妊娠中の蕁麻疹

妊娠3ヶ月のIさん。もともと蕁麻疹の症状を持っているために、常から漢方薬の「衛益顆粒」と「板藍茶」を飲まれています。

「漢方薬は妊娠中でも安心して飲むことができる」というイメージから、Iさんは妊娠してもそれらを続けて飲んでいました。ところが、産婦人科の医師から「絶対大丈夫とは言えない」と言われ、心配になって妊娠中も「衛益顆粒」と「板藍茶」を続けて良いものかどうか、問合せをされました。

現在は悪阻も酷く、漢方薬ですら飲むのも辛い毎日。蕁麻疹も悪化し、頼れる漢方薬も産婦人科の医師より不安なことを言われ、ますます心配は募るばかり。

西洋薬を服用できない妊娠中は、風邪なども含め、頼れるものは漢方薬です。しかし漢方薬にも通常の量よりも半減して使用したり、調整することが多いものです。決して自分の判断で使い続けたり、量を調整したりしないようにしてください。産婦人科の医師も漢方薬を取り扱っている専門の医師であれば知っていますが、そうでない場合、知らないことが多数です。

その場合は、Iさんのように専門の漢方医にご相談されるのが一番です。

Iさんの場合、悪阻で薬が飲めないことが最初に改善すべき点です。飲めるようになれば、蕁麻疹は軽減するでしょうし、もし飲むことができても、症状が改善しない場合は、お薬を変える必要があるでしょう。

妊娠中は妊娠前と比べて体のバランスが異なります。妊娠前には効いていたものでも、妊娠してからは効き目が悪いことがあります。その場合は、お薬を少し変えてみると良いです。

Iさんの悪阻には、「生姜汁」や「黄ごんの煎じ汁」をおすすめしました。

また症状が改善しない場合は、「衛益顆粒」と「涼解楽」の組み合わせに変更されることもおすすめしました。

妊娠中はそうでなくても体が動きにくく、疲れやすかったりするものです。少しでも快適な妊婦生活を送れるように、悪阻や出てくる症状を「早く」しかも「安全に」改善したいものです。そんな時は、是非漢方薬をお試しください。

焦るけど・・・

「早くに子供が欲しい!」と焦れば焦るほど精神的に追い込まれ、ますますホルモンバランスが崩れてしまいます。見事にそれは基礎体温表に現れ、実際にホルモン数値も異常値を示します。

37歳Yさん。仕事は忙しくなり今まで以上にストレスがかかる上に、親からは顔を会わせる度に「まだ?」の声。Yさん本人も望んでいるのに可愛い我が子に会える日は遠く遠く感じられた今年2月。3ヵ月月経が来潮しないことをきっかけに、婦人科を受診。

そのホルモン検査でますます我が子が遠くなったことを知らされたのです。

昨年秋から「そろそろ」と漢方薬も本格的に周期療法を始め、毎日、陰を補う「煎じ薬」、腎陰や腎陽を補い、血を補い、血流を良くし、脾経を補い高温期を保つために「杞菊地黄丸」「紅サージ」「参馬補腎丸」「参茸補血丸」「帰脾錠」などをせっせと飲み続け、毎朝、基礎体温表と睨めっこをしていました。

ところが、12月頃から異変が起きたのです。異変を感じとったYさんは婦人科でホルモン検査を行いました。まさしく卵巣がアップアップしている状態が数値に出ていたのです。通常は10未満であるはずの、卵胞刺激ホルモンが75以上、15未満であるはずのプロラクチンが22以上でした。

しかしYさんは「自分の力を信じたい・・・!」その思いで、早くに良い卵胞が育つように亀板やべっ甲の入った陰を補う煎じ薬、プロラクチンのために「炒麦芽」・「晶三仙」、ストレス解消に「シベリア人参茶」などを3ヶ月続けてみました。

しかし基礎体温表は低温期のまま。変化することなく3ヶ月が経ちました。

そして再受診。ホルモン数値は今までになく最も悪い結果となっていました。卵巣が働かないために、卵胞刺激ホルモン(FSH)数値が90を示していました。

これは早くに卵巣を休ませる必要があります。Yさんの脳からの命令系のスイッチが誤作動してしまったようですので、早くに正しく作動するようにしないとこのまま閉経してしまうことになりかねません。

どうしてこんなことになってしまったのでしょう?!あまりにも焦る気持ちにストレスが重なったためでしょうか?!それもあるかもしれません。しかしそれだけではないでしょう。何が起こったのか、それはYさんの脳が知るのみで、婦人科医も、誰にも、Yさんですらわかりません。

