新聞掲載 症例別漢方コラム : 国際中医専門員 古村先生が、現在新聞に連載している漢方コラムのバックナンバーを集めました。症状や対処法についての詳しい解説も加筆しています。

インフルエンザ

インフルエンザはインフルエンザ・ウイルスによって引き起こされ、気管や肺などの呼吸器を侵す病気で、普通の風邪の症状(咳・発熱・頭痛・悪寒)よりも進行が急激です。伝染力も強く、高熱を出し肺炎や脳症、さらには肝機能障害の合併症を引き起こすことがあります。ここ数年来流行し、体の弱い幼児や高齢者には致命的な結果を招くこともありあります。39〜40度の高熱の時にはしばしば解熱鎮痛剤が投与されますが、高熱はウイルスにとっては悪条件で、安易な解熱剤投与はかえってウイルスの排除を妨げることがあり注意が必要です。予防接種は、流行するウイルスタイプに的中すれば効果を発揮しますが、外れたときは効果がありません。

漢方ではインフルエンザのように急性で激しい感染症は、刻々と変わる症状によりお薬を処方していきます。現実は西洋医学的治療が主になりますので、漢方では感染しない体を作ることと、感染しにくい抗菌作用、抗ウイルス作用のあるものを日常的に使うことができます。


今年もインフルエンザが流行し、学級閉鎖、特養施設での感染が新聞を賑わしています。

インフルエンザが猛威を振るった一昨年を思い出します。長年の夢が漢方薬で叶い、やっとめでたく懐妊。喜びもつかの間、流行していたインフルエンザにかかってしまいました。妊娠初期の大事な時期です。病院の風邪薬や抗生物質は胎児への副作用の心配があり、漢方薬のみで対応することになりました。高熱と喉の痛みに、よく効いて一晩で解熱しました。その後の咳も漢方薬で改善しました。その時の赤ちゃんも今は二歳。元気いっぱい、笑顔を見せてくれるのがうれしいです。

今年のインフルエンザの特徴は、高熱、喉や節々の痛み、そして解熱後の咳です。昨夏は猛暑が続き、夏の疲れが取れないうちに秋に入り、体力を挽回できないまま例年より早い冬に突入した為、風邪を引きやすくなったのです。
インフルエンザにかかった時は、やはり早めの治療が大切です。病院では勿論インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬が出ますが、今はその薬が不足しているといいます。この薬も感染初期に飲むことで治りが一〜二日早く治る程度との事です。

漢方薬では、高熱や節々の痛みに対しては「麻黄湯」や「銀翹散」、喉の痛みは「板藍根」「甘草」が良く効きます。また、昔から高熱に「牛黄」が重宝されていました。六神丸や救心の成分で、体にとって不必要な熱を取ってくれます。是非置き薬としてお勧めしたいです。漢方薬をインフルエンザの予防薬として使い、大切な家族を守ってあげたいものです。



当コラム新聞掲載日: 2003年1月


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