オリモノ

一般に、排卵の前後は「オリモノ」が増えるものです。排卵時には、割合にドロッとしたオリモノになり、排卵が行われたことを確認します。

中医学では、その「オリモノ」を「帯下」と呼びます。帯下の量が増え、色や質、臭いに変化があり、全身症状を伴うものを「帯下病」と捉えます。

帯下の多くの原因は、任脈(お腹の真ん中を縦に通っている経絡)が不固となり、帯脈(腰のラインを横に通っている経絡)の制約が失調することによるものです。

その他の原因として、

「脾虚(脾経の経絡が弱っている)」で運化が失調して内湿が降りる、

「腎虚(腎経の経絡が弱っている)」で任脈と帯脈の制約が失調して陰液が流出する、

「月経後」や「産後」で胞脈(子宮の経絡)が空虚になった時期に、湿濁が侵入して任脈と帯脈を損傷して起こる、

などもあります。

西洋医学的には、「腟炎」「子宮頚管炎」「子宮内膜症」などの疾病でも帯下病が起こります。

その治療としては、西洋医学的には「消炎剤」「抗細菌剤」の服用になりますが、中医学的には「健脾」「補腎」「昇陽」「去痰」を原則として、湿毒が強い場合は、「解毒」、「清熱燥湿」の方法を用います。

もし、「排卵期」でない時でも「オリモノ」が多くある場合は、これらの疾患を疑う必要があります。長い期間「オリモノ」があるからと言って何回も排卵をしているわけではないのです。まずは検診をおススメします。