水分過多による下痢

水分過多に関連した話ですが・・・

慢性下痢も摂取水分を減らし、且つ胃腸の機能を高めて胃の水はけを良くする事で短期に改善することがあります。

54歳の女性Sさん、更年期の諸症状なのか、下半身が冷えてのぼせやすく、口渇があり、ついつい水分が多くなるようでした。そのため夕食後に水様性の下痢があり、お腹がはりゴロゴロするとのこと。また神経を使うと下痢になりやすいとのことでした。

そこで、お腹の水分をさばく、健脾・止瀉の<参苓白朮散> と 疎肝・理気薬の<四逆散>をお使いいただきましたところ、2週間で下痢は治まりました。結果からみても、<水湿困脾=胃腸に水分があふれていた>ことが明らかでした。

このような場合は口渇を少なくすることで摂取水分量を減らすべきですが、まずは下痢を止めることから開始し、次に根本治療に移す予定になっています。

高齢者の便秘

高齢者の便秘薬は、強すぎると下痢になり体力低下を招きますので注意が必要です。

年齢と共に身体が乾燥するのと同様に腸の中も乾燥し、便は通過しにくくなり、便秘になりがちですが、漢方ではこの場合は<漢方薬M>をつかいます。

85歳のKさん、5年以上のお付き合いで、時々便秘薬や皮膚掻痒症の薬を送ってほしいと電話がかかります。以前に病院でもらっていた麻子仁丸エキス剤より、当店の<麻子仁丸>の丸剤の方がスムースに便が出るとの事です。

主成分の麻子仁には、リノール酸、リノレン酸、などの油脂成分が含まれていて、便が腸内で滑りやすくなって排出されるので、お腹が渋るなどの心配がありませんし、腸に負担がかかりません。そして、煮出して抽出したエキス顆粒よりも生薬を粉砕して固めた丸剤の方が効果があります。Kさんも体調によってこれらの薬を上手に使っておられます。

便秘に食物繊維

便秘だけの相談は少ないのですが、相談に来られた方に聞いてみると便秘の方は大変多いのです。3日に1回だと<普通?>と思われている方や、10日に1回というすごい記録保持者もおられます。

しかし便秘はすべての疾患に対して悪影響があり、特に皮ふトラブルの方には毎日お通じがあるように改善していただいています。このとき使うのが、センナ実含有便秘薬の<ハーベルシー>だけでなく、食物繊維健康食品を合わせて腸をきれいにする方法です。多くの方に使っていただきましたが、好評で快調+快腸だとの感想をお聞きしています。

厚労省は生活習慣病予防などの観点からは、大人で1日15-20グラムの食物繊維を摂取するという目標を掲げていますが、大腸がん予防には10グラムでよいとのこと。しかしこれ以下だと大腸ガン発症の危険性が高まるとの調査結果を発表しています。

便秘を改善すると共に食物繊維を合わせて摂ることは理に適っているのです。

高齢者の下痢

長い間お越しいただいているKさんのお母さんは88歳で、ほぼ寝たきり状態です。

元々胃下垂があり、胃弱なため、食べ過ぎたら下痢や腹痛をおこしておられました。医師からは止瀉薬や胃腸薬をもらわれたのですが、調節が難しく、そのためKさんも世話が大変なため、漢方薬を使うことになりました。

体が冷えて、おなかも冷たいとのことでしたので補陽利水の<真武湯>と<人参湯>をあわせて使っていただいたところお腹は温まったのですが、まだ軟便気味とのこと。そこで<参苓白朮散>に変更しました。

その後これらの薬を交互に使っていただき、すっかり改善し、現在は1日1回の服用で順調とのことです。

高齢者には漢方薬の穏やかな効き目がピッタシのようです。

梅雨時期の下痢

梅雨に入って、湿度による影響が身体にでてきたようです。

元々便がゆるい方は、この時期さらに悪化しやすく、薬も変えていきます。

40歳男性Nさん、昔から胃腸が弱く、下痢や痛み、ガスなどのトラブルが続いていました。
当店では、<四逆散>や<半夏瀉心湯>、<六君子湯>などを使っていただいていますが、最近時々水様便のような時があるとのこと。

