高齢者のめまい

めまいの話は何度も書きましたが

その原因として圧倒的に多いのが水毒、水分代謝に係わるものです。

しかし高齢者の場合はどちらかというと痩せていて、たくさんの水分が停滞しているという事はあまりありません。このような方のめまいは血流と関係するものが多いようです。

80歳の女性Nさん、以前にめまいで通院したことがあり、以降時々フラッとする時があります。血圧も少し高いので<冠元顆粒>を飲んでおられますが、めまいを感じたときはこの漢方薬をを少し多めに飲むと落ち着くとの事。

冠元顆粒は血流をよくする薬で、これによって改善するようです。血流を良くする薬は他にもたくさんありますが、めまいで<冠元顆粒>や<桂枝茯苓丸>で良くなる例はたくさん経験しています。

ストレスとめまい

ストレスはどこにでもあるものですが、夫婦間の場合は一生持ちになります。

男性は年々細かく、うるさくなり(私もそうですが!)定年退職しようものなら、家の中にいてちょっとした事でも目に付いてしまうのです。そのため奥様は神経が疲れ、外に出ようとされます。

しかし! 外に出るとき「どこに行く?何時に帰ってくる?」など聞かれると、出るのも億劫になるようです。結局ストレスはたまる一方なのです。ご主人がゴルフにでも出てくれればラッキーなのですが、身体がしんどくなるとゴルフの回数が減るというもの。こんな悩みはよく聞かされます。

Mさん73歳女性、ご主人が会社の会長さん。といっても、ほとんど仕事は社長に任せて、本人は自宅におられることが多いため、奥様は出られず。お花の先生をされているので、その指導や展示会の時は出かけられるのですが、家にいる時間の方が長く神経疲れのためかめまい、不眠、動悸など様々な症状が現われます。

そこで精神神経症状を緩和する安神作用の<桂枝加竜骨牡蠣湯>や疎肝薬の<加味逍遥散>を使っていただき、症状は改善しますが、根本治療にはストレスがかからなくすることで、時間がかかりそうです。

めまいと水分の関係

めまいにもいろいろなタイプがあります。前にもブログで書きましたのであわせてご覧下さい。  https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2005/07/post-52.html

その中で、水分のとりすぎが原因になっているケースもよくあります。TVや新聞で、充分水分をとりましょうと聞いて、1日3リットルも飲んでいる方がありますが、人により必要な量は異なりますので、必要に応じて飲むというのが正しい飲み方と考えます。

漢方の先生方はほとんど <水を控えなさい> と指導しておられることと思います。誤った知識が病気を生んでいると思うからです。

70歳女性、朝方にめまいがする、頭が重いことが多い、首の後ろがつまる、まぶたが腫れる、脚がむくむ、などの症状を訴えられました。聞いてみると、寝る前に血が固まらないように水をしっかり飲むとのことでした。そして夜間尿はないので、水は体にたまって、様々な症状の原因になっていると思われます。

とりあえず夜間は水を控え、寝る前はコップ1杯だけにしてもらうことにしました。1週間で良い結果が聞けるものと期待しています。また報告します。

めまい 2

めまいは比較的中高年の女性に多くみられ、当店に相談に来られる方の9割が女性です。

73歳女性、忙しかったり、疲れたときにめまいが起こり、漢方薬を飲むと1日でほぼ治まる状況でした。真武湯や半夏白朮天麻湯などを使ってきましたが、どうもスッキリ、スカッときかないということで、薬を <加味逍遥散> に変更したところ、治りが今までになく早くなったとの事。

そういえばこの方は、ご主人に係わるストレスが多く、イライラを伴なっていたので、疏肝剤が適しているのは当然のことでした。

ついつい過去に実績のある漢方処方を使いがちですが、その方の状況にあわせて処方するという漢方の基本に立ち返ることの大切さを教えられました。なお、めまいに使う処方は20処方以上ありますので、よ~く相談されることが必要です。

めまい 1

めまいの相談はたくさんあります。比較的簡単なケース、例えば1~2週間で改善する場合と、半年かかっても改善しない例など様々です。

漢方的な原因で考えると、<水毒=頭部水分代謝の悪い状態> <血お=血の流れが悪い> <肝鬱=ストレスなど精神的要因> などが多いようです。

66歳女性、3年前にフワフワ、フラフラすると言って来店されました。顔がむくみ、頭重感があり、発作のときに吐き気がするなどの症状あり。これは「水湿」と言い、水分代謝が悪くて起こるもので、<苓桂朮甘湯> を基本に、2週間でかなり改善しました。以降も心配なので飲み続けるとのことで、標準の1/2量でしばらく服用を続け、さらに1年後からは1/3量で服用されました。以降全く起こらず快適に過ごしておられます。