが、尿酸値も血液検査値も異常なく、CRP(炎症反応)も正常範囲で、原因不明とのこと。そこで、少し大きい病院の診察も受けられましたが、医師の診断はマチマチで、確定診断がなく、結局原因不明の関節炎だろうということになりました。

そこでまずは、炎症を沈め、浮腫をとる目的でリウマチに使う<越婢加朮湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。1週間後、脹れは引き、痛みも軽くなり、押さない限りは問題ないところまで改善しました。

Kさんはその間もMRIなどの検査を受けておられたのですが、すべて正常で、やはり原因不明状態でした。そして漢方薬が切れて後、また腫れが出てきたため、再び来られました。

今回は<よく苡仁湯>とハト麦含有健康食品を使っていただきました。

この症状は、長引く梅雨により<湿>が身体に停滞して起こっているものと考えています。そして梅雨が明ければ改善するのではと思います。