まずは3周期、ピルを服用して卵巣を休ませることにしました。

Yさんはそれと同時に今まで頑張って服用していた漢方薬も、毎朝チェックしすぎるほどチェックしていた基礎体温も、全て休むことにしました。あまりにも全てのことがストレスになり過ぎていたようです。

そして身も心も休ませて3周期、再びホルモン検査を行いました。

結果、うなぎのぼりになっていた卵胞刺激ホルモン数値が14になっていました。10以上であれば、卵巣に負担がかかっている、という意味ですので、もう少し休める必要があるようですが、3ヶ月前と比べてかなりの改善です。

焦る気持ちはあるけれども、決して焦ってはいけない!焦れば焦るほど、また迷宮の不具合に身を投じることになってしまうのです。

今のYさんにとっては、もう1周期ピルを服用し、全てを休んで、頭も休めて、リ・スタートできるように心身ともに整えることが、一番の近道でしょう。

迷宮に入ってしまったかな、と感じた人は、是非そこから脱出する近道を見つけてください。もし見失ってしまった場合は、私達が近道を探すお手伝いをします!

母の日に思うこと

「人は親になって初めて大人になる」と言われます。」

もちろん全ての人がそうであるとは限りませんが、子供を持ち、育てることで、親の苦労が身にしみてわかるというのは事実でしょう。

些細なことでも心配して、気になって、思わず見てしまったり、口を挟んでしまったり・・・。

それをすることで子供は反発し、不機嫌になってしまうのですが、わかっていながら親として口を挟まざるを得ない状況。

そんな積重なる子供とのふれあい、いざこざに、「こんなにも親に迷惑をかけたんだなぁ」と自分のことを振り返り、改めて親に感謝するのです。

そして結婚して家を離れたはずの今も、ぷれぷれママ、ひよこママ、熟練ママになっても、親に何かを頼っている自分にまた気づきます。常に心配して見守ってくれている親。口に出さなくてもその想いはひしひしと伝わってきます。

何とかなるものですが、自分もこんな立派な親になれるのかなぁ、と不安を抱きながらママになることを目指しているのです。

今までもこれからも心配ばかりかけてしまっている母親。心配かけないように生きたいけど、やっぱり心配かけてしまっているもの。

そんな大切なお母さんには、いつまでも健康で長生きしてほしいものですよね。育ての親に「不死の薬」をプレゼントしたかぐや姫のように、みんな親には長生きして欲しいと思うもの。産みのお母さん、育てのお母さんに、いつまでも元気に過ごせる魔法のお薬をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。

少し血圧が上がってきたりシミなどが出始め血流が悪くなってきたら「冠元顆粒」、「桂枝茯苓丸」など、疲労しやすくめまい・冷え症が出てきたら「婦宝当帰膠」、「当帰芍薬散」など、イライラ感・頭重感・不眠・倦怠感があれば「加味逍遙散」、のどがつかえる感じ・のどの瘙痒感・刺激感があれば「半夏厚朴湯」、酷く疲れる・冷え症・尿少・下利や腹痛があれば「真武湯」など、少しずつ身体のバランスが崩れた結果、出てきた症状に合わせてお薬を選びます。

是非、お母さんに合う魔法のお薬を見つけてください。

疲労回復

ここ最近、ギラギラ日差しが照りつけ暑くなったり、突然涼しくなったり、激しく雨が降ったり、突風が吹いたり・・・、どうやら地球がおかしくなってきているようです。

今までは「地球温暖化」とそれに伴う異常気象を直接肌で感じることが少なかったために、人間はそれに対する危機感をあまり持っていなかったかもしれません。しかしここ最近は、実際に異常なことが起こりすぎています。

もともと人間は宇宙で生かされているものですから、宇宙に存在する地球の環境と共に生きなければならない存在です。春が来て暖かくなると、人間の身体も温かくなり、肌も柔らかく心も和やかになり、梅雨になると、天空もじめじめするように、人間の身体の中もじめじめしますので、だるくなったり疲れやすくなったりします。

本来は入梅してからそのような症状が出てくるのですが、ここ最近のおかしな気象により、「だるい」「疲れやすい」「風邪が治りきらない」「やる気がでない」などの症状が出ている人が多いようです。

人間を取り巻く天空がこんな状態ですから、そこに生かされている人間の調子が狂うのも当然でしょう。しかし体調だけでなく、精神面にもそれは影響し、最近の事件は耳を疑うようなものばかり起きています。悲しくなってきます。これから地球は、人間は、どうなっていくのでしょうか・・・?

