「狭心症の症状と漢方薬」
狭心症は、心筋への冠動脈血流が低下し、虚血状態により胸痛や胸悶が起こるものです。急性の場合は生命に関わるもので冠動脈の外科的手術や薬剤治療が行われます。
狭心症の中医学的考え方
漢方では、胸痺や心痛という分類にあたり、主に血流改善を中心とします。血流が悪化している原因が寒さや緊張による場合や、血液の汚れによるものなどで対応する漢方も変化します。また心筋に栄養を与え、働きをよくするという中国の漢方薬「生脈散」は有名です。すでに発症された方の場合は、再発防止に西洋医学との併用は有効です。
狭心症の漢方処方例
麦味参顆粒 生脈散 冠元顆粒 牛黄清心丸 救心感應丸氣
※体質により漢方薬は異なりますので、ご相談ください。
狭心症のケーススタディ
狭心症の胸痛が改善!
日本人の死因を調べますと、1位はがん、2位は心臓病、3位は脳血管疾患となっています。特に最近は心臓病の患者が増加傾向にあり、年間15万人程度が心臓病で亡くなると言われています。
その原因は、食生活の欧米化や運動不足、ストレスなどが関連しているようです。特にストレスは避けられないもので、今後もストレスに関連する疾患が増えていくのではないでしょうか。今日もスタッフの知人のご主人が心筋梗塞で亡くなられたとの話を聞きました。
56歳男性Kさん、昨年の秋より狭心症による胸痛が出現し、病院の診断では<冠攣縮性狭心症>とのことでした。そこで西洋薬のアムロジンやヘルベッサーを服用し、漢方薬は<冠元顆粒>を服用していただきました。
その後、夜間や安静時の胸痛は消えたものの、今度は動いたときに胸痛が出る<労作性狭心症>を呈しました。
頓服にもらっていた<ニトロ錠>を飲むとすぐに治まるのですが、あまり常用すると効果が低減するということで、ニトロを使わなくてもよい方法として<牛黄製剤>を常用することにしてみました。使い出して暫くすると胸痛は楽になり、ニトロは使うことがなくなりました。身体の動きが激しい時や急な寒さに当たった時は胸痛が依然として発生しますが、ニトロの代わりに牛黄を舌下錠のようにして使うと胸痛が治まります。その後胸痛の発生頻度も少なくなりました。
<牛黄>は牛の胆石で、1万頭に1頭程度の牛からしかとれないという昔からの高貴薬で、強心作用や血管拡張作用、安神作用などがあり、心臓の薬としては最高のものですが、今回それを証明するような効果がみられ、喜んでいただきました。
狭心症で息苦しい!
私事ですが・・・
胸がつまる、息苦しい、胸が痛い、しばらくすると治まる、という症状が先日から続きました。以前にもまれにあったのですが、検査をしても何もわからず、そのまま放置していましたが、今回は頻繁におこるため再検査をしたところ、冠攣縮性狭心症と診断されました。
狭心症の検査は、発作時には心電図で判定できますが、平常では心電図に現れず判定が難しいものだそうです。しかし、早朝の痛みや午前中の波状の胸痛があること、午後になると楽になること、またニトロ舌下錠を飲むとすぐに治まることが特徴的な症状のようです。
今回はCa拮抗薬などの西洋薬に加え、早速 <冠元顆粒> をしっかり服用することにしました。発作時はニトロ舌下錠を使っていますが、使用頻度も少なくなりつつあります。
ちょうど自分でできる人体実験の機会?ととらえ、また結果をお知らせします。参考にして下さい。
※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。