「チック症(チック障害)」

チック症には運動性チック症、音声チック症があり、本人の意思に関係なく目をパチパチする、しかめ面をする、咳払い、鼻を鳴らす、舌を鳴らすなどを繰り返す症状です。
多くは小学校入学の6歳前後に見られます。
ただし、社会人になっても、咳払いなどが続いている方もおられます。
チック症の原因ははっきりわかっていませんが、生まれ持った体質(遺伝的要因)や、脳内の神経伝達物質の異常が言われています。

チック症(チック障害)の中医学的考え方

■漢方では
チック症状が遺伝的な要因の場合、過敏体質・神経質や繊細な性格の場合、ストレスが引き金になっている場合など、それぞれに対応します。

1,神経質で不安感が常に伴うチック症

繊細な神経を持つお子様の場合、少しの環境変化が自律神経に影響し、緊張状態を生んだり、時には不安感が増すことがあります。
学校に行っている時期は症状が強く出て、夏休みなどに症状が軽くなることもあります。 このような場合には、気分を安定させて不安感を取り除く漢方薬を用います。

2,イライラして肝気が昂るチック症

いわゆる疳の虫が強く、いつもイライラしていて落ち着かない、ちょっとしたことでキーキーとなるなど、肝気が昂りやすいお子様の場合は、肝気を押さえて落ち着かせる漢方薬を用います。
子供がイライラすると親もそれに対抗してイライラしがち、イライラの悪循環に陥ります。
この場合は、親子同治といい、親子両方が漢方薬を使い、家庭内を穏やかにします。
それによって、イライラ、緊張感が軽減できると症状が治まります。

3,いつも気分が落ち着かない、心配性、夜泣きなどのチック症

不安感があるというより、落ち着きがない、気分の変化が激しい、時にはパニックのようになるなどの場合は、気分を落ち着かせる漢方薬を用います。

4,胃腸が弱く、発育不全のお子様の場合

心身一如といい、身体と心は一体のもので、身体の発育が良いと心も落ち着きます。
身体が虚弱だと、心も弱い状態になり、ストレスを受けやすくなります。
そのため、胃腸が弱い方には、胃腸を丈夫にして身体を元気にすることも必要です。
それによって、肝血を補うことが出来、精神的にも安定してきます。

5,成人などの咳払い症状には

成人以降も慢性的な咳払いなどが続く場合があります。
チック症とは異なるかもしれませんが、漢方では同様に捉えて対応します。
不安感や緊張感を緩和する、いわゆる「気滞」を改善する疎肝理気降逆剤を使います。

なお、いずれの場合も単独の処方でよい場合と、2種類以上を組み合わせて使う場合があり、 多くは2種類以上を適切に組み合わせることで、短期間で改善します。

チック症の漢方処方例

抑肝散 甘麦大棗湯 桂枝加龍骨牡蛎湯 柴胡加竜骨牡蠣湯 半夏厚朴湯
 柴朴湯 など多数

※体質により漢方薬は異なりますので、ご相談ください。

チック症の症例

※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。

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