風邪薬と漢方 1

今日は、風邪を引いてしまったときの漢方薬の上手な使い方についてお話します。

ちなみにこれはわたしの経験上のことであって、中医学や漢方理論としてどうかということではありません。

まず、風邪はひき始めが肝心です。
そして、漢方薬もひき始めに使うのが最も効果的です。症状が進み、高熱を出してから漢方薬を飲んでもあまりありがたみを感じることができません。
もちろん、漢方薬が風邪急性期に効かないわけではありません。ただ、漢方薬しかり、病院のお薬しかり、ドラッグストアのお薬しかり、風邪の症状が進んでから飲んでも自分の力で勝手に治ったのか、薬が効いたのかよくわからないのです。
ちなみに、薬をあなたのために買ってきてくれた人は、薬のおかげでよくなったねって言うに決まっています・・・。

では、風邪のひき始めとはいつか?というと、ぞくぞくっと体に「悪寒」が走った時です。ただし、気持ち悪いものを見たときに悪寒が走ったものは除きます。

さあ、この時、まずは日本漢方の名処方、「葛根湯」を試してみましょう。
熱いお湯で一服、1~2時間後まだ「悪寒」があれば一服、さらにまた1~2時間後に一服飲みましょう。私は1日5~6回は飲んだことがあります。

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風邪をひきやすい体質

朝夕寒くなってくると風邪をひきやすくなりますが、年間通して風邪をひきやすい方もよくあります。

40代の男性Hさんは、1ヶ月に2~3回風邪をひくことがあり、体質改善をしなくてはと相談を受けました。漢方薬よりも健康食品で気長に続けたいとのお考えで、<エスタフレッシュ>というプロポリスをお使いいただきました。

そして1ヵ月後には早速効果があったのか、風邪は1回だけ、さらに2ヶ月目は引かなかったとのことでした。その後、補気薬や補腎薬を併用され、ますます調子が良い様子、本当に早い効果で驚きでした。

先天の本と後天の本

中医学で<腎>を先天の本といい、生まれながらにして持っている生命力・エネルギーを意味します。

また、<脾胃>を後天の本といい、脾胃すなわち消化器系による消化吸収の働きによって気血が生まれ、生命が支えられているということを意味します。

そこで、心臓も肝臓ももちろん大事ですが、胃腸系はその元として最も大事なのです。

68歳の女性Mさん、風邪を引きやすいといって昨年秋に相談にこられました。話をお聞きすると胃腸が弱いとのことでしたので、風邪の予防薬ではなく、胃腸の働きを高める<香砂六君子湯>をお使いいただきました。その後今年4月までまったく風邪を引かなかったとご報告いただきました。

風邪の予防にお勧めしている健康食品も使われず、また準備されていた風邪のための漢方薬も使うことなく元気に過ごしてこられました。

後天の本、すなわち胃腸を丈夫にすれば風邪をひきにくくなるという、根本治療の大切さを学びました。

三寒四温と風邪

昔からこの時期は三寒四温といい、寒い日が3日続くとその後4日は暖かい日が続くといわれます。この言葉通り、最近気温の変化がはげしいですね。

京都では、1昨日は最高気温23℃で5月の気候でしたが、今日は短時間ですが雪が降りました。

気温の極端な変化についていけず、風邪を引く方がおられますが、少し熱っぽいと思ったらすぐに漢方薬を飲むと、発熱せずに終わることが出来ます。この時期よく使う風邪薬は、体力のある方には<葛根湯>、またゾクゾクするようなタイプの方には<麻黄附子細辛湯>がお勧めです。錠剤で常備薬として使いやすいのも特徴です。

何事も早めの対応が肝心です!

風邪・鼻水・咳の処方

私事でよくある話ですが・・・

夕食後にうたた寝をした為に不覚にも咽の痛みが! しまったと思ったときは時既におそし、急いで板藍根含有健康食品を飲んだものの、あくる朝には鼻水とクシャミの連続でした。これは<風寒>にやられたと考え、定番どおり<小青竜湯>を服用したもののとまらず、さては体の奥にまで入ったと思い、補陽作用の<麻黄附子細辛湯>に変更し、少し小康状態を保ちました。

あくる朝からは咳と痰が始まったので<麻杏甘石湯>と<蘇子降気湯>を併用し、その次の日は乾燥咳に使う<麦門冬湯>に変更してようやく落ち着きました。

自分の状態はよくわかるので、その都度処方を変更しすぎて誤ることもよくあります。本来はそれほど変更せずに対応できるものなのですが、気が焦るための結果です。

漢方の大家が病んだとき、その先生が処方するのでなく、弟子や友人が考えて処方されるようです。私にはそんなことをしてくれる人はいませんが、他人になって客観的に自分を見る余裕が必要であることを感じました。

