外国人のご相談もあります

当店は交通の便も良いせいか、外国人がよく来られます。

昨日は中国人の男性が、日本に在住する娘さんとともに来られました。この方、日本に来て少し滞在されているのですが、最近身体が熱く感じ、耳鳴りがして、イライラし、不眠が続くとのことでした。そして中国の牛黄解毒丸のようなものが欲しいが、中国語で症状を説明したいとのことでした。

残念ながらカタコトの中国語では聞いても理解できないので、しかたなく娘さんに翻訳してもらいながらの問診の結果、陽気が増してきて身体に熱がこもり、これらの症状を引き起こしているようでしたので、<牛黄製剤>と<黄連解毒湯>などをお使いいただきました。

外国語での相談は、正確に症状を把握するのが難しいものですが、舌診や望診などでも判断ができるのは漢方の長所かもしれません。この方、その後良く成ってきたか心配です。

腰椎すべり症

腹痛を伴う便秘で相談を受けてすっかり改善したKさん、今度は腰椎すべり症と坐骨神経痛があり、腰を曲げたときに痛みが出るとの相談を受けました。当然整形外科で週1回の注射を受けておられ、シップ薬を貼ったりしておられましたが、それもあまり芳しくないとのことでした。

そこで、漢方薬は<独活寄生湯>だけを使ってみることにしました。3ヶ月ほど経過した頃、腰の痛みはほとんどなくなり、注射もシップも不要にまで改善しました。Kさんは先に<桃核承気湯>をお使いいただいていたので、多くの種類の漢方薬は使えず独活寄生湯だけでしたが、ピッタリ合ったようでした。

腰椎すべり症は完治しないといわれますが、治らなくも痛みがとれて生活が楽になる、QOLを高めることができるのは漢方薬の特徴でもあります。

爪が自然にはがれる?

爪甲の裏側が自然と剥離し、白くなって空洞ができるという症状があります。爪甲剥離症といわれ、化学薬品説やカンジタ菌説などあるようですが、正確な原因は不明とも言われます。

外傷や薬品などの原因が明らかな場合を除き、漢方ではこの原因を主に<肝血虚・営血虚損>などと捉えます。つまり血液が爪の下の細胞まで充分に補われず、乾燥してはがれていくという捉え方です。

65歳のTさんは、鼻炎や後鼻漏で相談に来られましたが、あわせて爪もよく剥離しやすく気になるとのことでした。またストレスを感じやすく、いわゆる<気の流れ>も改善したいとのことでした。

そこで後鼻漏の薬にあわせて、理気活血薬を長期に渡ってお使いいただきましたところ、以前のようにひどい剥離はなくなりました。少し剥離し始めると補血作用の<四物湯>や疎肝理気活血作用の<加味逍遥散>を増やして使い、調子の良いときは鼻炎の薬を使うというようにしています。

陰陽五行説では爪は肝の精気の色沢を現すところとされていて、爪と肝臓とストレスが関連していると考えますが、まさにこのとおりなのです。

四川大地震・お見舞い申しあげます

まずは大地震でたくさんの方が亡くなられましたこと、心よりご冥福をお祈りいたします。あわせて被害にあわれた方々の生活が少しでも早く復帰することを願っています。

当店では日頃から中国に係わりのある漢方薬を取り扱い、また中国人の知人もたくさんおられますので、今回の災害は他国の事とは思えません。中国の少し奥地にも行きましたが、どこに行く時も狭い山道を走りぬけて次の町にでるというケースが多く、これらの道が一旦崩れてしまうと、救援も大変なことと想像されます。

成都には<冠元顆粒>を作っている工場があり、1昨年11月に工場見学に行きました。ここの設備には大きな損害はないとのことでしたが、そこで働いている方々には被害が及んでいると聞きます。

また、この時は四川大学・附属華西病院にも研修で訪れましたが(写真)、現在そこに日本の医療チームが入って、救急外来、集中治療室(ICU)、人工透析などの救援活動が行なわれていると聞きます。この成都でいちばん大きな華西病院も、被災者が多く、ごった返していることと思われます。

今朝のテレビでも、成都の病院だけでは対応しきれなくなり、上海などに移送が始まったとか、親が亡くなって孤児となった子供たちなどを報道していました。援助してあげたいと思っても個人では募金しかできませんが、日本として長期的な援助を期待するしかありません。

日本に住まわれて、日頃教わっている中国人の先生方も、今回の地震に対する日本の取り組みや募金活動に対し、心より感謝をされています。当然私共も、様々な機会を通じてできるだけ協力しようと取り組んでいます。

