「リウマチの症状と漢方薬」
リウマチは、正確には慢性関節リウマチといい、自己免疫疾患で原因は未だ不明です。女性に多く、根本治療はなく、症状の改善を中心とされますが、悪化すると関節の破壊をきたします。 西洋医学では、ステロイド剤、抗リウマチ薬、免疫抑制剤が使われ、また手術も行われます。
リウマチの中医学的考え方
漢方では「風・寒・湿」が原因で起こるとし、これらの影響を体から取り除くことを基本とします。中でも多いのが、冷えによる影響に対しては体を温めて痛みをとる処方、腫れがあり湿気が影響しているタイプには、水分代謝を良くして湿をとる処方を用い、症状改善ができます。
リウマチのケーススタディ
不通則痛
朝夕の寒さが増すとともに、神経痛やリウマチを患っている方にとっては、四肢の痺れや変形、こわばり等の症状が強くなり、つらい季節となります。西洋医学ではリウマチの原因や病理についてまだ不明な点が多く、決定的な治療法も確立されていません。このため治療薬としては、抗炎症剤、副腎皮質ホルモン等が使われますが、副作用が多く的確な治療法とはなりえず、慢性難治化する例が少なくありません。
漢方ではリウマチを『痺症』といいます。痺とは閉塞して通じない意味で、湿気(湿邪)と冷え(寒邪)が皮膚、筋肉、関節に滞り、気血の流れが阻害されると考えます。急性では筋肉、関節の腫脹や痛み、発赤、浮腫を起こし、慢性化すると患部の栄養障害によって筋萎縮、骨変形等を呈します。この状態を『不通則痛』すなわち通ぜざれば痛むとも表現されます。治療方法は、初期には発汗によって筋肉、関節に侵入した湿気を去る治療や鍼灸が奏功し、慢性では尿中に湿邪を排泄する方法などを主に用います。
漢方薬としては湿気をとるヨクイニン(はと麦の実)や、温める作用がある附子(トリカブトの根)を用いた薬を用います。また最近は、止痛、通絡(気血の流れをよくする)作用がある食用アリや、自己免疫を高める免疫ミルクなどの健康食品が評判になっています。どんな場合も身体を冷やさないことが肝心です。
リウマチの炎症
リウマチの相談はよくあります。冷える時期に痛む方が多いのですが、これからは湿気の多い梅雨が心配されます。
リウマチの指標のひとつに<CRP>がありますが、これは炎症または組織壊死のあるときに高くなります。この数値が高い方はステロイド剤のパルス療法や、ロキソニンなどの鎮痛剤を使われます。漢方薬もいろいろと使いますが、最近は健康食品のアリ製品も使われます。
50歳女性Tさん、若くからリウマチの傾向があると言われていたのですが、昨年夏から悪化し、秋からステロイドホルモンによる治療を始められました。
昨年末に来られたときはCRPは6近くで、他のデータもかなり悪い状態でした。漢方薬に合わせて、アリ製剤の<イーパオ>を使っていただきましたが、先月はCRP1,8まで下がりステロイドも減らすことができました。西洋薬や漢方薬を併用した結果ですが、他の方でも同様の経験をしています。
食用アリにはミネラル成分が多く、微量成分として、マンガン、亜鉛、セレンなどが含まれ、これらが免疫調節するのではないかと言われています。中国では、リウマチや肝炎治療にアリ製剤が使われ、生薬市場にはアリの粉末が売られています。
※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。