かわいい訪問者

秋の高い空がひろがる爽やかな日、かわいいかわいい赤ちゃんの訪問を受けました。Sさんご夫妻とS君、初対面です。「始めまして。世話になったSです。おかげさまでこんなに大きくなりました。」「赤ちゃんが授かるよう京都の神社やお寺に行きましたので、今日はお礼参りにきて先生のところに寄りました。」車で3時間もかけて会いに来てくれました。

この世に生を受けて5ヶ月になったS君、見知らぬ私をじーっと見つめ親と識別しているのでしょう。知恵もしっかりついています。にっこり笑ってくれました。漢方薬を飲んで産まれたた赤ちゃんは色白といいます。S君もやはり色白、お肌ツルツルです。

思い起こせば、Sさんのご相談を受けたのが今から1年10ヶ月前でした。結婚してまだ2年でしたが「39歳の高齢なので焦りがあります」と。基礎体温は低温期が不安定で「オリモノ」が少ない状態でした。早速、周期療法をはじめ、<婦宝当帰膠>、<冠元顆粒>、<オリジン>、<杞菊地黄丸>など数種類の漢方薬を服用していただきました。そして基礎体温がきれいな2相性になり、高温期も維持できたとき、妊娠が判明しました。服用して8ヶ月でした。体調がとても良くなってきたと喜んでいただいた上での妊娠でした。

心拍が確認されての感動、つわりの辛さをうれしさに変え、初めての母親学級に緊張し、初めての胎動に感激しながら少しずつ大きくなっていく、おなかにうれしさと不安が入り混じっての210日でした。Sさんは「一日も欠かさず漢方薬を飲めたことが今日に繋がったと思います」とありがたいお言葉を送ってくださいました。

今日始めてお会いし5ヶ月に成長したS君を囲んで親子でカメラに収まってくれました。レンズの向こうには幸せ家族が映っています。輝く笑顔が素敵でした。お幸せに。

排卵障害 5

昨日の早発卵巣機能不全(POF)のもう1例です。

Hさんは42歳、不妊治療をはじめて6年たちました。排卵誘発剤をたくさん行ったためか、卵巣が悲鳴を上げ、働かなくなってしまいました。

「あなたの卵巣にはもう卵は有りません。これからは更年期対策をしてください」といわれ、途方にくれての来店でした。

「とりあえず2年間漢方薬を服用してください」とお願いし、長~い卵胞期を<シベリア霊芝>、<杞菊地黄丸>などで乗り切り、周期を整え月経が来るのを待ちました。その後は、周期療法を行い、<冠元顆粒>、<婦宝当帰膠> <補血丸>などを適宜使い、1年後には20mmの成熟卵胞が採卵できるようになったのです。良かったです。45歳になったHさん、自然採卵でこれからのIVF-ETに願いを託しています。

早発閉経は漢方薬で対応できそうです。

排卵障害 4

排卵障害の中には早発卵巣機能不全(POF)があります。40歳未満の卵巣性無月経と定義され、血中ホルモン値ではFSH>37mlU/ml  E2<30pg/ml を示します。子宮は小さく内膜は線状で薄く、卵巣内の卵胞が枯渇している状態が多いとされ、このような状態では、治療が困難といわれています。

Kさんは33歳、結婚して1年。20歳前半は不規則ながら月経は来ていたようですが、後半からはだんだん来潮しなくなり、病院にいきホルモン剤の投与を受けていました。ホルモン剤を飲まなければ来潮しない「無月経3年」です。ホルモン検査ではFSH 106mlU/ml, E2 13pg/ml でした。卵巣の中には、卵胞が見えないというのです。「早発卵巣不全、早発閉経」と診断されていました。33歳の若いKさんには「閉経」は過酷な二文字です。「漢方で何とか閉経を免れたい!」との切なる思いで来店されました。

現代医学が治療困難といったPOF、漢方で何とか改善出来たらと思い、現在煎じ薬を用いています。さらに補腎・活血、疏肝作用のある <逍遥丸>、<杞菊地黄丸>、<冠元顆粒>などを服用してもらっています。

