頭痛・頭重感

頭痛の漢方薬はたくさんあり、その使い分けも簡単なようで難しいものです。

44歳のYさんは、頭全体がボワーンと痛み、眉毛あたりを押すと気持ちが良いとのこと。また時には肩こりから後頭部にかけての頭痛もあるということでした。これは肩こりだけでは解決しないと思い、全体的な体質から考えることとし、冷え症、のぼせ、むくみ、舌が淡舌などの特徴から補血・利水作用の<当帰芍薬散>をお使いいただきました。

1週間ほどで冷えが少し楽になり、むくみも改善するとともに、頭痛も改善してきました。

ついつい頭痛という病名にとらわれて考えてしまうのですが、漢方はその方の全体を見て体質を判断することが重要であることを(当然のことなのですが)、この方を通じて再認識させていただきました。

老人性うつ病

認知症によく似た症状を現す老人性のうつ病は、外に出たくない、1日中ぼうっと過ごしている、居眠りをして夜は眠れない、物忘れが激しい、何もかも自分が悪いなどといって悔やむ、などの症状が見られます。

70歳の女性Kさんも、医師から抗うつ剤や安定剤を処方されていましたが、笑顔がない、外に出たくない、心臓の圧迫感、胸苦しいなどの症状が改善せず、相談を受けました。

そこで漢方薬は認知症にもよく使われる<帰脾湯>や、リラックスティの健康食品Sをお使いいただきました。
帰脾湯は本来、貧血や不眠に用いられるものですが、このような使い方も一般的です。

1ヶ月ほど経過した後、Kさんの顔色はよくなり、悔やむことも少なくなり、そして外出するようになったと家族の方から報告を受けました。お薬が合ったようで、よかった事例となりました。