「糖尿病の症状と漢方薬」
糖尿病の中医学的考え方
糖尿病が強く疑われる成人男女が過去最多の約950万人に上りました(2012年国民健康・栄養調査結果)
糖尿病は初期には痛みなどの自覚症状がなく、血液検査で血糖値が高くなっていることで初めてわかります。それでも、その内治療を受けている人の割合はおおよそ65%で、少しくらいならと治療も受けず、生活習慣も変えない方が多いので、糖尿病人口は増え続けています。
しかし、大きな問題は合併症で、糖尿病腎症、末梢神経障害、網膜症などの3大合併症に加え、血管にかかわる疾患が多数あります。
漢方では血糖値の上昇をコントロールをするだけでなく、糖尿病に伴う不快な症状の、口渇、多尿、倦怠感を改善します。さらに漢方薬が効果を発揮するのは、合併症の予防です。血液の状態や血管の状態を良くして、進行を抑制します。
糖尿病のケーススタディ
糖尿病は夫婦で改善!
糖尿病相談の特徴は、来られた時はしっかり改善しなければと思われるのですが、1度来られた方が2回目は来られないというケースが多く見られます。自覚症状がなく、当然費用もかかるので、自分で運動や食事療法で改善しようと思われるのかも知れません。
72歳の男性Kさんは8年来のおつきあいで、最初は血糖値に良いお茶のようなものがないかと来られました。そこで昔から使われる民間薬の<タラ木皮>や<連銭草>などをお使いいただきましたが、食事のコントロールも出来てなくて、血糖値は上り気味の時は<若蘇源>などもお使いいただきました。
その後HBA1cが9を超えたので一念発起され、徹底した食事療法をされつつ、病院の薬と漢方薬も併用し、HBA1cを6,5まで下げることができました。また、日常的には<冠元顆粒>をお使いいただき、眼底出血が起きた時は<田七人参>に変更したり、状況に応じて根気よく改善に取り組んでこられました。結果、HBA1cは少し高い程度で維持されています。
考えてみれば、それが出来たのもKさんの努力以上に、奥様の努力と管理が大きかったものと思われます。糖尿病の改善には夫婦の協力が不可欠であることを学びました。
糖尿病と血糖値
糖尿病の管理に血糖値やHbA1cなどが使われますが、それだけでなく血流など全身の症状と合わせて対応することが必要なことは言うまでもありません。
71歳男性Kさん、以前より糖尿病や鼻炎などで相談を受け、<若蘇源>や<冠元顆粒>などを使っていただいていましたが、今年に入り医師が変わったため、糖尿病の薬を変更して血糖値をしっかりと下げようという事になりました。
昨年はHbA1cが8以上でしたが、薬を変更したため最近は6,5程度まで極端に下がりましたが、それにつれて肝機能のGPTが高くなりました。医師の話では薬の副作用だろうとのことで、以前の糖尿病薬に戻される予定です。
血糖値が下がれば肝機能が上り、肝臓が良くなれば血糖値が上るという問題が出てきました。
そこで再び漢方を再開することになりましたが、この間足の痺れが強くなり、これも合わせて考える必要があります。糖尿病は血糖値コントロールが大切ですが、それだけでは問題は解決しない、むしろ合併症をいかに予防し軽減するかが大事なことを、改めて感じました。
※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。