突発性難聴の改善

難病と言われるこの疾患は、漢方ではその多くがストレスに関連していると考えます。西洋医学ではまずはステロイド治療がなされますが、これでうまく改善しないケースもあります。

28歳の女性Sさんは仕事がハードで睡眠時間も少なく、心身疲労が原因と思われる突発性難聴を発症しました。早速に病院でステロイド治療を受けられるとともに、以前から漢方に興味があったので、早期に相談に来られました。

詳しくお聞きすると、最初に回転性めまいが起き、それが治まった時には難聴になっていて、ボーという耳鳴りや耳閉感もあるとのこと。体質は、冷え症で、少し水太り傾向があり、神経も過敏なタイプの方でしたので<当帰芍薬散>と<温胆湯>をお使いいただきました。

1週間後、耳閉感は消え、身体は温かくなり調子よくなったのですが、難聴は変わらずでした。そこで今回は<柴胡剤>を加えて服用いただきました。そして2週間経過後、聴力は改善しはじめ、耳鳴りも耳閉感もなくなりました。

短期間でこれだけ改善し、私もSさんもとても嬉しい思いでした。今回早期に改善したのは、発症から1週間後に来られたことがよかったのかと思われます。とにかく早く対応すること、これがポイントです!

耳鳴りと耳閉感

若い方の耳鳴りや耳閉感はほとんどがストレスに関連しています。このストレスを緩和し、気分を安定することで比較的短期間で改善します。

40歳の女性Tさん、2ヶ月前にブーとかボーというような音の耳鳴りが始まりました。また、耳に水が入っているような感じや、涙が出やすい状態がありました。体格はやや水太りの感じで、水毒がうかがわれますした。

Tさんの話ではこの時期にストレスがあり、それが原因と思われるとのことでしたので、貧血を改善する<帰脾湯>と、化痰・安神作用の<温胆湯>をお使いいただきました。そして3週間で改善の様子が見られ、耳鳴りも少なくなってきましたので、現在そのまま継続していただいています。

Tさんの場合は比較的早く相談に来られ、ストレス性であることも明らかでしたので、このまま改善するものと思われます。

外国人のご相談もあります

当店は交通の便も良いせいか、外国人がよく来られます。

昨日は中国人の男性が、日本に在住する娘さんとともに来られました。この方、日本に来て少し滞在されているのですが、最近身体が熱く感じ、耳鳴りがして、イライラし、不眠が続くとのことでした。そして中国の牛黄解毒丸のようなものが欲しいが、中国語で症状を説明したいとのことでした。

残念ながらカタコトの中国語では聞いても理解できないので、しかたなく娘さんに翻訳してもらいながらの問診の結果、陽気が増してきて身体に熱がこもり、これらの症状を引き起こしているようでしたので、<牛黄製剤>と<黄連解毒湯>などをお使いいただきました。

外国語での相談は、正確に症状を把握するのが難しいものですが、舌診や望診などでも判断ができるのは漢方の長所かもしれません。この方、その後良く成ってきたか心配です。

突発性難聴

3年前に耳鳴りが始まり、その後突発性難聴を発症された男性Iさん、すぐに入院され一旦は治まったのですが、3ヵ月後に難聴を再発し、疲れたときにはめまいも生じると相談に来られました。

最初はストレスが原因と思われたので、疎肝薬<加味逍遥散>や補腎剤などをお使いいただきましたが、ネットでいろいろ調べられていて、ハーブティBを併用されることになりました。

その後4年間このハーブティを継続され、一度も再発することなく元気に過ごされています。海外での仕事やストレスの多い仕事で、それに対応する漢方薬を併用されたらと思いつつも、漢方茶Bだけでとても順調と言われています。

突発性難聴の原因はヘルペス・ウイルスという説があり、ヘルペスの薬で治ったという症例もあるようです。今回このハーブティがどのように作用したかは不明ですが、結果が良かったのは確かでした。

若年性の耳鳴り

高齢者のキーンという耳鳴りや、中高年のゴーという耳鳴りの相談はよくありますが、若い女性にはピーというような耳鳴りがよくあります。

27歳の女性Tさん、回転性のめまいとともにピーという耳鳴りが発症し、長い間治らないので相談にこられました。仕事が忙しく、睡眠も充分とれず、疲労が重なっているようで、また冷えのぼせや腰痛があります。

