新聞掲載 症例別漢方コラム : 国際中医専門員 古村先生が、現在新聞に連載している漢方コラムのバックナンバーを集めました。症状や対処法についての詳しい解説も加筆しています。

冷え症

冷え症は、冬だけでなく冷房が普及して夏にも多く見られます。また外気の影響だけでなく生活習慣の変化によって冷えは増えてきています。

漢方では冷えの原因を区分し、それぞれに応じた処方があります。

(1) 血液不足のため、末梢まで暖かい血が行かないタイプには補血剤を使います。
(2) 血流不良の方では生理痛もあり、血の流れをよくする処方があります。
(3) 体のエネルギー不足で、疲れやすいまたは風邪をひきやすいタイプには、体全体を元気にするための処方を用います。
(4) ストレスを強く感じるタイプには、気の巡りを良くして、血の巡りをよくすることです。
(5)水分過多傾向でむくみを生じやすい方は、暖めながら水分代謝をよくする処方を使います。

それに合わせ、夏にクーラーで冷やし過ぎない、なんでも冷蔵庫の生活をやめる、ファッション重視で薄着をしないなどが肝心です。若い方に低体温が増え、新しい《生活習慣病》といえる状況です。外からだけでなく、中から暖めましょう!


老若男女を問わず、悩まされる症状に「冷え性」があります。冬季に多いのは勿論ですが、冷房が普及した夏場にも多く見られます。「腰が冷える」「足が冷える」「足が冷たくて眠れない」「冷房で冷えて体調が悪い」「体が冷えたかなと思っていると風邪をひく」「靴下を2枚履いている」「シモヤケができた」など、冷え性は日常生活で極めてよくみられます。

西洋医学的には、血液の流れが悪い状態で、体の中枢と末梢部との温度差が開き、環境変化に適応できない状態です。
漢方医学では、生命エネルギーの不足、五臓の機能低下、血液循環の弱さが原因と見ていますので、「冷え性だから…」と簡単に考えません。

冷え性を治す媚薬のひとつに「当帰」というセリ科の植物があります。不妊で悩んでいたお嫁さんが、セリの根を煎じてせっせと飲んだところ、病弱な体も元気になり、子宝に恵まれ、一時は実家に返されていたのが当(まさ)に帰るべくして帰ったことから、この植物を「当帰」と呼ぶようになったと言われています。

この当帰は血を増し(補血作用)血を巡らし(活血作用)体を温める働きが優れているので、漢方にはなくてはならない生薬です。

冷え性がつらくて来店したFさん、手足は氷のように冷たく、貧血で顔色も青白。食も細く、生理不順で、痛みも強くて悩んでいました。当帰が沢山入った漢方薬をその場で飲んでもらうと、十分もすると体がポカポカし、氷のような手足が温かくなってきたのです。少し続けて飲んでもらい今では冷え性も和らぎ、生理不順や生理痛もなくなりました。なぜかアレルギー性鼻炎まで治ったと喜ばれました。





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