そこで、ここ最近の天空の不調と身体が同調しないように、「疲れやすい」「だるい」などを是非解消して欲しいと思います。

よく不妊の周期療法を始めた人達が、「漢方を飲み始めてから朝がすっきり起きられるようになった」「疲れにくくなった」「夜がぐっすり眠れるようになった」といったことをよく言われます。不妊で悩む人の多くは「脾」の働きが弱っていて、「気」や「血」が不足しています。それらを調整するために「補中益気湯」「十全大補湯」「帰脾湯」などを使います。

周期療法では、個人個人に合わせて、何が不足しているのか、何が多すぎるのか、を判断した上で、漢方薬を調整していきますので、伝えていなかったはずの症状なのに漢方を服用しているうちに改善してくる、ということは良くあることです。

これが体質改善の根本治療で、東洋医学の強みなのです。

出ている症状や数値だけを追って治療を行っていても、それを受け入れる身体の中身が用意されていなければ、何もなりません!受け皿となる体質をある程度改善しておくことがとても大切なことなのです。

また「疲れやすい」という症状は、食事のバランスにも大きく関係しています。糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルがバランス良く摂れているか、今一度再確認してください。多くはそのバランスが崩れているときに「疲れやすい」という症状は起こります。

今旬の「えんどう豆」などの豆類は、胃腸の働きを整えてくれます。また水分代謝も高めますので「胃もたれ」「だるい」などの症状にも良く、疲労回復にとても役立ちます。

是非今が旬の「えんどう豆」にて疲れを取り、それでも力不足のときは少し漢方の力を借りて、この不安定な時期を乗り越えましょう。

力のある証拠

30歳Nさん。不妊治療は1年ほど。ホルモン検査ではプロラクチンが少し高めで多嚢胞卵巣気味と診断されていました。治療は排卵促進剤とhcgの注射によるものです。漢方薬は、「養命酒」を飲んだくらいで、しっかりと処方されたものを服用したことはありません。

33歳Cさん。子宮内膜症の症状が酷く、急激な下腹部痛により緊急手術を行い癒着を剥したようですが、全ては剥しきれず、その改善かつ妊娠希望で漢方薬を半年ほど服用されています。

43歳Oさん。そろそろ自力での初妊娠はタイムリミットかと考え、体外受精を行いました。今までOさんは病院での不妊治療を受けたことも漢方薬も服用したこともありません。

NさんもCさんもOさんも、その後妊娠発覚し、心拍まで確認されました。

初めて感じる何とも表現しがたい大きな喜び。「母になる」という夢の実現。急にお腹が愛しく感じられるその瞬間・・・!

しかし、それぞれ8週ほど経ったとき、心拍が停止してしまっていたというのです。ついこの間まで動いていた小さな心、宿っていた小さな命、はどこか静かに消え去ってしまったのです。出血など何もなく、とても静かに居なくなってしまいました。

束の間の喜び。しかし忘れられない母となった瞬間。あの感動をもう一度!

半年かけて漢方薬にて体を調整し、初めての妊娠となった今回、Cさんはまた新たなスタートを切ることを決意されました。

流産後初めて相談されたNさんは、今回の妊娠が発覚する前に既に漢方による体の調整を考え、問合せをしようとしていたところだったのです。今回は残念ながら流産をしてしまいましたが、妊娠できるという自信がつき、今度は小さな命が安心できるように、もっと元気な身体になって迎えたい!という思いがより強くなったようです。

体外受精が残念な結果となったOさん。しかし受精卵が着床し、心拍まで確認することができたのですから、まだまだ妊娠できる可能性があります。年齢的にも1周期1周期を大切にしていきたい!そのためにもより一層元気な母体つくりが大切です。

NさんもCさんもOさんも、今回は残念な結果となりましたが、「妊娠できる力がある」ということがこれで証明されたのです!これからも自信を持って、共に進んでいきましょう!

幸せメール

メールを開けると、そこにはプクプクほっぺの可愛い笑顔!ピンクの服を着せてもらったEちゃんは、笑いながらも何かを言いたそうにしています。

しっかりした顔立ちのTくん。産まれたときから5Kg近くもあったNくんは、。まるでもう3ヶ月であるかのように、眼も眉も口も凛々しくもう既にスマートボーイになる予感!

