漢方薬の値段

漢方による不妊治療を1年間、続けて来られた35歳のBさん。

何とか早く子供が欲しいために、高くても続けようと無理をしてお薬を購入されていました。

「どれくらいお薬に費用が掛かるのか」はその方個人個人に寄って異なりますし、「その費用が負担になるか否か」の基準もその方個人個人に寄って異なります。

ただ、言えることは、「妊娠しやすい母体」へ近づくように、無理なく「体質改善」に至るまで治療を続けられることが大切です。続かない治療は、もしかしたらあと少しで「改善」に至ったかもしれない今までの「積み重ね」を放棄してしまうことになりかねません。

「続かないから止めよう」と決断される前に、費用の相談をしてください。「積み重ね」が無駄にならない様に費用を調整し、処方することが可能です。もちろん、初めから「予算」をお知らせいただければ、できるだけそれに合った体質改善のプランを立てます。

是非、「漢方薬は高いから」と敬遠せずに相談してください。

流産の後

妊娠13週目で稽留流産をされた26歳Tさん。

掻爬手術を受けられて、術後順調と言われたようですが、3回目の生理から出血量がかなり多く、血の塊が出て、基礎体温表も二相性にならず排卵もされていない様子で、流産後半年経った今もまだ妊娠しないので、心配されてのお問合せです。

漢方では、月経期の出血量の多さや塊は、「お血(おけつ)」として捉え、子宮内に古い血や汚れたものが溜まっているとみなし、十分な排泄をするように調節します。

掻爬の際、どうしても内膜を傷つけてしまうため、「お血」ができてしまうのは仕方がありません。従って、流産後の掻爬手術をされた後は、漢方ではまずは「お血」処理を行います。

しっかり「お血」の処理をしておかないと、内膜症を起こしたりする可能性も出てきます。

基礎体温表が二相性になっていないのは、卵の育ちが少し不十分であるためでしょう。漢方にて「お血」の処理をして、卵胞期を整え、しっかり卵が育つように体調を整えることをおススメします。

クロミッドとhcgの副作用

不妊暦3年。33歳Nさん。

無排卵のためにクロミッド1錠とhcgのホルモン剤にてタイミング療法の治療を続けておられ、その結果、最近、生理の量が減り、粘液も少なくなってきた様子。クロミッドの反応も悪くなってきたとのことで、hmgの注射も検討されています。

クロミッドの排卵誘発剤を使用すると、子宮内膜が薄くなり、頚管粘液がすくなるという副作用があります。それに加え、生理の量も減少してきます。

また、hmgのホルモン剤をされると、卵巣に対して過剰刺激になってしまいます。卵巣が腫れてきたり、酷くなると、腹水が溜まってきたりします。

現代医学では、無排卵にはホルモン治療が主体になり、その方個人の体質が無視されており、副作用が出てきます。

漢方では、その方の体質に合わせて、月経周期を整えることを第一に考え、お薬を決めていきます。神経質すぎたり、胃腸が虚弱であったり、冷え性がきつかったりと、その方の体調を整えつつ、月経のリズムを整えていくと、ホルモン治療を併用しても、漢方による治療をされる前にホルモン治療を受けられた時よりも良い反応を得ることができます。

是非、何度もホルモン治療をされても良い結果が得られない方は、漢方治療による改善をされてから、また治療を併用されてはいかがでしょうか。

心療内科の薬

29歳のAさんからの問合せ。

5年前から「無月経」。食べたくても食べられない、胃のむかつき、倦怠感。

よく伺ってみると、身長が159cmで39Kg。5年前より何らかの原因により心療内科にお世話になり、お薬を服用し続けておられます。

不安や緊張感を和らげる「抗不安作用」、「鎮静・催眠作用」、「抗痙攣作用」としてよく使用されるお薬に「デパス」があります。

不安感や緊張感が多くあり、気持ちが落ち着かない状態であれば、このお薬の力を借りた方が良いこともあります。

しかし、これを女性が服用し続けることにより、体質が「高プロラクチン血症」に傾いてしまうという事実があり、その結果、「不妊症」を招く結果となってしまいます。

もし、ご結婚前であったり、これから出産の予定がある方は、あまり長く「デパス」を服用することはおススメできません。できるだけお薬に頼らず、自力で立ち直れるように、もっと自然の力を借りるべきです。

このAさんの場合であれば、まずは、食生活の改善を重きにし、美味しく食べられるように胃の力をつけ、食を太くすることで後天の元気をつけるように方向付けをしました。

後天の元気が心の元気を導き出してくれるはずです。

「当帰」の名の由来

「当帰」は血を増し(補血作用)、血を巡らし(活血作用)、体を温める働きが優れているので、漢方にはなくてはならない生薬です。

「冷え性」を治す妙薬のひとつとしても知られています。

その「当帰」の名前の由来はいくつか説があり、

「不妊」で悩んでいたお嫁さんが、セリの根を煎じてせっせと飲んでいたところ、病弱な体も元気になり、子宝にも恵まれ、一時は実家に帰されていたのが当(まさ)に帰るべくして帰ったことから、この植物を「当帰」と呼ぶようになった、という説、

月経不順で「不妊症」のお嫁さんが当帰を用いると、気穴が生き生きし、月経も順調となり、生育もできるようになり、ちょうどそのあたりに夫が帰宅する(当に帰る)と妊娠する可能性が高いという話から、この植物を「当帰」と呼ぶようになった、という説、

など、少しずつ違えども、「当帰」の薬効が女性特有の生理と病理的変化に合致するために、婦人科の要薬として珍重され、「不妊症」を治すお薬には欠かせないことが名前からもわかります。

高温期17日目

漢方服用3周期目、鍼灸治療2周期目。

初めて高温期が13日続いた43歳Kさんは、その後、高温期が17日間続いていました。やはり、妊娠の脈継続中。お薬がなくなったので来店されたのですが、妊娠チェッカーにて確認することをおススメしました。Kさんは、早速帰宅後チェッカーにてチェックをされました。

その結果を次の日に電話にて報告を受けました。

結果は「陽性」!妊娠です!おめでとうございます!

