新聞掲載 症例別漢方コラム : 国際中医専門員 古村先生が、現在新聞に連載している漢方コラムのバックナンバーを集めました。症状や対処法についての詳しい解説も加筆しています。

耳鳴り

耳鳴りとは、周囲の音とは無関係に耳の中や頭の中で様々な音が聞こえるように感じる状態を言います。耳鳴りは難聴を伴うことが多く、耳以外の障害(貧血、高血圧、動脈硬化、頭部のけが)によっても起こり、年々増加傾向にあります。西洋医学では治療の決め手はありません。
漢方では「耳は腎に通ず」といい、腎の働き=内分泌系、免疫系、泌尿器系、生殖系、を含む生命エネルギーを強化することが基本です。補腎剤で、局部の興奮を抑える処方が奏効します。


50歳のA子さん、更年期も重なり、気分は落ち込み、絶えずキーンという金属音の耳鳴りに悩まされて来店されました。年令的にもホルモン失調があり、「逍遥丸」を服用されて2ヶ月で耳鳴りから開放されました。

耳鳴りに悩む方は多く、厚生労働省の調査によると百人に2人が耳鳴りに悩み、年々増え続けているといいます。この耳鳴り、西洋医学ではヒポクラテスの時代から研究されていながら、原因も決定的な治療法もありません。

耳鳴りは難聴を伴うことが多く、耳鳴りの特徴によって分類されています。音が大きく、汽笛のような音なら急性、閉塞感を伴う耳鳴りは外耳道疾患、音が小さいなら慢性中耳炎にみられやすいです。メニエール病に伴う耳鳴りは、めまいの発作前に現れやすいです。老化に伴う耳鳴りは一般に遠くで蝉が鳴いているような音で、夜間になると自覚されやすいので不眠の原因になります。いずれにせよ治療法が確立されていないので、漢方薬を試してみようと来店されるのです。

漢方では、耳は頭部にあり全身の陽気が集まるところです。充分に『気血がめぐる』と聴覚はよく機能を果たすとしています。また高齢化に伴う内臓機能の変化、またストレスも大きく影響します。

漢方薬は耳鳴りの状態により様々ですが、「耳鳴丸」や「柴胡剤」などはよく奏効し、鍼灸治療との併用もお勧めです。
昔から耳がよく聞こえ、目がよく見えることを『耳目聡明』」といいますが、老いても『耳目聡明』でいたいものです。





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