「不妊」の文字を背負って今まで辛い道を歩んできた人達。そして漢方薬に出会い、共に進んできた道のり。

それは今だから短かかったと感じられるものですが、歩んでいるときはとても長く感じていた道のりだったことでしょう。振り返るとそのスタート地点は霞がかかって見えず、その代わりに蜃気楼のように蘇るたくさんのシーン・・・。それを見ると、やっぱり長かったんだなぁって思うのです。

私達も間接的でも共に歩み、見守っていたからこそ、他人の赤ちゃんとは思えず、孫、姪や甥のようにとても可愛く感じてしまいます。

この笑顔に会えて良かった・・・。いつもそう感じ、もっともっとたくさんの笑顔に会いたい、と欲が出てきます。

送られてきたメールの中の写真を見ながらいつも、一緒に笑顔で写るパパとママの写真も欲しいのだけどなぁ、と思うのですが、なかなかその写真が送られてくることはなく、あっても年賀状の小さな写真くらいなので寂しいものです。

パパとママの顔はなくてもこんな幸せなメールは、いくつ来ても、毎日来ても、心をほっと和ませてくれ、安らぐことができます。メールを開けるのが楽しく、とても嬉しくなります。

今、このママ達の仲間入りをしようと懸命に治療を進めているぷれぷれママ達も、早くにこんな幸せメールを毎日送るようになって欲しい、と日々願うばかりです。

月経過多

36歳Aさん。「私は月経が多い方なのでしょうか?」との質問です。

症状は、月経血にレバーのような塊が見られること、量は漏れてしまうことが多々あること、周期7日目以降も出血が続き、また月経が始まったかと思うくらいの量になる周期もあること、です。

これらの症状から考えられることは、「子宮筋腫」です。身長に比べて体重が軽いAさんですので、毎月のそれだけの月経血により、おそらく貧血にもなっていることかと思われます。

いずれにしても、「月経過多」には間違いありませんので、その原因を追究するためにもまずは婦人科の受診と血液検査をされた方が良いでしょう。

その結果により、Aさんの今後を考えて西洋医学と東洋医学でいかにして治療をすすめていくべきか、を提案していきます。

しかしこの様な貧血の症状を持っている人に限って、健康食品として「酢」を摂っている人が多く見られます。Aさんも健康食品として「黒酢」を摂っておられました。貧血や冷え症である人は、「酢」などの「酸味」のものは控えた方が良いのです。「酸味」により血管が締まり、余計に症状を強くしてしまいます。

適量であれば「肝経」のバランスを整え良いのですが、健康食品として摂る際は多くの場合、摂取量が過ぎるようになってしまいます。何でも適量、ほどほどに、がポイントです!

漢方薬ではAさんのような月経過多の場合、血が漏れることをカバーするために補気・健脾作用のあるもの、過剰な出血を止めるもの、血を補うもの、を使います。代表的なものとしては「帰脾錠」「田七人参」「婦宝当帰膠」です。これらを続け、もしヘモグロビンが10未満であれば鉄剤を飲みながら調整して行くと良いでしょう。

きっと今の状態であれば、Aさんは力が出ず、疲れやすくなっていることでしょう。早く治療を始め、元気になってほしいものです。検査が終わったら早くに漢方を始めましょう。

茶葉

「夏も近づく八十八夜♪」、立春からかぞえて八十八日目にあたる日が八十八夜です。今年は5/2がその日です。

その日は、春から夏に変わる節目で、縁起の良い日とされてきました。またその頃から霜もなく、安定した気候となるために、茶摘などの農作業の準備が始まるようです。

そして縁起の良い日の八十八夜に摘まれたお茶は、昔から不老長寿の縁起物の新茶として珍重されています。

茶葉は、乾燥茶の緑茶・発酵茶の紅茶・半発酵茶の烏龍茶に区別されます。日本の煎茶・玉露・番茶は、緑茶です。

茶にはカフェイン、タンニン、ビタミンC、フラボノイドなどが含まれています。ただビタミンCは、緑茶には含まれますが、発酵させて茶にはほとんどありません。

もちろん漢方でも使われている茶葉ですが、最近はカテキンなどの茶ポリフェノールに口臭抑制、ウィルス感染阻止、抗コレステロール、抗癌などの作用が確認され、「カテキンブーム」を生み、あらゆる緑茶が各メーカーから発売されたことは記憶に新しい出来事です。

ただ緑茶は「涼」の性質がありますので、夏などは良いですが、冬には「温」の性質の紅茶の方がおすすめです。また冷房で冷えてしまった人やもともと冷え性でむくむような人、貧血の人、などは緑茶は控えた方が良いでしょう。きちんと発酵させた紅茶がおすすめです。ただカフェインは含まれるために、不眠症の人などは寝る前の服用には注意してください。

もし周期に合わせてお茶を飲むとすれば、月経期~卵胞期の「低温期」には「緑茶」(冷え症や低体温でない場合)を、「高温期」には「紅茶」を、もしPMSがあるようであれば月経前には「ジャスミン茶」で気の流れを良くする、といった組み合わせはいかがでしょうか。