排卵障害 3

排卵障害の中で多く見られる症例は多嚢胞卵巣症候群(PCOS)があります。

PCOSは卵巣の中に多数の卵胞が存在し、神経中枢レベルの排卵障害と違い、卵巣レベルの排卵障害となります。

PCOSでは3高1低という(LH↑、アンドロゲン↑、インシュリン↑、E2↓)内分泌所見が見られます。原因は何らかの異常によりアンドロゲンの産生が過剰になり、卵胞の成熟を邪魔し、卵胞閉鎖、退縮を促すので、その結果排卵障害が起こるといいわれています。

PCOSの臨床症状は、男性化、肥満(いまは必ずしも肥満ではない)、多毛、そして高い流産率、排卵誘発により卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりやすいといいますから厄介です。また最近では糖尿病とのかかわりも指摘されていますので、メタボリック症候群の管理も大切になってきます。PCOSのお客様は非常に多いですね。

Zさん31歳は結婚されて4年、赤ちゃんを希望し某大学病院を受診され、ルトラール服用して月経を起こし、クロミッドを服用して排卵誘発を繰り返していました。ホルモン剤を服用しなければ月経が来ないため、ずーっとホルモン剤を服用しなければならないのかと不安になり、当店にこられたのでした。

卵巣のエコーからも小さい卵がたくさん見え、PCOSのテキストどおりネックレスサイ状にみえています。BBTは長い卵胞期が4ヶ月続いています。一相性のため周期療法は使わず<シベリア霊芝>や<婦宝当帰膠>を処方しました。2ヶ月経ちやっと排卵がありました。そこから煎じ薬を中心に周期療法を開始し、1年後自力排卵で妊娠されました。

大学病院ではなんらホルモン剤は投与されておらず、正真正銘漢方のみの自然排卵・自然妊娠の快挙でした。いまZさんはお産のために実家に帰っておられますが、元気な赤ちゃんを産むことでしょう。

PCOSの治療は月経後からのクロミッド服用で排卵を促すのですが、漢方薬は多嚢胞になりやすい体質をかえ、たくさんある卵胞の中から如何に早く主席卵胞を作るかにかかってきます。体質を変え、卵胞の成長を促す漢方薬があることはうれしいですね。

排卵障害 2

排卵障害 2

排卵障害を起こす原因に、血中のプロラクチン上昇によって引き起こす病態があります。お客様の中にも乳汁が分泌されていたり、乳頭に白い糟のようなものが付着していたり、気づかないことがあったりします。これはプロラクチンというホルモンが乳汁分泌を促しているためです。このプロラクチンは視床下部から分泌されるドーパミンにより抑制されているのですが、ドーパミンの抑制が弱まったり、下垂体に腫瘍が出来ると血中プロラクチンが高くなり、下垂体機能を抑制し、卵胞発育を抑制して月経異常を引き起こすのです。(乳漏性無月経といいます)

40歳のSさんは結婚歴10年、5年前から赤ちゃんを望むようになりました。35歳を過ぎる頃からなんとなく「不妊かな?」と思い始めたそうです。暫く基礎体温をつけながら意識的にタイミング法を試みてましたが一向に検査紙は陽性にならず、クリニックに行ってみました。ホルモン検査でプロラクチン値が38と高値にでて、「高プロラクチン血症」と診断されました。テルロンを投与され服用しましたが、吐き気と頭痛に見舞われ、仕事にも支障を来たし中断されました。

こんなにきつい症状がでるのなら、漢方薬の方が安全かな?と思い来店されました。基礎体温は高低差が強くガタガタ波打っています。低温期も30日間で、排卵までが長くかかっています。典型的な「高プロラクチン血症」です。尋ねるとブラジャーに白い糟が付着していることが多いといいます。

月経周期は40日~45日と長いのですが、きちんと来潮していますので周期療法を取り入れ、長い卵胞期を短縮しようと<炒麦芽>、<婦宝当帰膠>、<逍遥丸>などを服用してもらいました。徐々に卵胞期も縮まり基礎体温表も理想的になってきた頃、待望の妊娠がわかりました。漢方薬を服用して1年でした。

