風邪の季節

風邪の方がふえてきました。この時期のなると新型インフルエンザや鳥インフルエンザ、タミフルなどの話題が増えてきます。

また、海外の話題ですが、米食品医薬品局(FDA)の小児医療に関する諮問委員会が、医師の処方なしに買える風邪薬やせき止め薬は、子どもへの効果が確認されていないとして、6歳未満の子どもに使うべきではないとFDAに勧告したとのことです。

感染症も増えると、薬も増えて、副作用も増えると言うのは避けられないことなのです。

そこで、漢方の出番で、特に子供に対しては予防薬としての使い方や、抵抗力を高めるという使い方などを基本としています。昨年のインフルエンザのとき、漢方薬の<麻黄湯>と西洋薬を使い比べてみたところ、漢方薬のほうが早く解熱し、回復も早かったとの報告もありました。

まずは風邪にかからないようにすることですね!

長期のニキビ

ニキビの相談は大変多く、対応する漢方薬もたくさんある疾患です。ピッタリ適合するとすぐに効果が見られますし、合わない場合は1ヶ月使われても全く改善しないケースもあります。簡単なようで難しい疾患です。

32歳の女性Kさん、思春期からニキビが続き、白ニキビや化膿性のものなど大きいのもあり、ケミカルピーリングも受けられたのですが改善せず、ご相談に来られました。

そこで、便秘があり、赤みが強く、化膿もあるので、清熱通便の<清営顆粒>や、排膿のために<排膿散及湯>などをお使いいただきましたが、1ヶ月使ってもほとんど改善せず、再度検討しなおすことになりました。

顔に熱を持ち、便秘も強いようでしたので今度は<清営顆粒>と<十味敗毒湯>などをお使いいただきました。

その後1週程度で便秘も改善し、顔の熱感がとれ、化膿が治まり、今までにない良い状態になってきました。その後も漢方薬を継続され、ますます良くなっています。

お薬が合うときは、ほぼ即効性で目に見えることを実感しました。

いらいら病

このような名前は正式な病名ではありませんが、なにかにつけてイライラするという方があります。子供の場合は<抑肝散>を、女性の場合は血の道症の<加味逍遥散>がよく使われます。

56歳の男性Sさん、ご自分で漢方薬を調べて<抑肝散>を使われ始めたのが1年以上前のことです。その後、仕事の状況により、イライラが強いときは連続してお使いになり、すこし安定している時はお休みをして、上手に使ってこられました。この薬は子供の疳の虫やひきつけによく用いられるものですが、大人でもよく効くものです。

どんな薬でも自分に合った漢方薬は、気分の支えにもなるものです。

今日は時代祭でした

京都の三大祭りの最後を飾る<時代祭り>が行われました。この祭りは明治28年以来続いており、今年は103回目。澄み切った青空の下、色鮮やかな衣装をまとった2000人の行列は2時間に及びました。

 先頭は輝く女性が

京都府知事も・・

明治維新のころ

  新たに室町時代列が加わり

豪華な衣装に包まれて

70人の列に

洛中風俗列も

平安時代の紫式部も

いつの時代か牛車も列に

間隔を広くとって行列が進みますので、じっくりと見られました。

蕁麻疹が短期に改善!

蕁麻疹は、短期間で改善するものから長期間改善しないものまで様々です。

30歳の女性Aさん、2年前に発症し、身体が温まったときやお風呂に入ると蕁麻疹が出るため、病院で抗アレルギー剤をもらっておられましたが、完全には治らないので漢方相談に来られました。

冷え症はなく、普段から温かいとのこと、夏に出やすく冬は少ない、食べ物には影響しないなどが特徴でした。ほとんどの方が、相談に来られたときには蕁麻疹が出ていないため、状態は正確につかめませんが、漢方的には<血熱>と考え、<温清飲>をお使いいただきました。

それから2週間後、蕁麻疹の出る回数も、状態も少なくなり良かったのですが、これは気温が下がったためか、薬が効いてきたのか明らかになりませんが、いずれにしても早い時期に改善して良かったと喜んでいただきました。