そこで、便をまとめ、腸内の水分を吸収させるため<オオバコ含有健康食品>を使っていただきました。根本治療は腸の働きを良くすることですが、応急的には食物繊維を使って水分を吸収させることで、軟便が改善するケースはたくさんあります。

<食物繊維の健康食品>は便秘傾向の方にも、下痢傾向の方にも使える便利な健康食品で、当店では人気商品のひとつになっています。

高齢者の下痢

下痢に用いる漢方薬はたくさんありますが、高齢者の場合は西洋薬の止瀉薬より漢方薬が適します。止瀉薬を使うと、下痢が止まったと思えば便秘になるなど、調節がうまく行かないというケースがありますが、漢方薬はおなか全体を整えますのでその心配もありません。

85歳女性Kさん、ほぼ寝たきりの方で、先月より下痢が続き、時々腸が痛むとのことで家族の方が相談に来られました。医師からは薬をもらって2週間のんだが改善しないので、漢方の方が適しているのではと思われたそうです。

詳しく話をお聞きすると、腹部の冷えや年齢的なことが影響しているようでしたので、温腎利水の<真武湯>と<人参湯>を1週間分お使いいただきました。

今日再び来られ、結果は良好で、下痢は止まり、少し軟便程度になったとのことでしたので、漢方薬を調整し、また1週間使っていただくことにしました。

<真武湯>は身体を温め、元気をつけます。朝力の下痢にはよく効きます。また、<人参湯>も腹部をあたため、胃腸の働きを良くします。2種類をあわせたものを、とある医師が便宜的に<真理湯>と名づけられていて、私も活用させていただいています。

ストレスによる便秘

ストレスはいろいろなところに影響をあたえますが、その一つに便秘があります。中医学で『気秘』といわれ、肝脾気滞により起こります。

症状としては、お腹が張る、スッキリ出ない、残便感、便が細いなどです。通常の便秘薬を使っても、便は軟らかくなるがなかなか出ないようです。

30歳男性Wさん、営業の仕事をされていてストレスがいつも多く、身体は見た目は元気そうですが、本人はすごく疲れを感じているとともに、ひどい便秘で数日出ないし、お腹が張って苦しくなります。

<大甘丸>など通常の便秘薬ではだめで、<通導散>を使っていただきました。これは<大黄>や<芒硝>などの瀉下剤と<厚朴>や<枳殻>の気剤が合わさったもので、気滞やお血に使うものです。

これに限らず、気のめぐりをよくする理気剤を加えても良いのですが、1種類で済む優れた漢方薬です。1週間後が楽しみです。

慢性の下痢

慢性の便秘の方は多いですが、慢性下痢の方もよく見られます。

原因は様々で、水毒と言い、水分過多の場合は飲む習慣を改めなければ治りません。胃弱の方は時間をかけておなかを温め、胃腸の働きをよくする方法です。しかしその原因がストレスや神経性を伴っている場合は、簡単には解決しないこともあります。

Nさん36歳男性、少し細身で、まじめ、神経を使いストレスがたまりやすいタイプ。長い間、軟便が続いています。朝一番がゆるく、会社に出かけるまでに2~3回トイレにいきます。時々胃痛もあり、喉がふさがって息苦しいときもあります。

神経性の下痢と考えて、半夏瀉心湯、藿香生気散、参苓白朮散など、症状の変化に合わせてお薬も調整、最近ようやく<大建中湯>で軽快して来ました。思った以上におなかが冷えていたようで、<蜀椒>や<乾姜>が効果を高めたようです。

他にも下痢に使う処方はたくさんありますが、タイプによっては時間がかかることが多いですね。

梅雨時期の漢方 1

今朝の新聞によると、私の住んでいる地域でも食中毒が発生。1件は宅配弁当業者から、もう1件は市役所の食堂からということでした。

この時期の温度と湿度が、菌の繁殖を促進するので多発します。清潔にするなど気をつけることですが、完全な予防は難しいです。漢方では

1、下痢や食欲不振を改善する「参苓白朮散が有名です。

2、お茶はスベリヒユが主成分のハーブティ<五行草>が適します。

人体ですので使用時と不使用時の比較はできませんが、予防的に使えるのは漢方の特徴です。『備えあれば憂いなし』です。