またそれを使った茶粥を朝食にすれば、胃腸にやさしいばかりでなく、一日のスタートに良いでしょう。是非お試しください。

まだ早い

今年36歳になるAさん。結婚歴10年。もう8年近くも不妊治療を続けています。

生理は自力では来朝せず、カウフマン療法にて起こさないとなりません。先周期、排卵誘発剤を使ったにも関わらず排卵しなかったこと、とそれに対する婦人科医の言葉より、「もう諦めなさいということかな」とAさんは感じたと言われました。

そのような話は良く耳にします。

43歳のSさんも、医師より「もう卵ができないから諦めなさい」と言われたこと、45歳Tさんも、「両側の卵管がもう閉塞しているから無理です」と言われたこと、など。その後、漢方薬を飲み体質改善をされたSさんもTさんも卵が出来、体外受精をすることができました。Sさんの医師もTさんの医師もかなりびっくりしていたようです。

そんな例もたくさんあるように、まだ30代のAさんは尚更のこと、諦めるなんて早すぎることです!

確かに35歳を過ぎると高齢出産になり、東洋医学的にも身体は衰えてくる年齢となります。

しかし、人に寄って実際の年齢よりも若く見える人、年を取っているように見える人、が様々いるように、卵巣の年齢も実年齢とは異なるものです。元気な卵を作ることのできる若い卵巣があれば、妊娠・出産は可能なのです!

Aさんにも決して諦めずに前に向かって進んで欲しいものです。

自力で来潮しないために10年間ホルモン療法にて生理を起こしていた34歳Oさんも、2年前に漢方薬のみに切り替え、3周期後に自力で生理が来るようになりました。今は西洋医学的不妊治療は全て止め、自然周期での妊娠を希望し、漢方とともに挑戦されています。

まずは自分の身体の持つ力を信じて、漢方薬にて体調を整えることをおすすめしたいです。

8年近くもお薬に頼り不妊治療を続けてきたので、なかなかそれから離れられず、離れるにはかなりの勇気が必要かもしれません。しかしこのまま8年も続けた今の治療を続けても、同じことを繰り返すだけでしょう。路線を変更する最後のチャンスかもしれません!是非、ここで立ち止まって今一度考えてみてください。

改善計画

26歳Hさん。初潮を迎えた頃からずっと生理不順。

しかし昨年の春に起こった不正出血は今までのものとは異なるものでしたので、婦人科を受診されました。その結果、「卵巣が少し腫れている」との診断を受け、しばらく様子を見るように言われたようです。

ところが半年後、また不正出血があり下腹部に違和感を感じたために別の婦人科を受診。

そこで何と卵巣嚢腫と診断され、MRIにより5cmほどの嚢腫が確認されたのです。Hさんはまさかの現実に呆然とし、さらに医師より手術を勧められ、ショックを受けたのでした。

まだ26歳であること、未婚であること、にこの現実は辛いことでしょう。手術は最後の手段にしたく、今は手術せず改善のためにできることを、と漢方による症状治療と体質改善をしたい、と希望されたのでした。

Hさんには、生理痛、冷え症、頭痛、肩こり、などの「お血」の症状、むくみ、尿やおりものが黄色、吹き出物、夢を良く見る、などの「痰湿」の症状、イライラ、怒りやすい、などの「肝鬱」の症状がありました。

さらに冷たいもの、甘いもの、油っこいもの、辛いもの、肉を良く好み、食しているようです。これらはHさんの症状の原因となる「お血」「痰湿」を増強してしまうものばかりです。

Hさんには、それらの食事をなるべく控えるようにしてもらいつつ、漢方薬にて「お血」「痰湿」「肝鬱」を改善するように今後の計画をたてました。

まず初めの1ヶ月間に服用をおすすめした漢方薬は「桂枝茯苓丸」「星火逍遥丸」です。

それらを1ヶ月続け、「生理痛が軽減した」「吹き出物が少なくなった」など何か変化があるか、全く変化がないか、を確かめます。それは人によって、漢方薬に対する反応が様々であるからです。もう少しお薬を加えた方が良いのか、変えた方が良いのか、を状況によって判断するのです。

そして徐々にたくさんある症状が改善していけば、体質が改善され、それが元となって出来てしまった卵巣嚢腫も進行を止め、手術の対象にならなくなるかもしれません。途中で諦めずに年単位で続けていくことができれば、その改善も現実のものとなります。

まだ若いHさんには、この改善計画はしばらく続けて欲しいですね。