「腰痛の症状と漢方薬」

関節痛の中で発症頻度が高いのは、変形性膝関節症です。中年以降の女性に多発し、その多くに肥満が見られますが、更年期以降のホルモン環境の変化により骨変性や肥満による骨負担も関与しています。

漢方では、骨の変形、肥満、冷えを考えます。また痛みの原因は、「不栄則痛=体のエネルギー不足により機能低下し疼痛が起こる」と「不通則痛=寒冷や湿気で、気と血の流れが悪くなり痛む」と考えます。補腎(腎と骨は密接な関係がある)や温補、去湿などの処方で改善します。

漢方処方例

よく苡仁湯  散痛楽楽丸  独歩丸  桂枝加朮附湯

※体質により漢方薬は異なりますので、ご相談ください。

2通りの痛みの原因を漢方で探る

梅雨の時期はジメジメとした湿気と暑さのために、膝や腰、肩などの関節痛を訴える方が多くなります。それも、一生懸命働いて子育ても終わり、少しゆとりを持って旅行でもしようかと思う年代に多く見られます。

55歳の女性、変形性膝関節症と診断され、整形外科での治療や、鍼灸治療、健康食品など様々試してみたのですが思わしくなく、逆にステロイドの副作用で体重が80キロに増え、膝、腰に負担がかかり、とうとう歩くのが困難になり来店されました。

現代医学では非ステロイド性抗炎症剤やリハビリなどで対応するのですが、ステロイド関節内注入による治療の場合は副作用が気になります。

漢方では痛みの原因を2通り考えます。一つは『不栄則痛=体内のエネルギーが不足すると様々な機能低下を招き疼痛が起こる』場合と、もう一つ『不通則痛=寒冷や湿気で気の流れや血の流れが悪くなり疼痛が起こる』場合です。

イーパオ 210粒関節の痛みに対する漢方療法は古くから行われ、副作用がなく、長期にわたって飲むことができるので安心です。漢方薬としてはヨクイニン湯や防已黄耆湯、疎経活血湯など多数あります。その方の症状に応じて処方を調整することが大切です。また薬には抵抗があるという方には食用アリからできたイーパオや、鎮痛作用がある免疫ミルクなどの食品もあり、また昔から伝えられてきた民間療法もあります。痛みは他人にわからない疾患だけに、早く改善したいものです。

ぎっくり腰

ぎっくり腰は突然に起こる腰痛で、原因は筋肉や筋膜、軟骨などの損傷によるものです。
実は私自身が先日ぎっくり腰を起こし、ブログも書けないほど重症でしたので、その経過を紹介します。

発症したのはシャワーに入ろうと思い腰を曲げた時、グキッといった瞬間に力が抜け座り込んでしまいました。声も出せないほどで、とりあえず這いつくばって居間まで移動、それ以降は姿勢を変えることすら出来ない状態になりました。

それから1日目は当然寝たきり、少し姿勢を変えようと腰に痛みと痙攣がおこり、背中の筋肉は緊張して硬くなっていましたので<芍薬甘草湯>と<イーパオ> を飲み安静にするだけでした。初期の段階では、マッサージなどは返って悪化の要因になりますので、安静にすることが一番です。
2日目に入って、少し足の位置を変えたり身体を回転する程度出来るようになり、初めて<ラークバン>という小さな円皮針による浅い針治療から始めました。夕刻からは杖をついて立てるようになり、本格的な針灸治療開始しました。そして3日目にようやく杖で支えながらも立って歩けるようになりました。

ぎっくり腰の針灸治療は、実証の方には早くから治療しますが、虚証の方には時間をかけて少しづつ刺激を増していきます。また、直接患部に鍼をするのでなく、手足などの離れたところから少しづつ患部に近づけていくことも大事です。
ぎっくり腰は繰り返すごとに重篤になります。私は今回で3回目ですが、2日間寝込んだのは初めてで、次回は3日間動けないだろうと予測されます。

※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。

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