Sさんは現在元気に走り回るお子さんと育児を楽しんでいます。Sさんの症例は「高プロラクチン血証」による「排卵障害」が、炒麦芽などの周期療法で改善され挙児を得られたのですが、このようなケースは非常に多く見られます。プロラクチンが高くなくても「潜在性高プロラクチン血症」が見られることがありますし、またドグマチールや胃薬でも発症することがありますので、気をつけなければなりませんね。

排卵障害 1

先日行われた不妊カウンセリング養成講座の続きです。

「排卵障害」と題し弘前大学の水沼教授が講演されました。当店にも「排卵障害」で悩まれている方が結構多く見られますので、大変興味を持って聞きました。

排卵を含む卵巣機能は、間脳(視床下部)~脳下垂体~卵巣系といわゆる性腺軸の機構によって調節されています。私たちも「排卵障害」を訴えてこられるお客様には、細かくホルモン数値を伺い、中枢(視床下部、脳下垂体)のレベルなのか、卵巣レベルなのかを判断していきますが、詳しい生理・病理のメカニズムを理解していなければ「重症の排卵障害」への対応が難しくなります。現代医学で難治性といわれると漢方薬でも難しいことが多いのですが、漢方の理論を駆使して何とか治療方法の確立を考えています。

水沼教授のお話の中でも有りましたが、「視床下部からゴナドトロピン放出ホルモンが一定のリズムで分泌されていることが重要で、過度のストレス、過度の運動、ダイエット、環境変化が分泌を抑制するため、無排卵・無月経がおこる」と指摘していました。このように中枢レベルでの排卵障害・無月経は難しいですがとても大事ですね。ダイエットで無月経になった人、激しいスポーツで月経が来なくなった人、人間関係から過度のストレスをうけ無月経になった人、思い当る方はたくさんいると思います。

現代医療での治療はカウフマン療法が主流ですが、漢方薬では性腺軸に作用する補腎・活血薬、具体的には、<六味地黄丸>、<参茸補血丸>、<杞菊地黄丸>や<冠元顆粒>など症状に応じて使い分けします。

当店に来られていますOさん、Kさん、Hさん、Tさん、Iさんはこの中枢性の排卵障害・無月経ですが、時間をかけて頑張って体調を整えていきましょう!

