「海外研修報告」

海外研修26 : 南京中医薬大学附属病院<高度生殖医療と漢方の使い方>

2017年9月
南京には、周期療法の生みの親である夏桂成教授がいます。
88歳を越える夏先生はお元気で、外来で赤ちゃんがほしい方の治療にあたっています。
夏先生は3年前に医師として最高位にある
「国医大師」の称号を中国政府からいただいた、雲の上の存在になられた方です。
7年ぶりにお目にかかり、米寿になった先生が自ら「進化した」とおしゃっるのには、とても刺激を受けました。
私を見つけて「おっ!」と、握手をしてくださり感激でした。
中国のみならず、今は世界的にも周期療法が有名になり、先生は世界各国から講演依頼があるとのことです。でも、体の事を気遣い、大学側がお断りをしているそうです。
診察代は聞くところでは300~400元、日本円で6000~7500円、他に薬代が自費ですから、高額医療ですね。夏先生の言葉「22時までには寝なさい」どの方にも共通していました。日本ではなかなか難しいですね。

生殖医療の談勇教授の講義を受講しました。
「高度生殖医療と漢方の使い方」 いかに質のよい卵をつくるか、移植した胚をいかにして着床しやすくするか、妊娠~安胎・保胎していくかを、ご自身の経験を惜しみ無く話してくれました。

広い中国の中で、中医薬(漢方薬)と生殖医療が同時にできるのは、この「南京中医薬大学附属病院」と、2006年に研修に行った「広州中医薬大学第一附属病院」の2か所しかありません。
他は西洋医学だけで生殖医療が行われているのですから、今回も貴重な研修です。
談勇先生の講義内容は私たちのニーズに合わせたもので、ARTに対応して中成薬(漢方薬)を使っていくポイントを話されました。

1、 妊娠前に体質を改善して妊娠機能を高めていく漢方薬
2、 卵巣誘発周期に使う漢方薬
3、 移植後の胚の力、内膜の状態を助けて受精能力を高める漢方薬
4、 妊娠後の安胎薬の漢方薬

26日 8時半から、談勇先生の外来研修、銭菁先生の外来研修
午後からは殷燕云教授の「反復移植失敗の中医学対応」の講義でした。
店頭でもよく遭遇しますのでとても参考になりました。

もう一人、任青玲教授の「卵胞期の婦人科疾患の治療」でした。
卵巣嚢腫、腺筋症、子宮内膜症など各種の疾患を持つかたの卵胞期の治療で、とても勉強になりました。
研修終了は7時。

夜はお世話になった南京中医薬大学の先生方との会食でした。
劉沈林院長先生から終了証書をいただき7回目の南京研修が終了しました。

 

南京中医薬大学附属病院<高度生殖医療と漢方の使い方>

南京中医薬大学附属病院<高度生殖医療と漢方の使い方>

南京中医薬大学附属病院<高度生殖医療と漢方の使い方>

南京中医薬大学附属病院<高度生殖医療と漢方の使い方>

南京中医薬大学附属病院<高度生殖医療と漢方の使い方>