体質的原因が正確につかめれば、短期間で改善することはよくあります。

秋の花粉症

最近急に鼻水や鼻詰まりの方がこられるようになり、秋の花粉症が始まっていることを伺わせます。春のように強い症状はないようですが、それでも気になるものです。

いつも来られているYさん、鼻づまりの声で「花粉が飛んでるみたい」とお越しになりました。春の花粉症のときに買われた、衛気を高める<衛益顆粒>が残っていたので、それを使い症状は治まったのですが、なくなると症状が気になりだしたといって、買っていかれました。

この時期の花粉は、イネ科、ブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラの花粉が飛散しているとのこと、鼻風邪とよく似た症状ですのでお間違えのないように・・・。

音楽を楽しむ漢方?

音楽を学ぶ方や、好きでバンドを組んでいる方、そして音楽家も、声がかすれたとか、声がつぶれたと言って漢方相談に来られます。

20代の青年、少し前に大きな声を出したあと声がかすれ、咽に痰がへばりついてとれず、苦しくなったと相談に来られました。このような相談はよくあり、いつもどおり<麦門冬湯>と<響声破笛丸>をお使いいただきました。

<麦門冬湯>は咽の乾燥やかすれ声に適し、<響声破笛丸>は歌などで声がつぶれた時に用いる漢方薬として昔から使われます。

この青年も3日分持っていかれましたが、きっとそれまでに良くなると思います。

子供が風邪を引きやすい

この時期になると『毎年子供がよく風邪をひき、ずっと鼻水を出して大変なんです』という相談があります。ほとんどが、痩せ型、食が細い、水やジュースをよく飲む、寒がりのタイプの子供さんです。

そして、子供の風邪予防には、おなかを強め、風邪をひかない身体を作ることが肝心です。そこでよく使うのが補気固表作用の<黄耆建中湯>といい、子供のための漢方薬といっても過言ではありません。長期間服用しても安心で、この時期お勧めの漢方薬のひとつです。

但し体質によって異なる場合がありますので、ご相談ください。

子供のうつ病

今日の新聞に、北海道の小学校4年~中学1年の生徒を対象に、北大の医師らがうつ病調査を行った結果、4,2%の子供に見られたとの報告が載っていました。

大らかな地域である北海道ですらこの率ですので、東京など競争の激しい地域ではさらに高いのでは?と思われます。

当店にも子供の精神的なトラブルの相談はたくさんあります。神経性の下痢、腹痛、イライラ、不眠などです。漢方では西洋薬のような強い作用はありませんので、子供には安心してお使いいただけます。

よく使う漢方薬は、不安感や不眠のある人に安神作用の<桂枝加竜骨牡蠣湯>を使ったり、イライラが強い場合には<抑肝散>を使います。
また、胃腸の働きを良くするものや、ハーブティで気軽に使える<エゾウコギ含有健康食品>も好評です。これからますます子供に漢方が使われるものと思います。

ストレスが皮膚に及ぶ

ストレスは様々な症状を生みます。

23歳の女性、全身の痒みがひどく夜も寝られないので困っておられました。最初は代理の方が聞きにこられたのですが、本人を見ないと判断できないので、とりあえず<漢方薬U>をお使いいただきました。

その後本人がこられ、何度か話しているうちに様々なストレスがあることがわかり、さらに体重も少なく、<血虚>の体質でもありました。

そこで皮膚の痒みや乾燥を改善する<温清飲>や<当帰飲子>、血虚を改善する<婦宝当帰膠>などを使っていただき、4ヶ月ですっかり痒みは無くなり、お肌の乾燥も改善し、さらにうれしいことには、表情が明るくなったことです。

最初にお越しいただいたときは「いやいや来た」といわんばかりの険しい表情だったのが、いろいろな話をしている間に変化し、やさしくてかわいい女性になっておられました。この方の皮膚トラブルは、漢方薬以上に<精神状態>が効を奏したのかもしれません。とてもうれしい症例でした。