6月5日に「日本不妊カウンセリング学会」があり、日頃私たちを指導していただいている中医師の1人、陳志清先生が「不妊治療における漢方の役割」と題して発表されました。
内容は
1)体つくりに原点を置く漢方の考え方
妊娠出産できるかどうかは精子と卵子および子宮内膜だけの問題ではなく、身体全体のコンディションも大きな影響がある。漢方薬で身体のバランスを整えることで妊娠に至るケースがある事を事例を持って紹介されました。
2)個々の体質を踏まえるオーダー・メードの漢方対応
不妊の原因は様々なので、個々人に対応することが必要で漢方薬もたくさんあります。個人の体質によって<冷え症タイプ、ほてりタイプ、血色の悪いタイプ、水分代謝が悪いタイプ、血行不良タイプ、ストレスが多いタイプ、いろいろ混じっている複合タイプ>などに分けて適切な漢方薬を使うのが大切なポイント。
3)西洋医学の理論を取り入れた漢方の周期調節法
私たちが実践している周期調節法の紹介と、私の店の3年間の実績を数字で紹介してくれました。
4)高度不妊治療においての漢方の補助作用
高度の不妊治療を行う場合、漢方薬を併用することにより体質の改善をしながら治療をすすめていけるし、漢方薬でホルモン剤の副作用の軽減や治療効果の向上につながることもある。
まとめ)漢方と漢方薬は異なった概念として理解して欲しい。漢方の固有の理論に基づいて漢方薬を使えばそれなりの効果が期待できるし、高度不妊治療においても併用できる。(抄録集から)
このような大きな学会で漢方の紹介ができることは、画期的なことでその意義は大きいものがあります。
直接発表を聞くことができませんでしたが、反響も大きかったと聞きました。漢方と漢方薬の啓蒙のために資料提供をした甲斐がありました。