慢性的なむくみ

2年前からお越しのKさん、顔や脚のむくみが酷く、時には膀胱炎のような症状もありました。最初のころは利尿効果の<猪苓湯>などを使っていただいたのですが、あまり改善しないので<麻黄剤>に変えたところ顔のむくみが楽になりました。

その後保険が使える漢方薬を求めて病院に行かれたのですが、<五苓散>や<防己黄耆湯>などをもらわれてもむくみは改善せず、再びお越しいただきました。

睡眠状態を聞いてみますと、夢を見ない日がない、それもはっきりと見えるというので、今回は清熱化痰作用の<温胆湯>を使っていただきました。
このような水分代謝が悪く、且つ夢をよくみる方のファーストチョイスとして<温胆湯>をよく使います。Kさんはこれでむくみも睡眠も楽になったとご報告いただきました。

水分を摂りすぎです!

最近は1日に2リットルの水分を摂るのが普通と考えておられる方が多いようです。そのために起こる症状は、

胃腸が弱くなり慢性的な下痢 

むくみやすくなる 

花粉症の症状が悪化し、鼻水が増える 

女性では冷え症の原因となる 

めまいやフラフラする

など、様々です。

必要な水分量は個人差があり、スポーツをやる方は多く必要ですし、身体を動かさない方は少なくて良いし、高齢者の方は睡眠前に1杯のむなど、必要に応じて飲むべきと考えます。

漢方では、その方に必要な水分量は<舌診>などによって明らかになりますので、ご相談のときに水分量を調整していただくように話し、それだけでもかなり改善するものが見られます。

世間一般的には過多傾向ですので、もう一度見直してみてください。

水分の取り過ぎ

「1日に2Lの水分をとって下さい」、という話をテレビや医師から聞いて実行している方は以外に多いです。

しかし、人によって必要な水分量があるので、一律に2Lというのは問題があると考えます。夏は発汗するので多くとりますが、冬は少なくて良いのは自然の道理です。

漢方では水が身体に滞っていることを『水滞』とか『水湿困脾』とか言い、どこに溜まったかによって対応も変わります。

23歳女性、冷え症と脚の浮腫が悩みで相談にこられました。まずは水の量を聞くと、やはり2Lを飲んでいるとのこと。整体の先生から言われているということで、水を減量するよう説明してもなかなか信じてもらえませんでした。

70歳男性、暑い仕事を長年されていて水も多く飲む習慣ができていました。そのためか、鼻水やくしゃみが多く、ひどいときだけ<小青竜湯>をつかっておられました。また糖尿病もあり、眼の検査を受けたところ、白内障以外に、眼底に白い斑点があるのが見つかりました。さらに再検査により、眼底の腫れ物と水滴?が付いているという診断を受けました。そういえば少し前から涙が出るのがひどくなって来ていました。

これらはまさに水が身体からあふれている状態です。出る部位は異なりますが、水分の改善でよくなる症状は多々あります。もう一度見直してみて下さい。

梅雨時期の漢方 6

大雨かと思えばまた猛暑、全く不順な天候に身体もついていかない今週でした。

そのため今日も同じような問合せが続き「足がむくんで、夕方になると重くなって

身体がしんどい、今の薬が合わないのでは?」ということでした。

その他には、頭帽感で頭が重い、鼻が詰まる、顔が腫れるなどの問合せもあります。

すべてこの時期の『湿気』が原因で、7月中旬になれば解決すると回答していますが、あまりひどい方には<五苓散>を使っていただきました。暑くなって水分の取りすぎになっているのも一因ですので、生活上での注意は、《クーラーで冷やさないこと》《夜間に水分を取りすぎないこと》 をしっかり守るとさらに改善します。

梅雨時期の漢方 3

このところ足がむくむように感じませんか? 靴下の跡が気になりませんか? まぶたの腫れが気になりませんか?

梅雨時期は外部湿気の増加によって体内の湿が外に出にくくなります。それに加えてクーラーが入り始め、身体は冷やされ、発汗しにくく、さらに血液の流れが悪くなります。しっかり動いて発汗すればいいのですが、勤めの方はままならず。

ひどい場合には漢方薬で身体を温め、血流を良くし、代謝を高め、むくみを取るなどの方法を用います。