腟炎・卵管炎

「腟炎」や「卵管炎」などの炎症性の疾患は、中医学では「お血」や「湿熱」が原因であると捉えます。

「お血(血の流れが悪い状態)」や「湿熱(ジメジメムシムシとした状態)」が存在する環境下では、気や血が停滞し、結果として感染症を引き起こすことに繋がります。

「腟炎」は、感染によって膣に炎症が起こったものです。

西洋医学的には、クラミジアなどの細菌に感染したことや、過労などにより抵抗力が落ちたときに膣の周囲に存在する大腸菌などに感染することが原因で起こると言われています。

その炎症が卵管にまで及んだものが、「卵管炎」です。卵管まで炎症が及ぶことで、不妊の原因となったり、流産や早産の原因にもなります。

また、それらの炎症は、生理痛を引き起こしたり、排便痛や排尿痛、不正出血を引き起こすこともあります。

そのような症状がある場合、もしくはそれほど症状がなくても「腟炎」や「卵管炎」に罹っている人は、早急に治療をすることが望ましいです。

その炎症を解決することで、辛かった生理痛、面倒な不正出血、不妊、流産などの症状をも治すことができるのです。

樹齢900年の恵み

古事記・日本書紀によると、世界にはまだ大地がなくドロドロした状態だった頃に、天上の神々が男神・伊弊諾(いざなぎ)と女神・伊弊持(いぎなみ)に「地上はまだ漂うばかりだから、これを固め、国を造りあげよ」と命じました。

その時に、ドロドロの海原を矛でかき回し、矛の先から滴り落ちた潮が凝り固り、島が誕生したこの島が「おのころ島」といわれ、現在の淡路町の絵島、洲本市の成山、南淡町の沼島ともいわれています。

日本列島の最初の陸地として誕生した「淡路島」に日本最古のお社である「いざなぎ神社」があります。その境内にある樹齢900年になる天然記念物の「夫婦大楠」。

日本を産み出した男神・伊弊諾(いざなぎ)と女神・伊弊持(いぎなみ)の命に、その「産み」のパワーを恵んでもらおうということでそのようになったのか、「子授けのご利益がある」と言われています。

大きな楠の木の下で は、樹齢900年も生きてきたその漲ったパワーのシャワーを浴びることができます。

一昨日に撮った小さな写真にて、その「ご利益のパワー」をみなさまに差し上げます!

漢方の力

31歳Kさん。結婚5年目。結婚当初は夫婦2人で楽しもうと避妊をしていましたが、3年目よりそろそろ子供のことを考え始めました。

年齢も20代で、すぐにでも授かるだろうと思っていたのですが、全く兆しも見えず、そして婦人科へ。

その結果は、高プロラクチン血症、排卵障害でした。その後通院されたのは1年間。行った治療は「『カバサール』を週1回服用すること」でした。『カバサール』はもともとパーキンソン病の治療薬としてのみ承認されていましたが、2003年4月に高プロラクチンの治療に対しても承認され、使われるようになっているものです。

Kさんは、タイミングを合わせては、毎回期待に胸を膨らませていましたが、やはり全く兆しも見えないまま時が過ぎていきました。

30歳を過ぎ、悶々としていた頃、ネットにて検索中『漢方による不妊治療』の文字が目に飛び込んできたのです。これだ!!!

早速メールにて問い合わせされたのが、昨年の7月。それ以降、周期療法による漢方治療を始められました。

当初のKさんの状態は、排卵がスムーズに行っていないために、高温期の立ち上がりが悪く、高温期の前半は体温が上がりきらず波状型の基礎体温表でしたので、黄体ホルモンの不足が考えられました。

そのため、排卵期に「五霊脂」や「冠元顆粒」「爽月宝」などの薬の調整を1周期ごとに行いました。

そんな中、10月、高温期初めに出血があり、婦人科では「排卵がうまく行ってないための出血」と診断されましたので、漢方薬は「田七人参」にて経過をみることにしました。

そして翌月、10月の出血は「子宮外妊娠」であったとの報告を受けました。

「子宮外」であったけれども始めての「妊娠」。今まで全く兆しすらなかった「可能性の芽」が吹き始めたことに、Kさんは長い冬を越えた後の「春の暖かみ」を感じられた様子でした。

