心落ち着くところ

41歳Yさん。

ご主人も子供が大好きで、早く子供が欲しいな、と思いながら、自然に時が流れるまま過ごされ、気がつくと、40歳が目の前に迫った歳になってしまっていました。

それを機会に、病院での検査をされたのですが、これといった問題点もなく、強いて言えば少しエストロゲンの値が低いことと、ヒューナーテストが少し良い結果でなかったことくらいでした。

人工受精を何回も試したけれども成功せず。いつも医師からは「卵の状態も良いですから、良い結果となるでしょう」と言われるために、いつも妊娠した気になり、しかしいつも生理が来て、がっくりする・・・、の繰り返し。

「やはり体質改善をしなければ」と思った2年前、ネットで検索した東京の漢方薬局へ問い合わせをされ、1年間、そこで処方された煎じ薬を服用していました。

京都にお住まいのYさんでしたが、わざわざ東京まで足を運び、体質の改善を望まれたのです。

そこでは、「お腹が硬いことが不妊の原因だ」と言われ、それを改善するためのお薬を処方されていたそうです。おそらく「お腹」というよりも、「子宮内膜がふかふかとした柔らかいものになる」ような処方だったのでしょう。

しかし、低温期の乱れは改善せず、嬉しい結果も得られないまま1年が経ってしまいました。

だんだんと焦りが出てきた1年前、新たにネットにて不妊治療を行っている漢方薬局を検索し、当店に辿りつかれたのです。

そしてまた新たな周期療法による漢方薬の治療が始まりました。

ただ「早く早く」と思うYさんの気持ちと、漢方薬による「長年に出来上がった体質の改善」が緩やかなスピードであるために、約1年間服用された昨年末にまた焦りが出てきました。

そして有名な婦人科医院の扉を叩かれたのです。

そこでYさんは「卵巣機能不全による不妊症」であると診断されたのでしょうか、「卵巣をしばらく休め、次の周期に良い卵が作れるようにしましょう」と言われ、「ノアルテン」の服用を指示されました。

「ノアルテン」は女性ホルモン薬です。

これは、女性ホルモンの不足やバランスのくずれで起こるいろいろな症状を改善するものですが、Yさんの場合は、少し月経周期は短いものの排卵は行われていて、周期の乱れもないにも関わらず、排卵を止め、いつもの周期では生理を来ないように調整されました。

いつも「自然にしたい」と願っていたYさんにとって、その治療は意に反するものでした。

一度はその治療にかけてみようかとも考えましたが、やはり意に反することはやりたくない、と迷いつつもまた別の婦人科医院の扉を叩きました。

そして、そこでは、Yさんの「なるべく自然のままでやりたい」という意向に沿った治療法で行ってくれること、を説明されました。やっと自分の留まる場所を見つけることができたのです。

これからは漢方薬にて体質改善をしつつ、誘発剤などを使用せずに自力で作った卵胞を採卵し、体外受精を計画されています。

Yさんは自分に合うものに辿りつくまでいろんな扉を叩き、途中で諦めることなく探し続けてこられました。その甲斐あって、ようやく心が落ち着く場所に辿りつき、不安が取り除かれ、新たな気持ちで治療に望むことができるようになったのです。

きっと近いうちにYさんは喜びを手にすることができるでしょう。

もし、今の治療に何か不安や疑問を持っている人は、Yさんのように諦めずに、是非「自分が信用でき安心できるところ」を見つけてください。心が落ち着かなければ良い結果は生まれないものです。