マラソンのための漢方

先日行われた「東京国際女子マラソン」に、当店のお客様Kさんが参加されました。

Kさんは子供さんもいる50歳のお母さんですが、見た目は40歳代で若々しく、さすがスポーツをやっている人は違うなあと思っていました。

Kさんは坐骨神経痛との診断を受け、腰や下肢が痛むのですが、このマラソンには出たいという目標をもっておられて、漢方で少しでも緩和できないかと8月に相談に来られました。

そこで痛みを緩和し、筋肉の緊張を緩和するため<疎経活血湯>や<芍薬甘草附子湯>などをお使いいただきました。そしてマラソン当日もスタート前に服薬して臨まれ、結果大きなトラブルも無く完走されました。この痛みは練習を重ねた結果の筋肉疲労によるものと思われますので、しばらく休養されると回復するものと思います。

昨日Kさんから「夏の初めに寄せてもらったときは、もうどうなることやら状態で真っ青でしたが、いろいろとお話させてもらったり、漢方を処方していただいたり、心がやすらぎました。」とのお礼のメールをいただき、自分のことのように嬉しい気持ちになりました。

繰り返す腰痛

61歳のKさんは以前から慢性腰痛があり、7月下旬にはギックリ腰を起こされ、相談に来られました。

まずはギックリ腰や神経痛に使う<疎経活血湯>をお使いいただき、2週間程度で楽になったのですが、まだ股関節に痛みがあるので継続いただきました。

その後旅行に行くことがあり、心配しながら行かれたのですが、幸いにも途中で痛くなることも無く、元気に帰ってきたとお電話をいただきました。この薬がぴったり合ったようで、これからも継続してしっかり治したいとのことでした。

この<疎経活血湯>は、特に坐骨神経痛や股関節痛に使っていただき喜ばれます。漢方でも痛みの疾患には適するものもたくさんあり、体質や症状で異なりますので、ご相談ください。

腰椎すべり症

腹痛を伴う便秘で相談を受けてすっかり改善したKさん、今度は腰椎すべり症と坐骨神経痛があり、腰を曲げたときに痛みが出るとの相談を受けました。当然整形外科で週1回の注射を受けておられ、シップ薬を貼ったりしておられましたが、それもあまり芳しくないとのことでした。

そこで、漢方薬は<独活寄生湯>だけを使ってみることにしました。3ヶ月ほど経過した頃、腰の痛みはほとんどなくなり、注射もシップも不要にまで改善しました。Kさんは先に<桃核承気湯>をお使いいただいていたので、多くの種類の漢方薬は使えず独活寄生湯だけでしたが、ピッタリ合ったようでした。

腰椎すべり症は完治しないといわれますが、治らなくも痛みがとれて生活が楽になる、QOLを高めることができるのは漢方薬の特徴でもあります。

背中のこわばり・痛み

肩や首のこりについて先日事例を書きましたが、さらにひどくなると背中がこわばり、腕がしびれたり、痛みが生じる時もあります。

原因の多くはストレスによって筋肉の緊張状態が生じていると思われます。特に中年の女性に多く見られるようです。

57歳の女性Hさん、3年前からご家庭の関係でストレスが多く、その頃から、頭がしびれる、背中がこわばる、肩や首がつまる、胃の上部がつまる感じ、わき腹が痛むなど、様々な症状が出現しました。当然、病院に行ってCTやMRIなど、あらゆる検査を受けられたのですが全く異常は無く、精神的なものであろうと<デパス>を処方されました。その後、服用していたものの症状は完治しないので、漢方相談にこられました。

このような症状はすべてストレスによる<気滞>によって生じていると考えられ、漢方薬は、気のめぐりを改善し、血流をよくし、緊張を緩和する、疎肝作用の<加味逍遥散> や 平肝作用の<釣藤散>をお使いいただきました。このほか<葛根湯>なども使うケースがあります。

2週間ほどで少し変化が感じられるものと思われます。