漢方では<血虚>、<肝腎陰虚>と捉え、補血作用の<婦宝当帰膠>と補肝腎で目のトラブルにも使う<杞菊地黄丸>をお使いいただきました。1ヶ月程度で少し改善したのですが、費用のこともあり中断していました。しかし、薬をやめると再び悪化したので、再度来店され続けることになりました。

女性の耳鳴りは疲労や貧血によって起こるものが多く、また産後の血虚によるものもあります。いずれも早い時期に対応すれば改善は早く、慢性化の心配はありません。

難聴と耳鳴り

耳鳴りや難聴のご相談もたくさんいただきます。突発性難聴の場合は、漢方薬に加え板藍根エキスを併用することが多くあります。

低音域難聴と耳鳴り、耳閉感でご相談をいただきました48歳のMさん、ストレスが原因で発症したとのことですが、体質も合わせて考え、疎肝薬の<逍遥丸>や毛丹薬の<温胆湯>をお使いいただきました。しばらく続けられ改善してきたのですが、疲れたときや天気が悪い時は不調を繰り返していました。

その後ヘルペス菌との関連が疑われましたので、漢方薬に加え板藍根ハーブティを併用していただいたところ、明らかに耳鳴りが軽減しました。

突発性難聴の原因にはウイルス説と内耳循環障害説がいわれますが、最近はウイルス説のほうが有力のようです。

耳鳴り・耳閉感が改善

47歳Mさん、昨年9月に仕事に関連するストレスが引き金となって、耳鳴と難聴、耳閉感が発症しました。病院にではステロイドや循環改善剤などを投薬されていましたが、改善の傾向が見られず、今年4月中旬にネットでご相談をお受けしました。

症状や経過、体質等をお聞きすると、原因はストレスによって肝火が上に上昇し頭部の聴覚神経系に影響を与えていると思われました。また体質は<肝胆湿熱>タイプで<肝火上炎+心火>と考え、清肝瀉火<の竜胆瀉肝湯> と 清熱解毒の<黄連解毒湯> を組み合わせて使っていただきました。

1ヵ月後、良いときと悪いときを繰り返しながら、耳鳴りは気にならない程度まで改善し、6月上旬にはさらに調子良い日が増えたとの事でした。

そして一昨日には『医院では見放され暗い気持ちになっていましたが、漢方で改善傾向がみられ、何か前向きな気持ちになりますね。今日も調子がいいです。』とのうれしいメールをいただきました。

耳閉感の漢方

耳閉感が生じる疾患はたくさんあります。

突発性難聴、中耳炎、耳管狭窄症、メニエール病などで、最も多いのはメニエール病に伴うものです。この場合、西洋医学では利水剤系の薬などが使われます。しかし、それでも改善しないので漢方を求めて来られます。

この時点では、すでに耳鼻科に行かれて検査も診断も済んでいますので、他の疾患の心配はすることなく、発症した原因やそれまでの経過、現在の状態、その方の体質などでお薬を決めます。経験的にはストレスによる<気滞>が原因となっているケースが大半です。

51歳女性 Tさん、昨年5月に耳鳴りと難聴を発症。さらに年末からは家庭の事情で忙しくなり、その頃から耳閉感が生じてきました。耳の中でバリバリという音がしたり、頭痛がや肩こりもありました。

これはストレスによるものと考え、安神作用の<帰脾湯>や、疎肝剤を使いました。また、漢方でいう「気滞血お」=すなわちストレスによる血流悪化もあり、活血作用の<冠元顆粒>を併用することで、頭痛や肩こりはほとんどなくなりました。耳閉感に対しては<漢方薬K>に変更することで、改善の経過をたどっています。

突発性難聴とストレス

突発性難聴は西洋医学でも原因が明らかになっていませんが、ウイルス説と内耳循環障害説が言われています。

治療はステロイド剤や血管拡張剤が使われますが、短期間で治癒しない場合は治療方法がないようです。漢方では、血流とともに、ストレスと疲労が大いに関係していると考えます。

フライトアテンダントをされている、Kさん35歳女性。2ヶ月前に左耳が突然難聴になり、回転性めまいが発症しました。すぐに入院されてステロイドと血管拡張剤による治療を受けられましたがほとんど改善せず。その後、針灸治療を受け少し改善しましたが、まだまだの状態です。

漢方では血行をよくする漢方薬やストレス緩和作用のもの、リラックスハーブティなども使います。Kさんの場合は、時間経過も長く難しいように感じています。