夏風邪

本格的に暑くなるにとともに、風邪の方が来られています。

こんな時期に風邪?と思いましたが、クーラーなどで急に冷えたためか、熱は高くなく微熱程度なのに、咳や痰が酷いというケースがありました。

時々来られる近くの会社の男性、咳と痰がひどく、寝る前には特に咳き込み寝苦しいとのことでした。そこで咳と微熱をとる<麻杏甘石湯>と痰を軽減する<蘇子降気湯>を併用していただき、3日間でほとんど治まりました。

夏風邪には<銀翹散>を使うことの方が多いのですが、この方は痰も多く、微熱っぽいこともあり、発汗して熱をとる麻黄剤を使っていただき、改善した例です。

漢方は症状により変化します

慢性病の場合は、同じ漢方薬を1ヶ月以上続けることもありますが、急性病の場合や、状態が変化するような多くの疾患では、変化に伴って漢方薬を変えていくのが通常です。

例えば、風邪の初期には、<葛根湯>や<麻黄附子細辛湯>などの薬を用いますが、熱が下がったり、咳や他の症状が出る時期には、<柴胡桂枝湯>などを用います。そうすることによって改善が早くなり、漢方薬がよく効くのです。

毎日メールで多くのご相談を受けていますが、現在の状態に適した漢方名を『教えてください』というだけの問合せも多いのです。そしてその結果をもとに、病院またはどこかで入手されるようですが、状態が変化すれば漢方薬も変えていく必要があるのに、同じ薬で続けられても改善しないと思われるケースもあります。

せっかく漢方を始められるなら、改善するまでしっかりと治されることが、無駄のない使い方なのです。最初は安くで手に入れられても、治らなければ結局は高くつくことになります。

漢方薬を有効に使うことをおすすめします。

風邪の早期改善

寒さが急に強くなり、風邪の方が増えるのではないかと思われます。

風邪薬はたくさんありますが、初期にうまく抜けることが大切で、こじれてしまうと咳が長引いたり、喘息様症状になったりします。短期間に良くするには、思い切ってたくさんの漢方薬を使う場合もあります。

50歳女性Tさん、風邪をこじらせて3日目、微熱があり、咳き込みが激しく、咳のため胸が痛い、痰は少ないと言う症状でした。あくる日に大事な用事があり、早く治したいとのこと。

そこで、柴胡桂枝湯や、麦門冬湯、 咳と咽の痛みをとる<銀翹散>などを2日分使っていただくことにしました。 そして、1日経た今日の夕刻にTさんから電話をいただき、ずいぶん良くなって用事も無事に終えたとの報告を受けました。今回のように多くの種類を使うことは少ないですが、どうしても1日で良くする必要がある場合はこんな方法も有効です。

風邪のご相談

昨日から雨混じりの雪が降っていたのですが、京都市の北部では今朝で5センチの積雪がありました。

京都の街中は名物?『京の底冷え』状態です。そのため風邪の相談が続いています。

不妊症の治療中のHさん、現在は卵胞期でそろそろ排卵の時期になり、人工授精を予定されているのですが、あいにく風邪をひかれ相談に来られました。前回も風邪のため不妊治療がうまくできなかったので、今回はすぐに治したいとの事。しかし大事な時期なので、西洋薬は使いたくないのです。

Hさんの症状は、鼻水がでて、咽がチクチク痛く、少しゾクゾクと寒気がするというので、<麻黄附子細辛湯>を3日分使っていただくことにしました。

不妊治療中の女性の場合、月経後期や排卵期前後に体調がくずれやすくなり、風邪症状がよく出ます。また、妊娠中の女性は、西洋薬が使えないケースが多く、風邪には漢方薬が安心してお使いいただけます。

梅雨時期の漢方 5

昨日と今日は、風邪と咳の相談が続きました。

このところの暑さでどこに行ってもクーラーが入り、寝るときもクーラーを使われるようになり、身体も変化についていけない状態ですね。そのため風邪を引き、咳が出ているようです。

この時期の咳は痰も多い傾向があり、小青龍湯や蘇子降気湯を使ってもらいます。まずは身体を冷やさないこと、冷飲食でおなかを冷やさないことです。

薬より生活上の注意から!