この芽吹きの時を逃さぬように、また11月より体調を整え次回に望めるよう漢方治療は続きました。

そして、年が明け、旧正月を迎えた2月。Kさんよりメール。

「妊娠5週目です」と。

10月の「初めての可能性」はもう可能性ではなく、確実としたものに変わりつつあることが感じ取れた瞬間でした。

確実に「よろこび」を感じられる漢方薬。

もっと多くの人に、この「よろこび」を感じて欲しいと願っています。

子育てコーチング

小さなお子様をお持ちのパパやママなら一度は感じるであろう「育児ストレス」。

エスカレートして虐待にならないようにしたいものです。虐待までいかなくても、思わず声を荒げて怒ってしまい、後で後悔して悩むことはしばしばあるのではないでしょうか。

子育てに悩むパパやママをサポートし、「子育てコーチング」をされている川井道子さんの「子育てに効果的な7つの決め技」を紹介しましょう。

★承認・・・言葉や行動などから子供のメッセージをしっかりと受け止め、アドバイスは後からする

★傾聴・・・子供の話を聞くときは用事をしている手を止める

★リフレイン・・・子供の発言の語尾などを繰り返す

★先入観を持たない・・・子供はこういうもの、と思い込まない

★質問・・・子供が失敗しても「どうしたらいいのかな?」などと問いかけて一緒にその原因を探す

★沈黙・・・急かないで子供が話し始めるまで黙って待つ

例えば「おもちゃ買ってくれなきゃヤダヤダ!」と言って駄々をこねたら「嫌なのね」とリフレイン。「こんなのしたくない!」と言ったら「そっか、したくないんだ」とまたリフレイン。

これで、子供は「ヤダ」「したくない」という気持ちを分かってくれたと安心し、駄々をこねてた気持ちも収まってしまうのです。

「どうして嫌なの?!」「どうしてしたくないの?!」と子供の気持ちを否定するような言葉を言うと、子供の気持ちが満たされずにますます駄々をこねることになってしまうのです。

ただリフレインの後は、しっかりと正しいことを伝えないといけません。まずは子供の気持ちを受け止めて、安心させてから「おもちゃを買って欲しいのね。でもね、今日はもう買えないよ。」「これがしたいのね。だけどもう帰る時間だよ。」などと伝えること。

受け入れるところはしっかりと受け止め、譲れないところはしっかりと伝える。子供に合わせてじっくりと待つ。

楽しく育児ができるためには、「子供とのコミュニケーションをいかにうまく取ることができるか」に掛かっていると思います。今一度、川井さんの「7つの決め技」がちゃんとできているか、チェックしてみてください。

中国何千年

中国では、人口の増加を防ぐために「一人っ子政策」がなされて久しいですが、「1人しか作ってはいけない」ということ以前に「1人もできない」というカップルが、8組に1組の割合でいると言われています。

(ただ「1人しか作ってはいけない」のではなく、「2人以上作っても良いが税金がかなり高くなる。税金を払うなら良い。」という制度だということは、中国の資産家達の家庭を見るとわかり、その辺が中国らしいな、と思う部分でもあります。)

日本では、その割合は10組に1組だそうです。韓国でも不妊治療は盛んであるし、アメリカなどでは他人のお腹を借りて出産する代理母出産も行われているように、「不妊」の悩みは国内外を問わず、世界中に広がっているものだと改めて感じさせられます。

昔から同様にこの様な悩みはあったのでしょうが、「不妊の悩み」は他人にはなかなか理解されないために治療を受けにくく、そのために近年まであまり治療も進んでいなかったのかもしれません。

しかし近年では、その技術はますます高度化し、高度生殖医療を行う病院が増えてきているために、治療も受けやすくなってきたと言えます。

そんな中、中国でも高度生殖医療を実施する施設も増え、不妊で悩むカップルも治療を受けやすくなったようです。ただ、中国では幼い頃より西洋薬よりも漢方薬に馴染みがあるために、西洋医学の治療にて問題がなかった場合は、多くのカップルが中医学に基づいた漢方治療を選ぶようです。

中国何千年もの歴史の中で育まれてきた中医学には、まだまだ学ぶべきことがたくさんあります。私達も多くの中国の症例を基にして、日々「何が問題なのか」「何が必要なのか」を探り当て「その人に合った治療」が提供できるように努めています。

受験シーズン

1月のセンター試験から始まり、今、受験シーズン真っ只中。

かなりのストレスに月経が不順になってしまうことも多くあります。

月経不順には、周期が早まってしまう「経早」、周期が遅れてしまう「経遅」、周期が短くなったり遅くなったりする「経乱」があります。

19歳のYさん。昨年は思い通りの結果にならなかったために予備校生活を選びました。「予備校生活も1年間で済ませたい。今年は落ちるわけにはいかない。」という思いが昨年よりも更なるストレスとなり、「経遅」の症状が久々に今月出ました。

昨年は元々過敏症のために、幾度となく気欝に陥り、月経が遅れることはしばしばありました。しかし、過敏症の治療に週1回のペースの鍼灸治療を重ね、昨年春より「経遅」の症状も出ないようになっていました。

