舌痛症

「舌痛症の症状と漢方薬」

■舌に炎症や潰瘍などの病変がなく、機能も正常なのに、舌にピリピリ感や灼熱感などの痛みを感じる疾患です。
原因となる疾患があり、そのために二次的に生じる口の中、舌や歯肉の粘膜などが炎症を起こして痛むケースがある場合は、その原因となる疾患を改善します。
これとは異なり、何かに熱中している時には痛みを感じないような心身症があります。
西洋医学では主に抗うつ薬を中心とした薬物療法が行われます。

■漢方では
この症状は閉経前やそれ以降の女性に多く見られ、ホルモンの影響やストレスなどが関連していると考えられます。

舌の熱感、ヒリヒリ
舌の上部が痛む
胃熱が関連していると考えられます。
胃熱を生じるような辛い食べ物やアルコールを避けるとともに、胃腸の負担を軽減して、胃熱を冷ます清熱解毒薬を使います。
口中が乾燥口中が乾燥し、舌や口唇も乾燥する場合は、胃陰虚と考えます。
口中や胃を潤す生津・潤燥薬を用います。
舌の側面が痛む
口が苦い
肝鬱気滞によって生じる肝火が関連しています。
ストレスや自律神経が原因となる場合は、ストレスを緩和することで肝火を抑制する、疎肝薬やなどを用います。
舌の先端が痛む
赤みがある
心火が関連していると考えます。
過度の心労や悩み、過労が続くと心気が亢進して心火を生じるので、この場合は、心火を抑える薬を用います。
舌が渇く口渇や咽の渇きがある、のぼせや火照り、不安感や不眠などを伴う場合は心陰虚と考えられます。この場合は、心陰を補う薬を用います。

※ いずれも単一の処方では難しく、多面的な体質判断によって考える必要があります。

■舌痛症の症例

漢方処方例

黄連解毒湯 加味逍遥散  滋陰降火湯 麦門冬湯 天王補心丹
亀板配合食品 など

※体質により漢方薬は異なりますので、ご相談ください。