肌荒れ・かゆみ
女性の肌荒れ
今日は肌荒れ専門相談日?でした。肌荒れにもその原因やタイプがいくつもありますが、今日の3タイプの方を紹介します。
33才女性Mさん、生理の前になると肌があれ、皮膚がめくれたり、目の周りが赤くなる、全身が乾燥傾向があるとのことでした。ホルモンの変化と関連するもので、補血作用の<婦宝当帰膠>と、疎肝作用の<加味逍遥散>を1ヶ月使っていただき、今日お越しになった結果は大変良好でした。目の周りの赤みは少し残るものの、乾燥や荒れは改善していました。
もう1人は38歳のMさん、関節部や頬にアトピーがあり、手指にも丘疹ができて痒みがあり、全身は乾燥状態で、ストレスで悪化しやすいとのことでした。3ヶ月前から主に補血潤燥の<当帰飲子>と疎肝作用の<加味逍遥散>を使っていただき、全身はほぼ改善し、指の痒みだけが残っている状態まできました。
もう1人は36歳のKさん、吹出物が多く<十味敗毒湯>や<消風散>などを使っていただき、きれいになったのですが、跡形が残っているため<ヨクイニン>のエキス剤を使うことにして1ヶ月余り、黒い跡形がわずかずつ色が薄くなってきました。
同じ肌荒れでも、原因や体質により、使う漢方薬は当然異なるのです。他人が効いたからといってもだれでも効くというものではありません。
花粉症の肌トラブル
今年は天候が不順で、朝夕がいつまでも寒く、雨も多いように思われますが、今日はすっかり桜日和です。京都ではこの2~3日がちょうど桜満開の時期で、観光客もいっきに増えています。
それに伴い花粉の飛散もふえ、今日は激しい咳の方や肌荒れの方がこられました。
元々アトピー体質の38歳女性、乾燥が激しく、指がひび割れし出血するほどの状態でしたが、しばらく<当帰飲子>を使っていただいたところ、乾燥は改善しステロイドを使うことなく過ごせるようになりました。
しかし花粉症の時期になり、顔が赤く、カサカサして痒みが強くなったため、従来の薬に衛気を高める漢方薬を加えて使っていただきました。結果、痒みと肌荒れは改善状態を保っています。
今日は同様の、乾燥して顔がかゆい、顔が赤くなる、耳がかゆい、などの相談が相次ぎました。
花粉の飛散のため、この時期は肌トラブルの方にはいやな季節です。
皮膚掻痒症
冬に相談に来られるアトピーや皮膚病の方は、ほとんどが乾燥で悪化するタイプで、特に睡眠時に身体が温まると痒くなるという方が多いようです。先日も同様の症状の方が2人相談がありました。
45歳男性Mさん、特に目立った発疹があるわけでもないのですが、夜間の睡眠時に急に痒くなり目が覚めるといいます。掻いた後は膨疹といって、みみずばれになり、しばらくしたらひくが、睡眠障害になるという。このような膨疹が出るタイプは<血熱>体質と言い、身体にこもる熱を去る薬を使います。
Mさんの場合は乾燥による痒み改善するため<当帰飲子>と、熱を去る清熱通便の<清営顆粒>を使っていただきました。1ヵ月後来られ、痒みが出る部位が少なくなり、掻く回数も減ったとの事。しかし元々は辛いものや香辛料を好んで食べる方で、血熱を生みやすい体質になっているので、体質改善には今しばらくの期間を要すると思われます。
皮膚病の日
今日は不思議なくらい、皮ふトラブルの方が多くみえました。
以前からよくあることですが、1日のうちに同じような疾患で相談に来られる方が集中するのです。そのため、いろいろ考えることなく、スムースに対処方法や注意事項が頭に浮かんできます。
26歳女性Tさん、まぶたの付近に乾癬のような、乾燥し、痒みのある皮ふトラブルがあり、酷くなってきたので相談にこられました。舌を見ると色は淡く貧血の様で、聞くと立ちくらみで突然に倒れることがあるとの事。肌は乾燥し、風呂上りは全身に痒みがある。胃腸が悪いと頭痛がするなど、様々なことが聞かれました。
まずはアトピーを治すより、身体を整えることが先決です。そこでまずは血液を補う<漢方薬F>を体質改善薬として使っていただきました。また、生理前のトラブルや、皮ふ状態の変化から、ストレスが大いに影響しているため<漢方薬S>と、外用には赤みと痒みを軽減し、保湿する漢方クリームS>を併用しました。
いわゆる皮膚病によく使われる漢方薬は使わず、本治からスタートする方法もまれにあります。全身の改善が部分の改善につながるのです。
漢方の軟膏 3
漢方軟膏で最も有名?なのは「紫雲膏」ではないかと思います。
S軟膏は、やけどの時に<すぐに> <たくさん>塗っておくと水泡ができてもすぐに引いていくようです。また、乾燥してひび割れした皮膚に塗ると、短期間でつるつるになります。しもやけになりやすい方は、夜寝る前に塗っておけばこれで大丈夫。痔の方は周囲に塗ってもよいし、<座薬タイプ>を使うと内痔核にもよいし、痛みがある方ならすばやく治まります。
これだけ使い道があるのに、成分は<紫根=熱をさまし、解毒する> <当帰=消炎や血流をよくする> <ミツロウ=解毒、生肌作用> <豚脂=乾燥をとる>などで、幅広い効果があるのです。
また漢方軟膏は口に入っても安全なことも大きな特徴です。もっと見直したいものですね。