耳閉感の漢方

耳閉感が生じる疾患はたくさんあります。

突発性難聴、中耳炎、耳管狭窄症、メニエール病などで、最も多いのはメニエール病に伴うものです。この場合、西洋医学では利水剤系の薬などが使われます。しかし、それでも改善しないので漢方を求めて来られます。

この時点では、すでに耳鼻科に行かれて検査も診断も済んでいますので、他の疾患の心配はすることなく、発症した原因やそれまでの経過、現在の状態、その方の体質などでお薬を決めます。経験的にはストレスによる<気滞>が原因となっているケースが大半です。

51歳女性 Tさん、昨年5月に耳鳴りと難聴を発症。さらに年末からは家庭の事情で忙しくなり、その頃から耳閉感が生じてきました。耳の中でバリバリという音がしたり、頭痛がや肩こりもありました。

これはストレスによるものと考え、安神作用の<帰脾湯>や、疎肝剤を使いました。また、漢方でいう「気滞血お」=すなわちストレスによる血流悪化もあり、活血作用の<冠元顆粒>を併用することで、頭痛や肩こりはほとんどなくなりました。耳閉感に対しては<漢方薬K>に変更することで、改善の経過をたどっています。