新聞掲載 症例別漢方コラム : 国際中医専門員 古村先生が、現在新聞に連載している漢方コラムのバックナンバーを集めました。症状や対処法についての詳しい解説も加筆しています。

めまい

めまいの中には病的なものと、自律神経異常によるものがあります。病的なものは、脳内に障害がある場合、循環障害、血圧異常、心疾患などが原因となります。検査でこれらの疾患が原因となる場合は、原疾患の治療となりますが、それ以外の場合は漢方が効を奏します。
漢方の捉え方の主なものは、水分代謝の悪いことが原因の水毒タイプ、血流が悪いお血タイプ、自律神経の異常をともなう肝欝タイプ、体のエネルギー低下の腎虚タイプなどに分けて、それぞれに対応する処方を考えます。


春の時期、めまいや立ちくらみを訴える人が多くなります。その原因は多様で、様々な病気に起因し、治療法も複雑です。めまいの症状は天井が回転したり、身体が揺れたり、浮いた感じがします。立くらみは立ち上がったとき頭がふらついたり、瞬間に目の前が見えなくなります。

西洋医学では、原因が貧血や高血圧、脳腫瘍などの器質的なものは治療方針が立つのですが、原因不明のものは苦手です。こんなときは漢方が良いのです。

漢方では、気虚型(エネルギー不足)、水滞型(水分代謝機能異常)に分けられます。

気虚型の内の腎虚型は、慢性疾患や老化などで精気が不足してくると足腰に力がなくなり、身体が揺れ動いて平衡感覚がとれず、まるで根無し草が風に揺れているようになります。この場合は根をしっかり地面にはるような補腎剤(六味丸など)を用いています。また、脳を養う「気」が不足し、脳の空虚感(頭がぼやける)や物忘れが多いタイプには補気剤(補中益気湯など)を用いています。

水滞型は西洋医学でいうメニエール症候群の一部に相当し、天井が回転したり、斜めに歩行したり、嘔吐を伴ったりします。水分の取りすぎや胃腸機能低下により、水分が停滞して、脳の気(清陽の気)の運行が出来ないために生じると考えられています。この時は、身体を温めて余分な水分を取り、苓桂朮甘湯や真武湯などを用います。不安な症状を解消し、春を満喫したいものですね! 



当コラム新聞掲載日:2000年3月


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