「不妊の原因はなに?」

原因と漢方対処法

子宮腺筋症 : 着床障害

子宮腺筋症は子宮内膜症の一種で、子宮内膜組織が子宮筋層内に入り込んで発症する病態であり、激しい月経痛と月経過多が特徴です。不妊や不育症の原因にも なっています。西洋医学の対処は鎮痛剤を使う対症療法とホルモン療法がありますが、子宮全体が硬くボール状になった場合は子宮全摘の外科的手技になってし まいます。対処が難しいと言われていますが、当店には腺筋症で手術を受けた方、腺筋症の診断を受けた方がいずれも赤ちゃんを授かっています。

漢方的には、子宮内膜症の対処と同じですが、「活血化お、消腫、清熱」が主流になります。妊娠されても流産の確率が高くなりますので、不育の面からもサポートしていくことになります。
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着床しにくい子宮腺筋症を乗り越えて

38歳のMさんは結婚して13年になります。35歳のときに子宮内膜症・子宮腺筋症になり激しい月経痛がありますが、赤ちゃんを授かりたいと来店されました。お話を伺うと、子宮筋腫や卵管の癒着もあります。これまで人工授精(AIH)を4回、体外受精(IVF)1回を経験され、「今後は凍結胚移植をする予定ですが、それまでに少しでも子宮内膜の状態をよくしておきたい」とのことでした。

初めてお越しになったときは、月経周期33~40日、期間は7日間、月経血は暗紅色で血塊があり、月経痛がひどく、鎮痛剤のロキソニンを使ってもつらいときがあり、便秘もあります。舌は暗紅色、薄白苔です。月経周期13日目の卵胞チェックでは20㎜、子宮内膜の厚さは9㎜です。凍結胚を移植する予定でしたが、卵の状態がよいので新鮮胚移植をすることになりました。子宮内膜の状態をよくするため、「清熱解毒・活血止痛」を中心に処方し、4周期服用いただきました。結果、採卵もうまくでき、胚盤胞で2個戻すことができました。

判定までハラハラ、ドキドキの毎日でした。妊娠の陽性反応が出たときは天にも昇るようなうれしい気持ちと、腺筋症があるので無事に育つかどうかと不安が交錯し、複雑な気持ちでした。漢方薬も、衛益顆粒、シベリア霊芝、田七人参、白花蛇舌草を服用していただき、少しでも安胎できたらとの思いでした。しかし願いは届かず、13週で流産となってしまいました。子宮腺筋症の部位で感染症が起きたためと説明を受けました。

しばらくの間、子宮のお掃除と内膜の修復のための漢方薬を服用していただきました。流産から4ヵ月後、再度の胚移植で再び妊娠。今度こそは健康な赤ちゃんを産んでほしいと漢方薬は補脾、滋陰薬を中心とし処方し、妊娠39週で女児を得ることができました。結婚14年目にして、待望の我が子を抱ける幸せをかみしめています。子宮腺筋症は着床が難しく、流産しやすいのですが、Mさんの出産が同じ病名を持つ人への励ましになればいいですね。

子宮内膜症はよく見られ増加する傾向にあります。進行する激しい痛み、性交痛、下垂感がある場合は内膜症があると判断されます。漢方的には子宮内膜症は「離経の血がお血をもたらす」と考え、活血剤を中心に補腎陽のお薬を使います。子宮腺筋症も激しい痛みを伴います。子宮の筋層が繊維化したり、子宮そのものがボールのように腫れてしまいますので対処も難しいと言われています。漢方では、「軟堅散結」のもの(昆布)などを使います。今回の事例では、流産の危険性が高かっただけに、挙児を得られたMさんの感動がひしひしと伝わってきました。

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