今回の地震は悲しいことですが、これをきっかけに日本と中国の国民が、より友好関係を結び、より親しみをもてるようになることを期待しています。

長期間続くめまい

めまいの症例はたくさん書いてきましたが、いずれも引き金になったことや原因を探ることで、改善の方向が見えてきます。

37歳の男性Tさん、昨年8月以来8ヶ月間、朝起きて動き出すとフワフワし、足がよろける感じが毎日のように続いていました。もちろん、脳検査や耳鼻科での検査などすべて受けてきましたが特に異常は認められず、漢方薬での改善を訪ねてこられました。

そこでまず発症した時のことやきっかけを訪ねましたが、特に何も変わったことなく突然に生じたとのことでした。体質判断や、頭冒感、動いて悪くなるなどから水毒によるめまいと考え、<沢瀉湯>などをお使いいただきました。

2週間後、ふらつきの回数は軽減し、頭が重い感じもなくなりました。そこで改めて発症時期の話をお聞きしたところ、健康のために毎日歩き始めたので、アイスコーヒーを毎日たくさん飲んでいたことを思い出したとのことでした。やはりここに原因があったようです。まだ寛解まではいきませんが、改善の方針が決まり安心されていました。

相談の中で原因を早く捉えることの必要性を痛感しました。

海精宝はおいしいか?

昨日に続き、もう一つの新製品を試食してみました。

この健康食品『海精宝』は、中国で有名な漢方薬<聚精丸>や<五子衍宗丸>、<魚鰾五子丸>に加減を重ね、海の人参といわれる魚鰾を中心に、枸杞子、沙苑子、酒黄精、マカの5種類の生薬が配合された健康食品です。中国では、聚精丸や五子衍宗丸は、強壮効果に優れ、不妊治療に用いられています。

また魚鰾はニベ科の魚の浮き袋を炒ったもので、中国では食材としてよく用いられています。成分はコラーゲンやムコ多糖類、ビタミン 、亜鉛、セリン、鉄分などが豊富に含まれ、昔から海の人参『海洋人参』として知られています。私も先日天津での男科研修に行った時にも食べてきました。キクラゲのようで、さっぱりしていて美味しかったです。おかげさまで、元気になりました!

漢方薬用ソープは気持ちいい!

様々な新製品が発売されますが、当店で取り扱うものはすべて先ずは自分達で使ってみることにしています。

今回発売されたのは『漢方薬用ソープ』という、主に皮膚病や肌荒れなどの方に最適のソープです。成分は低刺激性植物由来せっけんに、人参、当帰、紫根、苦参、地楡などの生薬成分が配合されていますので、肌荒れを防ぎ、潤いを保ちながら、汚れをやさしく洗い流します。

泡たてして使いますので、少量で顔や身体にも使えます。スタッフで早速試してみると、手を洗った後がツルツル! スッキリ! 爽やか! で、みんな手を握りあっていました。

寒冷蕁麻疹の相談

気候が暖かくなり、多汗の相談が増えてきました。しかしこの時期でも、風邪に当たったり、冷えると蕁麻疹が出るという<寒冷蕁麻疹>のご相談がありました。

大学生の男性Aさんは中学生の頃から蕁麻疹を発症、寒い時期に手や顔などの露出部分が痒くなるという状況でした。当然、冷えが慢性的にあり、お風呂を出た後もすぐに冷えて発症するようです。

医院では抗アレルギー薬をもらわれていたのですが、長い間飲んでいても治らないのでもうやめて、漢方薬で根本治療をしたいとのことです。

そこで、体質もあわせて判断し、温腎補陽利水作用の<真武湯>をお使いいただきました。女性で冷え症・貧血傾向があるような方には<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>を使うこともありますが、いずれにしても身体の中からしっかり温めることで改善でき、根本治療になるのも漢方の特徴です。

天津に来ています おまけ編

中国の料理は脂濃いと思われがちですが、店によってずいぶん異なり、食も中国の楽しみのひとつです。

天津の3大名物というと <狗不理包子:パオズ > <十八街麻花:マーファー> <耳朶眼炸炸羔:ジャーガオ>の3つと言われますが、それ以外にも種類は多くあります。狗不理包子はこれです。

また、他店で見た餃子の皮のようなものを丸めて蒸したもの(名前は不明)も美味しかったですね。

ビールも最近は冷やしたものが出てきます。   

天津に来ています 3

天津曹開鏞中医男科医院に研修に行きました。

この病院は男性トラブル専門の医院で、男性不妊症、性機能障害、前立腺トラブル、などを中医学で治療している、中国で最も有名な医院です。中国各地から飛行機で相談に来ています。日本では男性の相談は内科や泌尿器科ですが、なかなか診察を受けにくいもの。こんな専門の先生がいると安心だと思います。

入り口には<すべての男性に元気を届け、それぞれの家庭をもっと幸せに>のスローガンが掲げられています。

研修のあと、記念の書物や、曹開鏞先生の製薬工場で作っている漢方薬をいただきました。あとで知ったことですが、中国では有名な男性用漢方薬のようです。写真は曹開鏞先生