雑草を食べる

当店スタッフの息子さんが、大学の課題として「雑草を食べる」というブログを書いています。内容は、地震・洪水・食糧難のときに雑草が食べられるかということを試しているという楽しいもの。

そういえば昔はいろいろなものを食べてきました・・・。

例えば、おやつ代わりにスイバ(酸葉、スカンポ、スイコともいう)に塩をつけて食べると結構おいしいものです。イタドリなどは今でも山に入って取ってきますが、おいしいものは、太くて乾燥しておらず、少し白い部分がある若い芽です。

その他、漢方薬G、カキドウシ、雪ノ下、ぺんぺん草、たんぽぽなど、野山にはたくさんの食べられるものがあります。これらのものは漢方の生薬として使われるものや、民間薬として各地で使われるものも少なくありません。野草のサイトもたくさんありますので是非見てください。

野草はアクは強いですが、ミネラル分が豊富です。そして栽培された清浄野菜と違って、自然のものは土と水と太陽からの「気」を受けていますので、食することで身体に「気」を受ける感じがします。但し、道端のものは不衛生ですので、人が立ち入らない場所で採ってくださいね。

腱鞘炎のむくみ

このところ梅雨らしく湿気が強い毎日で、むくみやはれが出やすい状況です。

以前から腱鞘炎のある27歳の女性Tさん、最近手首が腫れてきて、力がかかると痛いとのこと。見た感じでは赤くなっていないので炎症や熱はなく、単にむくみを生じているようでした。

そこで<藿香生気散>を使っていただき、温めながら、むくみをとり、痛みを改善するという処方にしました。1週間程度で改善するものと思われます。

この時期、湿気のためにむくみを訴えられる方が続いています。

漢方の胃腸薬

胃腸薬といっても、たくさんの種類があり、微妙に使い分けます。

例えば<六君子湯>は比較的体力のない胃弱や胃液分泌の多い方に、<香砂六君子湯>は香附子と縮砂が加わった六君子湯で、神経症を持っている気滞タイプに、<半夏瀉心湯>はおなかが鳴る、あるいは下痢するタイプ、<補中益気湯>は疲れやすく、食欲がないタイプなどに使いますが、これらをあわせて使うこともあります。

68歳女性Kさん、元々胃弱でしたが、背骨の圧迫骨折をされたために腹部にコルセットをはめることになりました。かなり腹部を圧迫するため食欲もなくなり、身体は疲れやすく、体重も低下してきました。そこで<香砂六君子湯>と<補中益気湯>を合わせて使っていただいたところ、食欲も気分もよくなりました。

しかし、腸のあたりでゴロゴロといつも鳴り(これを雷鳴といいます)気になって仕方ないとのことで、2回目は<半夏瀉心湯>と<補中益気湯>に変更しました。

1ヶ月でほとんど気にならなくなりました。
ちょっとした処方の変化が正直に現われているようです。

ご相談対応システム

毎日たくさんのご相談を受けておりますが、少しでも早く確実に対応するため、社内では検討や打ち合わせを<スカイプ>や<チャット>や<メール>で行っています。

出張時などはAir-Hやエッジと呼ばれる、PHSを使った無線データ通信を使い、携帯電話と同様にどこでも即時対応できるようにしています。残念ながら新幹線の中では通信状態が悪く使いにくいのですが、ホテルでは最近ブロードバンドが引かれさらに便利になっています。

海外でもセキュリティのかかった通信環境が整い、携帯(モバイル)のパソコンで打ち合わせが出来るようになりました。

インターネットがさらに普及する時代に合わせて、複数のスタッフで対応できるシステムをつくっていますので、安心してご相談下さい。

漢方は症状により変化します

慢性病の場合は、同じ漢方薬を1ヶ月以上続けることもありますが、急性病の場合や、状態が変化するような多くの疾患では、変化に伴って漢方薬を変えていくのが通常です。

例えば、風邪の初期には、<葛根湯>や<麻黄附子細辛湯>などの薬を用いますが、熱が下がったり、咳や他の症状が出る時期には、<柴胡桂枝湯>などを用います。そうすることによって改善が早くなり、漢方薬がよく効くのです。

毎日メールで多くのご相談を受けていますが、現在の状態に適した漢方名を『教えてください』というだけの問合せも多いのです。そしてその結果をもとに、病院またはどこかで入手されるようですが、状態が変化すれば漢方薬も変えていく必要があるのに、同じ薬で続けられても改善しないと思われるケースもあります。

せっかく漢方を始められるなら、改善するまでしっかりと治されることが、無駄のない使い方なのです。最初は安くで手に入れられても、治らなければ結局は高くつくことになります。

漢方薬を有効に使うことをおすすめします。

漢方薬を効能以外に使用する

漢方薬の外箱に書いてある「効能・効果」とは全く違った用途・目的に用いることがしばしばあります。

漢方を専門的に取り扱っている店なら、このような使い方は当然のことなのですが、お客様は不信感をもたれることがあり困ります。漢方薬を継続して使われている方は信頼しきっていただいていますので、薬の説明を全く要求されませんが、初めての方の場合は不安があり、理解できないようです。

