月別: 12月 2006
漢方薬とアレルギー
漢方薬や健康食品を飲んでアレルギー症状を発生する方がまれにあります。
今日メールでお問い合わせをいただきました方は「他店で漢方薬と健康食品を飲んだところ、目の周りが腫れて、アトピーのようになった。漢方薬の副作用ですか」とのことでした。
これは食べ物アレルギーと同様で、肝臓や腸内の分解酵素に個人差があるためか、特定の生薬に対してアレルギー反応を起こすものです。例えば、<地黄>で下痢をする、<黄耆>で蕁麻疹が出る、などがあります。いずれの場合も中止するとすぐに戻りますし、後に問題は残りませんので心配はいりません。
これらは副作用とは考えず、特定物質に対するアレルギーといいます。アレルギーを起こされたご本人はびっくりされると思いますが、多くの方に出る副作用とは異なりますので心配せず、しっかり相談し対応されることをおすすめします。
男性の冷え症
昨日から雪があちこちで降り始め、ようやく12月になったかと感じています。
この時期になると冷え症の相談がふえますが、時々男性の相談もあります。女性の冷え症でよく使割れるのが<婦宝当帰膠>ですが、この薬は甘いので男性には合わない場合があり、他のものを紹介しています。
37歳の男性Tさん、手足の先が極度に冷たいので、奥様の紹介で <海馬補腎丸> を飲み始められました。そして今日は2ヶ月目になりますが、以前はずっと冷たかった手足が、最近は温かくなってきて調子もよいとの報告をいただきました。
この薬は漢方で言う<補腎陽>の薬で、海馬補腎丸や至宝三鞭丸などとともに、男性の冷えに使い、身体が元気になると喜ばれています。最近は生活状態の影響か、若い方全般的に冷え症が多いように思いますが、漢方薬は冷えだけでなく、トータル的に身体を元気にするのが特徴です。
高齢者の幻覚症状
特に精神疾患でなく、高齢者の認知症などで生じる幻覚症状に対し、漢方薬は以前から使われてきましたが、今回顕著な症状改善が聞かれましたので紹介します。
78歳の女性Mさん、廊下にだれもいないのに『子供がたくさん来ている』という幻覚症状が現れたので娘さんが相談にこられました。その他の幻覚症状もあり、夜に起こされてゆっくり寝ていられないとのこと。
そこで高齢者の鬱症状や幻覚症状、不眠症にも使われる<帰脾湯>を使っていただきました。10日後に連絡をいただき、幻覚がすべて消えたとのことで喜んでいただきました。
しばらくの間は予防的に続けて飲んでいただくことにしましたが、こんなに早く効果が現れるのには驚きでした。
ホルモンのいたずら 2
昨日に続いて、ホルモンアンバランスによって、イライラや肩こり、神経質になるケースがあります。
39歳の女性Kさん、急に気分が不安定になり、イライラし、目が充血、顔がのぼせ、肩が強くこって・・・つらい症状をいろいろと訴えられました。Kさんは2年前にも同様の症状で相談にこられ、3ヶ月程度で改善したことがあり、そのときの経過が記録にあるため状況はよく理解できました。
原因はホルモンアンバランスによるもので、年齢は若いのですが、更年期の症状に似ていました。そこで血の道症に使う<加味逍遥散>などを使っていただき、今回は半月で改善の兆しが出てきました。
一度お越しになった方は記録を残していますので、対応も的確にでき、改善もはやくなります。
ホルモンのいたずら 1
女性のホルモンバランスは複雑で、単に多いとか少ないとかの問題でなく様々な症状を生みます。そのひとつが、よくあるニキビです。
33歳の女性Sさん、あごの周辺にニキビが出て2~3ヶ月経過したのですが改善しないため相談に来られました。話を聞いてみても、特に体質的な問題はなく、食事などの生活上の問題もありませんでした。また、生理の前1週間以上前や、排卵期に悪化するとのことでしたので、ホルモンが関連していると思われました。
そこで血の道症の<加味逍遥散>や <荊芥連翹湯>を中心に使っていただき、短期間で改善しました。<加味逍遥散>は更年期の女性の漢方薬として有名ですが、幅広くつかえる優れた薬であることを実感します。