「蕁麻疹の症状と漢方薬」
蕁麻疹の原因には、アレルギー性と非アレルギー性のものがあります。
アレルギー性では食物や薬剤、植物などが原因となります。
非アレルギー性では、寒冷などの気温差や、接触による刺激、日光による刺激、運動による発汗、などがあり、その他にはストレスなど精神的な要素も影響します。
蕁麻疹のほとんどがマスト細胞から遊離されたヒスタミンが血管および神経に働くことで症状が現れます。
そこで抗ヒスタミン薬または抗アレルギー薬が用いられますが、それでも改善しないケースもたくさんあります。
蕁麻疹のタイプと中医学的対処法
漢方では、その原因をいくつかに分類し、それぞれの体質と症状によって対応します。皮膚の防衛力が弱い <表虚> |
よく風邪を引く 花粉症などアレルギー体質 冷房に弱い 寒暖の差に弱い 汗をかきやすい |
衛益顆粒、防已黄耆湯 黄耆建中湯 |
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身体に熱がこもる <血熱> |
肌が荒れやすい、便秘 イライラする のぼせやすい、口が渇く 鼻血が出やすい |
清営顆粒、黄連解毒湯 温清飲 |
冷えが原因で起きる 寒冷蕁麻疹 |
冬場、冷房 フローリング 冷飲食 |
十味敗毒湯、葛根湯 |
疲れると悪化し繰り返す <気血不足> |
過労、寝不足 | 補中益気湯、十全大補湯 人参陽栄湯、麦味参顆粒 |
肝臓の解毒作用が 低下して起こるもの |
薬剤性、飲酒過多 | 田七人参製剤、ウコン製剤 茵陳蒿湯、木鶏丹 |
食物によって起こるもの | 乳製品、卵、魚類、貝類 小麦、大豆、そば、ゴマ 肉類、りんご キウイフルーツ等 |
晶三仙、葛根黄連黄ごん湯 |
精神的な要素が伴うもの | ストレス、イライラ、不安 | 抑肝散加陳皮半夏 柴苓湯、心脾顆粒、 |
※体質により漢方薬は異なりますので、ご相談ください。
蕁麻疹のケーススタディ
コリン性蕁麻疹
コリン性蕁麻疹は、汗をかくことにより起こる蕁麻疹で、運動や入浴、精神的発汗などによって起こります。
中学生のN君は暑い時や気持ちが高揚した時に蕁麻疹が出てきます。気温が高くない冬場は症状が軽いのですが、夏は常にクーラー(低温度設定)をかけていないと蕁麻疹が出てくるようです。
日頃は甘いもの、冷たいものが好きで肥満体形。
N君は、クーラーの使い過ぎと胃腸の冷えにより汗のコントロールがうまくできなくなっていると考えました。そこで、皮膚と胃腸の働きを強める目的で<黄耆製剤>と<桂枝湯>を服用して頂きました。
漢方薬を服用していると蕁麻疹は比較的落ち着くとのこと。
汗を少しでもかきにくくするため、体重を落とすことも今後は必要になってきます。
ストレス
40代のAさんは強いストレスを感じて以来、蕁麻疹が出るようになりました。
元々、花粉症があり、アレルギー体質。忙しい冬場に悪化するとのこと。お酒は蕁麻疹が出るようになってから控えておられました。
この2、3年は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を服用してきましたが、一進一退。
アレルギー体質の改善を目的に<黄耆建中湯>を中心に服用して頂きました。
服用中、ストレスを強く受け体調悪化、ストレスと肝臓に働きかける<小柴胡湯>を服用して頂くことにしました。その後、しばらくは蕁麻疹があまり出なくなりました。
その後のカウンセリングで、温めると症状が軽くなること、昔から肩こりがずっとあること、肝機能があまりよくないことなどから<代謝と血流を改善する漢方薬>を服用して頂きました。
服用一週間ほどで蕁麻疹が全く出なくなったとご連絡。お酒を飲んでも大丈夫とのこと。
体質改善のため漢方薬は続けて頂きました。
※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。