男性の吹出物

額やあごに吹き出物がよくできる方があります。

女性の場合はホルモンバランスとの関連がありますが、男性は胃腸機能の低下が関連することが多いようです。

今日お越しになった男性、台湾に行ったときに漢方相談し薬を作ってもらってきたが、切れたので同じようなのがほしいとのことでした。残りの少量のエキス剤をなめると木香や縮砂のような香りがしたので、胃腸薬と見て話したところ、台湾でも<胃気低下>が原因で生じている吹き出物と言われたとのことでした。

そこで当店では健脾薬の<香砂六君子湯>をお使いいただきました。なお、赤みが強いにきびの場合は、<黄連解毒湯>を使うこともあります。

やはり体質によって薬は変わります。

いろいろな高血圧 3

三人目の方は通りすがりの50代の男性。

顔色はやせて肌色は黒く、唇も紫色で、明らかに<お血>タイプ、すなわち血流不良の体質と判断しました。この方は夕方から夜にかけて血圧が上がる、また肩こりもひどいとのことでしたので<冠元顆粒>をお使いいただきました。

血流が悪くて肩こりや頭痛があり、血圧が高い方にはお勧めの薬です。

いろいろな高血圧 2

昨日に続き二人目の方は40歳の会社員の男性、

見た目は高血圧と思われないスタイルの方で、緊張しやすくのぼせやすい体質。血圧は上が140/下が90程度なので、薬でなくお茶のようなものがほしいとのことでした。

そこで、昔からよく使われ、最近もブームになった<杜仲茶>をお使いいただきました。葉っぱでなく、杜仲の木の皮の部分には成分が多く含まれ、漢方では<補肝腎><強腰膝>といって、下半身の力を強め、身体をしっかりさせる効果があるとされています。のぼせや疲れやすい方には適するお茶として使います。

いろいろな高血圧 1

今日は不思議なことに高血圧の相談の方が連続しました。それも全く異なるタイプの方でしたので紹介します。

62歳の男性Mさん、3年以上お越しいただいている方で、昔より血圧は高め、血糖値も少し高めで漢方薬をご利用いただいていました。

この方は毎日1時間以上歩いて、健康には気をつけておられるのですが、最近は少し体重がふえたためか血圧が150を超えるときが多くなってきました。様々な漢方薬を使ってきましたが、体重には勝てない?ようでしたので、今回はダイエットも兼ねて<扁せき>をお使いいただきました。

この薬は<九味半夏湯>という処方で、体内の水分代謝を良くしてダイエット効果をあげるものです。ダイエットにはこのほか<防風通聖散>もよく使われますが、いずれも高血圧に使える処方です。

ふたたび蕁麻疹の話

今まで何回か蕁麻疹に関して書きましたが、今日は2人の方からうれしい報告をいただきました。

一人は72歳の男性Tさん、昨年5月に蕁麻疹を発症し、その後病院で治療されていましたが完全に消えることなく、今年の初めに相談に来られました。

体質は、血圧が高く、暑がり、脂肪肝があるという<湿熱>タイプでした。そこで清熱利湿の<茵陳蒿湯>と、清熱解毒の<黄連解毒湯>などの漢方薬を使っていただきました。

その後、5日間を過ぎた頃から蕁麻疹は消え、新たには出なくなりました。身体の中から余分な熱を取った結果改善したようです。

二人目は55歳の男性Tさん、昨年から時々蕁麻疹で相談に来られていたのですが、肝機能が高く、また年末にお酒も飲むことが多くなるので、田七人参含有健康食品を使っていただきました。

その後は蕁麻疹が出なくなり、調子が良いとの事。結局肝臓の解毒作用の低下が原因だったのではと思われます。

使う漢方は異なりますが、同じ症状の方が同じ時期に良くなったので参考に紹介します。

健康番組に惑わされない生活

先日、『発掘!あるある大辞典II』で納豆ダイエットが放映され、店頭から納豆がなくなった話をブログに書きました。

そして、予測されたとおり、放送内容に捏造があったとか! また、放送前に内容が流通サイドに流れているという噂があったとのこと。つまり大手スーパーがTVの放映前に、該当商品を大量に買い占めているという話も出ています。

