新聞掲載 症例別漢方コラム : 国際中医専門員 古村先生が、現在新聞に連載している漢方コラムのバックナンバーを集めました。症状や対処法についての詳しい解説も加筆しています。

便秘

慢性便秘で、器質的原因のものは癒着やS字結腸の長いものなどがあり、機能的原因には弛緩性、痙攣性、直腸性に分けられます。弛緩性便秘は最も一般的で、大腸で便の移動がスムースでないもので、高齢者に多く見られます。また痙攣性は腸が緊張状態にあり、移動がうまくいかないタイプで、過敏性腸症候群などで見つけられています。

漢方では、体質により判断し処方します。例えば、腸に熱がこもって乾燥しているタイプには熱を去り便通をつける大黄製剤を用います。気の停滞で腸のが動き悪いものは、気剤を用います。また内蔵下垂を伴うような、力不足の気虚タイプには補気剤を、血液不足で乾燥しているタイプには補血し潤腸します。センナ製剤の常用は、慢性便秘が悪化するので注意が必要です。

妊娠5ヶ月目の女性、便が固くて排便しにくく3〜4日に1回ですが、妊娠中のため下剤が使えず困り来店されました。滋陰潤腸作用のある緩下剤「麻子仁丸」を使いながら便通を整え、出産まで無事に過ごすことが出来ました。妊婦さんにとって便秘は頭を悩ませるものです。

便秘で悩む方は意外に多いのです。便秘をすると頭痛、血圧、アトピーなどにも影響してきます。昔から便秘にはセンナが使われていました。豆科の植物で、2〜4cmの小葉を振り出して飲むか、粉末を飲みます。量を多くすると峻下剤となり、習慣性があるので癖になりやすく、量も次第に増えてくるので要注意です。また子供や老人の厳秘にはドクダミがよく使われています。

漢方では便秘を、
・ストレスや精神的な緊張や旅行などの環境変化によって起こる気滞便秘
・おお酒の飲み過ぎ、辛いものや油濃いものの過食により大腸に熱がこもって起こる熱結便秘
・胃腸の機能が弱いために起こる気虚便秘
・冷たいものの摂り過ぎや冷え性により起こる陽虚便秘
・貧血やめまいや動悸などを伴って起こる血虚便秘
・手足がほてり微熱や寝汗などで起こる陰虚便秘
などに分け、それぞれの症状によって漢方薬を組み合わせていきます。

便秘は文字通り身体の『便り』です。身体の各臓器がうまく働いているかどうかを知らせてくれるのです。『一日一便、すなわち常度なり』です。








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