今日来られた方、中性脂肪が長い間高く、なかなか下がらないとのご相談でした。この症状にはたくさんの漢方薬がありますが、体質や、脂肪肝傾向との話を総合し、<扁鵲>を紹介しました。しかし、外箱の効能・効果には『脂肪過多症』だけ記載され、中性脂肪の文字はありません。また、「そんなに太っていない」という意識があるようで、話しても理解は得られませんでした。

この漢方薬は水毒や体毒を去り、血液循環をよくすることで脂肪過多を改善し、中性脂肪軽減に実績があるのですが・・・。

また、<温胆湯>もコレステロールや尿酸値が高いような、痰湿タイプの方に用いるのですが、効能書きは『胃腸衰弱者の不眠・神経症』で、自分はそんなタイプとは違うと言われます。

西洋医学的な基準に基づく薬事法だから仕方ないのですが、効能・効果の表記内容は困ったものです。

梅雨時期の下痢

梅雨に入って、湿度による影響が身体にでてきたようです。

元々便がゆるい方は、この時期さらに悪化しやすく、薬も変えていきます。

40歳男性Nさん、昔から胃腸が弱く、下痢や痛み、ガスなどのトラブルが続いていました。
当店では、<四逆散>や<半夏瀉心湯>、<六君子湯>などを使っていただいていますが、最近時々水様便のような時があるとのこと。

そこで、便をまとめ、腸内の水分を吸収させるため<オオバコ含有健康食品>を使っていただきました。根本治療は腸の働きを良くすることですが、応急的には食物繊維を使って水分を吸収させることで、軟便が改善するケースはたくさんあります。

<食物繊維の健康食品>は便秘傾向の方にも、下痢傾向の方にも使える便利な健康食品で、当店では人気商品のひとつになっています。

漢方薬の指名買い

最近は漢方に関する書籍や雑誌での特集がふえ、若い方々に漢方が普及してきた感じがします。

そして自分で調べて判断し、漢方薬名を指定して買いにこられます。体質に合っているときは、もちろんそれで良いのですが、合わないときはその理由を説明するのに一苦労します。

ご本人が良いと思われたものは、信じ込んでおられるので、こちらの処方に変更すると「効かない」という先入観があり、より効かなくなる可能性もあります。そこで、できるだけご本人の希望に合わせるのも、効果を引き出すためには良い方法かと考えるようにしています。

24歳の女性、以前は冷えのぼせがあり、こめかみに頭痛があったため、桂枝茯苓丸や加味逍遥散を用いていましたが、今回多汗症の相談でこられました。

本によると「桂枝加黄蓍湯」が合うようだとのこと。そこで、体質をお聞きすると、比較的肌も弱く、蕁麻疹も出るようで、のぼせもなく、<表虚>による多汗と考えられたので、今回はご指定の処方で対応できホッとしました。

このほか、医師から「この薬は合わないからやめて下さい」といわれたとか、本で読むと違うような気がする、などと途中でやめられるケースもまれにあります。遠慮なく聞いていただければ詳しくお答えできるのですが・・・残念です。

生薬の品質

昨日のTV番組「チャングムの誓い」では、医女になるための実習で生薬を学ぶシーンがありました。

生薬は、目で見て色形を知り、手で触れて状態を知り、香りを嗅いで精油成分などを知り、かじって味を知ります。現代は試験機器で成分分析は簡単にできますが、それでも香りや全体的な品質は人間の五感により、判断されます。生薬には植物の根が多く使われますが、たとえば「人参」と「桔梗」は見ただけでは判断しにくく、香りや味で初めて違いがわかります。(左:桔梗  右:人参)

最近は漢方薬もエキス製剤を使うことが大半ですが、難しい疾患や、うまく改善しない場合は、やはり『煎じ薬』が良く効きます。それはエキス剤の製造方法による差異だけでなく、使われている生薬原料も関係していると思われます。

「チャングムの誓い」は、ストーリーだけでなく、東洋医学に関わる大事なことを教えてくれる番組です。

受験ストレスに負けない!

当店の近くに専門学校があり、昼休みは周辺のコンビニが学生さんでいっぱいになります。

難しい国家試験前になると、毎年のように学生さんが相談に来られます。ほとんどが、不安感や不眠、胃腸障害、過緊張による痺れなどです。学生さんはアルバイトをする時間的余裕もなく、そのため金銭の余裕もない人が多いのです。

そこで、安神剤としてよく使う<牛黄製剤>などは高くて使えず、お勧めしているのは<エゾウコギ含有ハーブティ>です。ハーブティで気軽に使えるのが特徴です。湯で溶くとほんのり甘く、少し香りがしておいしく、特に女性に好まれます。もちろん漢方薬も使えますが、忙しくてきっちり飲めない方も多く、お茶代わり休憩にというのが受けるようです。

試験前日に来られた時は、今までの努力を実らせるよう、頭脳明晰にする<牛黄製剤>などを使っていただきます。牛黄は強心剤でありながら、頭の疲れを感じさせない、気力を維持できる薬、と実感しています。

手渡す時は必ず「これで大丈夫や!」と一言声をかけ、気を入れるようにしています。