それはともかく、健康番組にはこのような話が常に伴っています。つまり、メーカー等に先に情報を提供しておき、一気に販売することで大きな利益を上げるというものです。

短期間で効果が出るような健康法を誰もが望むのは当然ですが、中国のダイエット茶などで事故があったように、簡単に効果が上がるところには何らかの問題があるのです。

マスコミに振り回されない健康志向でありたいものです。

虫刺されによる炎症

虫指されによって生じる疾患に、小児ストロフルスがあります。

これは虫に刺された部位に過敏反応が生じ、痒みや丘疹が生じるもので、アレルギー体質の子どもに多くみられます。ただし小児に限らず、大きくなっても皮膚が弱い方、漢方でいう表虚の方に同様の症状がでることがあります。

高校1年のTくん、指に小さな傷をした頃から赤く腫れ、熱を持つようになりました。病院では感染症ということで抗生物質をもらいましたが効果なく、相談にこられました。

真っ赤に腫れあがって、指も曲げにくい状態でしたので、とにかく腫れをとることを考え、<十味敗毒湯>と、金銀花含有健康食品を使っていただきました。

1週間で腫れはかなり引き、赤みがまだ残っていましたが、しばらく続けてもらうことにしました。

アレルギー体質があり、皮膚が弱いTくんの場合は、根本治療としては表虚に対応する<桂枝加黄蓍湯>などが適する体質と思われますが、まずは腫れを引くには<漢方薬G>のような清熱利湿作用のものが必要と考えています。

次の1週間後が楽しみです。

子供の腹痛

子供の腹痛や嘔吐の相談は時々あります。

大人の場合は潰瘍や大病の心配がありますので、漢方薬を飲む前に病院で検査を受けられたか確認し、漢方薬を使っていただきます。子供の場合はまずは<疎肝剤>などをお使いいただきます。

8歳のKくん、よく腹痛を訴えるとのことで相談にこられました。牛乳や水分を多く摂っていて、車酔いもすとのことで、これは明らかにおなかが冷えているために起こる腹痛と考え、健脾薬の<小建中湯>や、利水薬の<五苓散>を使っていただきました。

小建中湯はおなかを温め、丈夫にする薬で、味は甘く子供でも湯に溶いて飲めるものです。また、五苓散は口の渇きをとり、水分をさばく薬です。この2種類をお使いいただいて3日で痛みはなくなりました。

以前からですが、子供の要求のままに冷たい牛乳をたくさん飲ませている親が多いことに驚きます。それも寝る前とか、冬の時期など身体が冷える時にも同じように飲むのは問題があります。

牛乳に限らず、冷たい飲み物は習慣的に避けたいものです。

身体が後ろに引かれる

様々な内容の相談をお受けしますが、西洋医学的に病名がつけられなし変わった症状が時々あります。

66歳女性Iさん、朝起きたときに頭がカーッとしてフラフラする、立っていると身体全体が後ろに引かれるようでゾーッとする、頭から水をかぶったようで気持ち悪くなる、というものです。自律神経失調のようですが、このような独特の表現が聞かれることがときどきあります。

このときよく使うのが清熱化痰・安神作用の<温胆湯>です。この薬は清熱作用と安神作用があり、気分を安定させてくれます。過去に70歳くらいの男性で、背中を電気が走るといって来られた方にも<温胆湯>をお使いいただきました。日本漢方では<奔豚病>といって『気が身体の中を突き抜けるような症状』もあります。

病名のつけようの無い不思議な症状は漢方の出番です。

尿が出にくい

高齢者の排尿異常は様々で、尿が漏れる場合と、尿が出にくい場合があります。前立腺肥大の場合を除き、その他はいずれも腎気の低下による膀胱括約筋などのコントロール力の低下に関連します。

82歳の女性Tさん、昨年に尿が出にくくなり、病院で利尿剤をもらっていたが、スッキリでないので相談にこられました。

年齢から考えて、腎気を強め、且つ利尿作用がある<牛車腎気丸>を使っていただきました。1週間後、全く効かないと言って来られましたので、当面は利尿作用の<猪苓湯>を併用いただくことにしてすぐに改善しました。

その後、猪苓湯は中止し、牛車腎気丸だけ継続されていましたが、今日お越しになりすっかり良くなったとのこと。

しかし<補腎>すなわち身体を元気に保っていくために有効な薬であることを理解いただき、継続していただきました。 この薬はよく効くので、私の好きな処方のひとつです。