第11回ひよこママの会

開催日 : 10月3日(水)
時間 : 13:30~15:30
~~今回のお子様の月齢は、3ヶ月~7ヶ月です~~
<「気になること」、「聞きたいこと」の質問の回答>
 Q:ゼロゼロ言ったり、咳をするので、喘息では?と心配しています。
 A:赤ちゃんのうちの咳の多くは、鼻汁が咽頭から気管に落ちるのが原因。あまり心配しすぎない。鼻汁も咳も大切なからだの防御反応であることを頭に入れておく。
 Q:アルコールを摂取した際に、母乳を与えることを控えていますが、どのくらいの時間控えればよいのですか?
 A:基本的に母乳を与えた直後の飲酒は大丈夫です。もちろん酔っ払うまで飲むと、授乳時までアルコールが体内に残りますので注意が必要。
 Q:中国製のおもちゃに問題が出ています。子供が好きなアメリカ製のカラフルなおもちゃのも多くが中国製です。口に入れたりするので心配です。
 A:それが有害であるかどうかという判断は、やはりわれわれ消費者が賢くなる必要があるのでは?また、口は「第3の手」と言われるくらい、口の感覚も脳の発達に重要です。約11ヶ月位で次第に口に入れる量が減っていくので、心配しすぎることはないです。
 Q:この時期に是非しておいたら良いという事(関わり方)を教えてください。
 A:小さい頃の「良い思い出」は、成長し大人になった後の「原風景」として残ります。そしてこの「原風景」こそが、何か問題が生じた際に、それを乗り越える力の「源」となります。よって、一緒に良い思い出を作れるように、人と人との交流を楽しむようにしましょう。2歳まではTVをつけっぱなしにしない。
1、「ワクチン接種」について
予防接種は、きちんと決められた時期(それ以外の時期だと、副作用が出た際や、事故の際に保障が受けられないことも)に接種するほうが良い。副作用の心配は確かにあるが、子供が病気にならないという益のほうが大きい。
DPT(三種混合)、MR(麻疹風疹混合)のワクチンは「かかりつけ医」で!
BCG、ポリオ ワクチンは保険所で!!
これらのワクチン接種はかなり痛いほうに属するので、まだ痛覚の発達してない赤ちゃんの時期に急いで接種するほうが良い。
2、赤ちゃんの「ありふれた病気」
<かぜ症候群>
*ウィルスと細菌はどこが違うでしょうか?
Q:子どもにはウィルス感染と細菌感染、どちらが多いでしょうか?
A:「カゼ」の90%はウィルスで発症します。よって、抗生物質は効きません。ただし、子どもではウィルス感染の後に、細菌の合併症(肺炎・中耳炎など)を起こすことも多く、合併症を防ぐ意味でよく抗生物質を使います。
<嘔吐や下痢>
冬に多いウィルス性胃腸炎のウィルスは、胃腸系に好んで感染する。よって、嘔吐から始まり、下痢に移行していく。これらの症状は、ウィルスを体外に排泄する防御反応であるので、安易に止瀉薬などは用いない。
基本は水分を余分に取り、食事は通常と同じ内容を続け、脱水症状を予防し、同時に正常な腸内細菌叢を回復させる。(水分は少量を頻回に与える)
<腸重積>
注意が必要!血便。お腹が痛いので泣いて嘔吐する。(お腹が痛いので、足を引き寄せてお腹の緊張を緩めて泣く)バリュームを入れて、整復して治る。
<発熱>
赤ちゃんの体温で、37.2~3℃(夏場では37.5~6℃)はまだ平熱。また、1日に±1℃は日内変動する。たとえ39度あっても元気に遊んだり寝ていれば、体温を下げる必要は無い。ただし、ぐったりしたり母乳が飲めない場合は下げたほうが良い。発熱反応は、体の免疫系が活性化している証拠である。原則として、家庭内では「熱冷まし」は用いない。心配な場合は、小児科に来院し医者の指示を仰ぐ。 
<熱性痙攣>
熱が上がり、急激に短時間で起きる痙攣はすぐに治まり安心だが、熱が上がって3日くらい経って起きる痙攣は注意が必要。
<乾燥性皮膚炎>
乾燥は湿疹の原因となり、保湿を心がける。重症の際はステロイド剤も恐れずに使う。
3、赤ちゃんのときに気をつけないといけない事故
誤飲・誤嚥
たばこ(特にジュースの空き缶などを灰皿代わりにし、その残液を飲んだ場合は特に危険!死に繋がることも…)
ピーナッツ(気管で膨れるので注意!)
水の事故(赤ちゃんは、外よりも家の中で溺れることが圧倒的。浴槽や洗濯機は特に危険なので、「残し湯」をしない)
4、育児の役割分担
母親 - 主役
父親 - 協力者
祖父母 - 強い味方
知人友人 - 上手にお付き合い
保育施設 - 子どもの立場に立って選択
小児科医 - 子育ての理解者
☆☆「第10回ひよこママの会」からの伝言☆☆
チック・指しゃぶり・夜尿症・どもりなど、それらの症状は3~4歳頃に集中して起こります。
その年齢は、頭の中や心の中で内なる発達的な変化が起こっている時期。
大体は半年~1年までの間に消えてしまうもの。
3~4歳のときだけでなく、その後も身体的な変化、発達的な変化、環境の変化などがあるときは、子ども達は「ちょっと気になる症状」を出しながら頑張って次へと成長していきます。変化に適応するための必要な過程だと受け止めること。

またまた妊娠判明!

43歳のSさん、いつものように基礎体温表を見せてくれました。

「えっ、ほんとう!」高温期14日目で、体温は36,8~9度くらいを推移しています。いつもは12日目頃から体温の下降が見られるのに、今周期は下降する気配は見えません。「いい感じで続いているね、尿検査してみて」と妊娠検査紙を渡し調べていただきました。やはり出ました「陽性です!」とにっこり微笑んでくれました。当店に来られた後、周期療法で<婦宝当帰膠>や<参茸補血丸>、<帰脾錠>などを服用してもらい、10ヶ月目の快挙です。

Sさんは結婚して9年、今まで2回7週目で流産の経験があり、最後の流産から1年たちます。「もう流産はしたくありません。7週目がトラウマになっているのです」当然のことです。大事にして、この7週を乗り切らなくてはいけません。