妊娠された方には、安胎のために

* 当帰がたくさん入って補血をしてくれる「婦宝当帰膠」、

* 補気剤の「衛益顆粒」、

* 補腎剤の「双料参茸丸」

を服用していただいています。

これからしっかり10ヶ月間、元気な赤ちゃんをお腹の中で育てていただけるように私達もサポートしていきます。早く元気な赤ちゃんの顔を見たいですね。

水イボ

今月より幼稚園では、プールが始まっています。

プールなどで感染してしまうのが、「水イボ」。一度うつると、知らないうちに引っかいたりして、その汁が飛び、違うところにまた出来てしまいます。これを防ぐには、爪をよく切っておくことが重要です。

幼稚園では、他の園児に移さないように水イボが出来ている子供は、プールが始まるまでの時期に、皮膚科に行って、取ってくるように言われます。通常は、皮膚科に行くと、ピンセットで水イボをつまんで取られます。

ただ、この行為はピンセットで皮膚をつねられるのと同じですから、とても痛いものです。皮膚科に寄っては、絆創膏タイプの麻酔テープを治療の1時間前に、ピンセットでつまむ水イボに貼ってくるよう言われます。これですと、テープを貼った部分は麻酔が聞いているのでそのままするよりも痛くないですが、やはり痛い様子。

これが、その麻酔テープを貼ったところは、「お灸」だとそれほど熱く感じないようです。親玉の水イボにお灸をすると、汁が飛び散ったりして他に移ることもなく、完治します。麻酔テープがあれば、是非お試しください。

ただこれは漢方にて治すにはプールまで時間がない場合で、通常は、ヨクイニンなどで内から治していきます。

自力で排卵

この春より漢方治療に加えて鍼灸治療をされている35歳のMさん。漢方はMさんに合わせた煎じ薬を服用されています。

20代の頃よりお薬なしでは、生理が来ません。要するに「無排卵」です。

無理にお薬で生理を起こさせて、内膜を綺麗にし、何とか自分で卵を作れるように調整をするのですが、卵ができるのも年に2、3回だけ。今年に入って1回も排卵せず、従って、自分で高温期も作れない状態が続いていました。

鍼灸治療を加えて3週期目。

そろそろ病院に行って、また高温期のお薬をもらいに行こうとしていた矢先、体温が高温に!

「あれ?いつ排卵したのかな?」

今回も排卵しないものだと諦めていて、排卵に気づかず、高温期になってしまいましたので、今回はタイミングは合わせられませんでした。

しかし、今年になって初めて自力で卵を作り、排卵し、高温期ができたので、徐々に体質が改善してきていると言えるでしょう。

この調子で、来週期も自分で卵を作ってほしいものです。

男性が7割

「不妊」というと、原因は女性にあるものと思われがちです。確かに「子宮後屈」「子宮後傾」「子宮内膜症」「卵管閉塞」などは、女性に原因があります。

しかし実際には、女性には西洋医学的には何も問題ない場合、男性の方に問題があることが、現代の「不妊」の原因の7割を占めていると言われています。

男性の場合は、現代人の多くは「腎陽虚(じんようきょ)」が強く出ています。「腰痛持ち」、「色白」、「冷え性」で、「精子の数が足りない」タイプです。

そういった「数には問題がない」場合は、「肝陽虚(かんようきょ)」であることが多くあります。これは、「ビールをよく飲む」、「油っこいものをよく食べる」、「野菜不足」であるタイプです。

どちらにせよ、隠れた「冷え」を取り、血の循環を良くするように、「漢方」や「鍼灸」では治療をします。

決して女性ばかりに原因があるわけではないことを、理解してください。その上で、夫婦揃って「不妊治療」に取り組み、協力しあうことが大切です。

初めて高温期が・・・

漢方を服用されてから3週期目の高温期を迎えたKさん。ちょうど1ヶ月前からは鍼灸治療による改善も併せてされています。

本日、高温期13日目。ちょうどお薬がなくなってしまったので、来店。

もし、今週末にお薬がなくなる予定であり、今週末に高温期が続いているようであれば、もしかして妊娠の可能性があると期待できたのですが、本日は13日目であるため、判断しかねました。

確かに滑脈は出ているのですが、これは妊娠時に限らず、排卵期から生理前まで出る脈ですので、今の時点でははっきりと判断できません。今週いっぱい様子を見ていただくことになりました。

ただ、Kさんは、今まで高温期は10日間しかなかったそうです。それが今周期に入り、13日目まで続いていることは初めてだと言われました。

本来は、高温期は14日程あるべきであり、Kさんが今まで10日間しかなかったということは問題であったのです。漢方治療を始めて3週期目で、高温期の改善が見られました。

また、Kさんは「気持ち」に大きく左右されるタイプ。このような方は、イライラしたり、眠りが浅くなったり、その結果、肩や頚のこりが酷くなりがちです。

その部分は、お薬相談の際の「カウンセリング」と1ヶ月前より始めた「鍼灸治療」により、かなりの改善が見られます。

気持ちがゆったりするようになった結果、高温期も改善し、Kさんの体は「妊娠しやすい母体」へと一歩近づいたと言えます。今周期が駄目でも次周期は「また一歩」近づくことでしょう。