「認知症の症状と漢方薬」

認知症 認知症は主に4つのタイプがあります。

アルツハイマー型認知症
  認知症の中でも最も多く、記憶障害から始まる
脳血管性認知症
  脳血管障害を起こした後の後遺症として発症する認知症
レビー小体型認知症
  大脳皮質にレビー小体というタンパク質の塊が現れる
前頭側頭葉変性症
  脳の前頭葉や側頭葉の委縮によっておこり人格障害が主な症状

現在、アルツハイマー型認知症薬や脳循環代謝改善薬、抗不安薬などが使われていますが、いずれも進行を抑制するにとどまっています。
最近話題になった「抑肝散」は、本来は肝気を抑制する、緊張を緩和する、という効果がありますが、すべての認知症に良いように誤解されているようです。
漢方では、これらの原因別には区分せず、症状と体質によって対応します。

貧血傾向、不眠、動悸、
胃腸が弱い、痩せ型
脳血流量が少なく、血液が不足している状態 心脾顆粒 などで血液を補い、血流を改善する
イライラめまい痙攣や
震えがある方
肝気が昂ぶり、精神をコントロールできていない
興奮しやすい
抑肝散 などで、肝気を鎮静する
血流が悪い静脈瘤がある
頭痛や肩こりがある方
血流悪化で、脳内血流量が減少している 冠元顆粒 などで血流をよくする
やや肥満気味痰やむくみがある
夢をよくみる驚きやすい方
痰湿が気血の流れを阻害しているために、脳の代謝不調状態 温胆湯 などで、痰湿を改善し、気血の流れをよくする
のぼせ、めまい、
肩こり、高血圧傾向の方
脳血管障害を起こした方
脳血管の緊張や、脳血流の悪化による 釣藤散 などで脳血管の状態をよくする

まだまだ他にも対応する漢方薬があります。
詳しくお聞きして、どのようなタイプか判断し、決定いたします。 ブログ記事も参照してください。

■認知症の症例

認知症の初期 https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2015/10/post-1308.html

認知症の漢方  https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2015/09/post-1294.html

認知症の漢方 https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2014/10/post-1221.html

認知症の漢方  https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2014/10/post-1219.html

認知症の漢方  https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2014/10/post-1218.html

アルツハイマーと漢方 https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2009/03/post-795.html

抑肝散の話 https://www.kanpou.info/blog/ichizen/2008/09/post-732.html

「抗老防衰」で生き生きとした老後

「物忘れはボケの始まり」と言われますが、認知症は皆の関心事であります。 人や物の名前が思い浮かばなかったり、簡単な暗算が出来なくなると「ぼけ」がはじまったのではと不安になります。 ボケの中にも生理的なボケ(単なる物忘れ)と病的なボケ(認知症)があります。 誰しも年をとると知的能力は衰えますが、出来れば病的なボケ(認知症)だけは予防したいものです。

さて認知症ですが、本能性認知症(アルツハイマー型)と脳血管性認知症に大別されます。アルツハイマー型は大脳の神経細胞が何らかの原因で壊れ、干大根のようなシワシワの脳になります。つまり、脳の萎縮と、極端な脳血流の低下が特徴です。

漢方的にみると「腎は骨を主どり、髄を生じ、脳は髄の海」と言われ、腎と脳は密接な関係があります。脳の萎縮は腎精(生命エネルギー)不足、髄の不足と捉え、腎の働きを補う漢方薬を用います。

脳血管性認知症は、脳血管が何箇所も詰まったり脳出血などが原因で、あたかも大根にスが入って穴があいたようになってきます。これは高血圧や動脈硬化などの成人病に注意し、血栓を予防することで、発症を未然に防ぐことが出来ます。血栓や脳出血を起しやすい人はお血(血液循環の停滞や汚れ)を取り除き、末梢血管の血液を改善する漢方薬を用います。

「老いは血管から始まる」と言われます。 漢方の知恵を生かし「抗老防衰」で生き生きとした老後を送りたいものですね。

「抗老防衰」で生き生きとした老後

チョウトーン症状を表現するのに、痛いとか痒いというのはわかりやすいですが、「スッキリしない」とか「ぼんやりする」と言うのは理解しがたいもので、手探り状態で処方を決めることもあります。

以前からお越しのCさんは、めまいや耳鳴りで相談を受け、漢方薬でうまく改善したのですが、その後『頭がぼんやりする』ことや『急に暗くなるときがある』など、わかりにくい症状を訴えられていました。

そこで急に暗くなるのは貧血か脳内のトラブルと考え、緊張性頭痛や脳血管性認知症によく使われる<釣藤散>をお使いいただきました。その結果は1週間で現れ、頭がスッキリして以前のような眠気も取れたとのことでした。

ぼんやりする症状には、これ以外では<脳活精>や<冠元顆粒>を使うこともありますが、Cさんの場合はストレスも多く、雨天に頭が重くなるという症状もあったので、釣藤散をお勧めしました。薬が適応すると1週間でもその効果が充分得られることを実感しました。

※その他にもたくさんのケーススタディがありますので、ブログ内で検索してみてください。

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