ところが、今年に入り、いよいよ「受験」というこの時期。やはり「気欝」が激しく、「経遅」の症状が出てしまいました。

「気欝」により、情志が抑鬱して肝気の疏泄が悪いために、「気滞血お」となり、衝脈・任脈・子宮をめぐる経絡の血液運行も停滞し、排泄されず、月経が遅れるのです。

改善策は、血液の運行を良くするように停滞している経絡の流れを疏通することです。

Yさんの場合は、おそらく受験が終わる来週末に「ホッ」として気が緩むとともに、経絡の流れが良くなり、来潮するものと思われます。

しかし、今の時点では受験が終わるまでは待てず、「気欝」の症状があると頭も働かなくなるために、鍼灸の力を借りて、疏通することにしました。

こんな場合漢方では「冠元顆粒」や「桂枝茯苓丸」「逍遥丸」などにて治療をするのですが、Yさんの場合は過敏症のために漢方は服用できないために、鍼灸にて治療をされました。

明日からまた続く試験では、すっきりした頭で挑むことができることでしょう。

春を迎える前に

今日は、二十四節気の大寒の最後の日で、「節分」です。新しい春を迎える前の厄払いの行事の「豆まき」が各地で行われています。

豆をまくのは、厄年の人。その厄年の人が節分の夜に厄払いをし、翌日には春が訪れるという慣わしです。

その豆ですが、「五色豆」と「福豆」があります。

「五色豆」はその名の通り、5色の豆なのですが、「青・赤・黄・白・黒」の色は、陰陽五行に基づく「木・火・土・金・水」つまり「春・夏・土用・秋・冬」の色なのです。この自然界の5つの色で邪気を祓い、福を招くのです。

そして「福豆」。

これは「福は内、鬼は外」との掛け声と共に撒かれるもので、これも邪気を祓い、福を呼ぶのです。豆は「魔滅(まめ)」の意味より、「鬼やらい」に使われるようになったとか。

また年の数より1つ多い数の豆を食べるのは、来る年の福を願う心を託したためだそうです。

この「鬼は外」の「鬼」ですが、何も悪いものの象徴ばかりではないのです。

その昔は「疫病」などが流行り、そのなす術もなかった人々の命を奪う奇妙な病は、すべて鬼や怨念などのせいにされていたために、「鬼」と言えば「恐い顔」となってしまったのですが、恐い顔になってしまったのも室町時代からとのこと。

鬼は人々の生活を脅かす妖怪ですが、悪霊を抑える力強い「善鬼」として「鬼瓦」としても扱われてきましたし、今でも古いお家の屋根には「鬼瓦」が睨んでいる姿も見られることでしょう。

平安時代では、その「鬼瓦」も愛嬌のある顔で家を守っていたようです。

節分の日の「豆まき」の時、いつもお父さんが「鬼」のお面を被っていると知っているのに、泣いてしまう4歳のTくん。平安時代の「愛嬌のある鬼」だったら泣かなくても良かったかもしれませんね。Tくんは今年も泣いてしまったのかな?

排卵期の腰痛

10年以上のホルモン治療を半年前に止めて、漢方と鍼灸の治療に変更されたYさん32歳。

今まで10年以上もホルモンにより生理を起こさせていたことの名残で、少し卵胞期が長くなっています。今周期は特に長引いているようで、本日周期20日目で、まだ排卵しない様子。

そんな中、「腰痛が起こった」と鍼灸治療に来店されました。

よく診てみると、「腰痛」という位置でも痛みでもなく、「仙骨部が下に引っ張られるような重だるさ」がYさんが感じている症状でした。

卵胞期は陰であり、そこから高温期の陽に移るのですが、その途中の排卵期は陰の中に陽が存在する期間です。つまり、卵胞が陰でその陰を動かす力が排卵の陽であるのです。

その陽の力が足りないために、排卵ができずにいる状態となり、胞脈(子宮を巡る脈)が滞り、その表裏にある仙骨部や下腹に痛みや重だるさを生じさせているのがYさんの症状です。

Yさんの場合は、長年のホルモン治療による「腎気」の不足もありますので、「腎気」を強め、「任脈」を通じさせるような治療を行いました。

加えて排卵を促進させるように「陽」を増やすツボにも治療を行いました。

Yさんのように排卵の力不足だけでなく、不妊や生理不順の原因は、先天的なものの異常を除くと、多くは「腎気不足」や「衝任脈の気血不足」によるものです。

そのバランスを整える治療をすれば、月経周期が整い、妊娠することも可能になるのです。あくまでも自然の流れに逆らわず、自分の力を呼び起こすように治療をすることが大切です。スムーズに治っていくためには、無理なホルモン治療を何ヶ月も続けることは避けたいものです。