新聞掲載 症例別漢方コラム : 国際中医専門員 古村先生が、現在新聞に連載している漢方コラムのバックナンバーを集めました。症状や対処法についての詳しい解説も加筆しています。

咳・気管支炎

気管支炎には、急性気管支炎と、慢性気管支炎があります。急性は風邪の後に発症し、ウイルスや細菌感染により咳・痰・胸部痛、呼吸困難などをおこします。慢性は、大気汚染や喫煙などにより気管支における分泌過剰で、咳・痰が2年以上続くものです。

漢方では咳嗽と言い、「寒・熱・湿・燥」などの原因と、体質から判断します。
主剤となる生薬・麻黄は気管支平滑筋の痙攣を鎮め、咳を抑える作用があり有名です。


このところ寒くなって「風邪」をひいた人が増えてきました。風邪と共に咳、痰がなかなか治らず長引いている人、夜中に咳き込みがひどく寝られない人、車中で咳が止まらず周りの方に不愉快を与え落ち込む人など「困った咳、痰」で来店する方が多いようです。

26歳女性、一年程前に風邪をこじらせて以来酷い咳に絶えず苦しんできました。大学病院や、いくつかの医院を転々としたにもかかわらず治らず、わずかな望みを漢方に託して来店されました。症状は激しい咳とともに薄い痰が昼も夜もたくさん出る、夏でも背中全体に寒気がして気持ち悪いといいます。麻黄附子細辛湯を飲んでもらったところ2週間で顔色も良くなり、あの苦しさから開放されました。さらに一ヶ月ほど服用して完治に至りました。

また60歳の男性会社役員、一ヶ月前に風邪をひき気管支炎を起こしました。熱も悪寒もすっかり取れましたが咳と痰が治らず来店されました。症状は夜温まると咳が出はじめ胸が痛くなるほどです。ねばっこい痰が出て時に黄色い。麻杏甘石湯を飲んでもらい一週間ですっかり咳と痰が取れ、とても楽になったと喜ばれました。

このような長引く咳や痰には漢方薬がよく効きます。咳には、新薬の止咳薬エフェドリンの原料である麻黄が含まれる漢方薬をよく使います。痰には、薄いか粘っているか、血が混じっているか黄色いかなどによって処方をきめます。喘息気味の場合は、肺の機能を高め回復力をつける冬虫夏草などを是非お勧めしたいです。

また民間療法では軽い咳に大根のハチミツ漬けがよく知られています。



当コラム新聞掲載日: 2002年11月


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