もう1つの心配は、仕事が忙しくなってくるとのことで、「時間的に無理」と断っても「何とか。何とか」と仕事を頼み込まれるというのです。会社は男性社会なので女性のことはわからず、診断書書いてもらってください。」と頼まれる始末。赤ちゃんが出来たことのうれしさよりも、これから先の仕事と7週目のトラウマが先にやってきて、Sさんはもうパニック状態でした。

女性が社会に進出しても、女性だからと言って優遇されるわけでもないのが現状です。しかし、赤ちゃんが出来、流産しやすい体質であるとなると、母子保護の立場から少し配慮されてもいいのではないかと思ったり、労基法からも母子の健康が守られていいのではないでしょうか?

Sさんの妊娠判明で、今日の体制や女性の置かれている状況を考えさせられた1日でした。ともあれ、おめでとうございます。Sさん挙児を得るまで頑張りましょうね。

卵子提供について

先日第21回の不妊カウンセリング養成講座が東京でありました。

内容は「生殖医療の基礎知識」、「行政の取り組みの状況}、「カウンセリングの分野」、「明日の生殖医療を学ぶ」(胚培養の分野から)と多方面からの講座で充実した時間を過ごしました。

その中で、ロサンゼルスでアメリカの法律によって「卵子提供エージェンシー」を立ち上げている日本人の方が発表されていました。

実は、私のところにもご高齢のカップルが来られ「卵子の提供を受けたいのですが」と悩みを打ち明けられたことがありました。日本では合法化されてなく、どのようなすべがあるのかも知らずに何のお役にも立てず、気になっていました。つい最近も、閉経間近い方が「卵子の提供」を希望されて相談にこられたり、30代後半で両側大部分の卵巣切除で卵巣機能が著しく低下した方が、やはり「卵子提供」を望まれていたこともあり、タイムリーにお話を聞かせてもらいました。

具体的に、渡米する費用や滞在費用、治療費を含めての値段もお聞きしました。いまや、生殖医療は目覚しく進歩し、われわれの時代には考えられないことがたくさん事例としておきています。

生殖は神の手から離れ神秘の世界のベールがはがされつつあります。「自分の子がほしい!」と願う人々の思いはとても大きいものなのです! 倫理の問題、法律の問題を越えてアメリカで卵子提供を受ける日本人は3桁にも昇るそうです。

自然派の漢方をしている私にとっては、高度生殖医療(ART)、卵子提供、AID、代理母など科学の進歩についていけない、そんな気分で患者様の気持ちを汲みながら、複雑な心境で卵子提供エージェンシーの話を聞いていました。

うれしいご報告

今日はうれしい報告を受けました。

もうすぐ32歳になるSさん、原因不明の不妊で5年間、東京から関西に転勤になりいち早く漢方を求めて来られました。結婚して4年、いろいろ検査をし、ホルモン検査、通水検査、フーナーテストが全て異常なしです。体温表では、低温期の体温が高めで高温期との差が少なく、高温への移行が少し緩慢で、高温期の日数が10日と少し短めでした。病院にいっても原因がわからなくタイミング指導を受けていました。

Sさんのように、赤ちゃんがほしいのになかなか授からない、これと言った原因もわからないという「原因不明の不妊」の方は不妊の10~15%にのぼり結構多くいられます。はっきりした原因があればそれは心配ですが、原因がわからないのも不安になります。

Sさんはそれ以来1年2ヶ月の間、周期療法で体調を整えてきました。酷かった月経痛、排卵期の刺痛、冷え症、寝つきが良くない、下痢をするなどの症状がすっかりとれ、基礎体温もきれいに整ってきました。それでも赤ちゃんが授からず、とうとうクリニックへ行きました。AIHをすること5回、ようやく待望の赤ちゃんが授かりました。

この1年2ヶ月の間、周期療法で全体の体調を整えながら、<婦宝当帰膠> <杞菊地黄丸> <爽月宝> <参苓白朮散>などを服用してきました。

今日、「先生、赤ちゃんができました!」 待ちに待ったSさんの報告に胸が熱くなりました。