2006年1月アーカイブ

センター試験が終わり、本格的な受験シーズンに突入しました。

「受験生を応援する漢方」というテーマで、前回のメルマガでは

http://kanpou.cocolog-nifty.com/kanpou/2006/01/_20060124_28a1.html

霊黄参> <能活精> <板藍茶>などを紹介しましたが、今日来られた受験生のお客様の話を聞き、さらに必要なものが1点ありましたので紹介します。

19歳男性Kさん、1浪で今年こそ!とがんばっておられるのですが、昨年夏頃からストレスによる目の疲れや頭痛、不眠などを訴えられていました。症状にあわせていくつか漢方を使ってきましたが、最後の追い込みでますます目が疲れ、目を動かすのも辛いほどになってきました。

そこで、いままで使っていた丸剤に代わる<杞菊地黄丸>と、お茶として<香菊花>を休憩時に飲んでいただくことにしました。

香菊花>は中国でお茶に使われる杭菊花のエキスで、杞菊地黄丸の成分の<菊花>の働きを補強するものとなります。

1年の努力が報われることを祈っています!

いろいろなストレスがあって自律神経に影響を及ぼすと、動悸やイライラ、肩こり、不眠など様々な症状が現れます。このとき気分を安定させる生薬の含まれるものを使いますと、様々な症状が一度に改善します。

66歳女性Tさん、ご主人が脳梗塞で半身不随になって長く、心労も多いようで、上記のような症状を訴えられていました。医院では<抑肝散>の投薬を受けておられ、飲んだときはイライラ感が治まるのですが、動悸がとれず、スッキリしないとのことでした。

そこで、この薬に加えて<救心感応丸気>をお使いいただきました。1週間分だけお渡ししたのですが、気分が楽になるとのことで再び買いにこられました。

救心感応丸気>に含まれる<麝香>は中に詰まった気を外に出し、<沈香>は気を安定させます。その他にも<竜脳>や<羚羊角>など、気に働く生薬がたくさん含まれますので、様々な使い方ができます。

膀胱炎は特に女性に多い疾患です。

症状は、頻尿、排尿痛、残尿感など様々で、原因も雑菌によるものや冷えにより発症するものがあります。比較的短期間で治癒しますが、長い間患っている方が漢方で改善したので報告します。

81歳女性Sさん、ほとんど寝たきりで、膀胱炎を患って検査でもいつも菌が検出され、白血球の数値も高く、炎症状態を示していました。そして抗生物質を服用されていたのですが、長期に服用していいものか心配して、ご家族の方が相談に来られました。

早速に、<瀉火利湿顆粒>をお使いいただきました。年齢的なこともあり半分の使用量でしたが、使い始めてから菌は減少していき、2ヵ月後の先日来られたときには、菌は検出されず、多かった白血球も下がり、ほぼ治癒して喜んでいただきました。ました。これで抗生物質は不要となり、胃腸の負担もなくなり、喜んでいただきました。

この漢方薬の主成分である<竜胆>には抗菌、抗炎症作用があり、湿熱タイプ(尿が黄色い、熱感がある下半身の炎症)には即効性があり、性病などにも使われる処方です。

冷え症は女性だけの悩みのように思われがちですが、実は男性にもあります。

漢方では陽虚といい、先天的な冷え体質で、持続力がなく、疲れやすいタイプの方の場合や、仕事で常時冷えるために体質的な冷えになる方などがあります。この場合使う漢方薬もたくさんありますが、代表的なものは<海馬補腎丸>や<婦宝当帰膠>や<当帰四逆加呉茱萸生姜湯:商品名シモラ>などですが、やはり体質によって使い分けます。

32歳男性Oさん、暖房がききにくい場所で専門的な仕事をされているため、手足など末端が冷えるとともに、冬になるとしもやけができ、蕁麻疹が出やすくなると相談にこられました。これは寒冷蕁麻疹といわれるもので、温めることで改善すると思われました。

最初は十全大補湯の処方に近い<婦宝当帰膠>をお使いいただきましたがあまり改善せず、12月からは<当帰四逆加呉茱萸生姜湯>をお使いいただきました。その結果、昨年末からの厳しい冷え込みにもかかわらず、蕁麻疹は発症せず、例年できるしもやけもなく、手足の冷えはましになったと報告いただきました。1月も同じ薬を続けていただいています。

この薬は女性の末端冷え症によく使ってきましたが、体質が合えば女性も男性も関係ないのは当然のことです。

肝臓病のご相談もよくあります。軽くはアルコールを少し控えれば良い方から、ウイルス性肝炎や肝がんの方など様々な病程の人が来られます。

いずれの方も、痛みを伴わないため自覚が少なく、検査ではじめてわかるというケースです。

45歳の男性Yさん、お仕事の関係もあり毎日飲酒され、以前より肝機能は良くないと聞いていました。今回、検査を受けるので、酒は少し控えるが、他に肝機能を改善するものをほしいと言われて、<牛黄:日水清心丸>と<廣禅顆粒>をお使いいただいていました。

その後、検査データを見せていただき、びっくり。アルコール性肝炎の指標、γーGTPで見ると、12月上旬に約700IU/Lで、1月下旬には200台まで下がりました。当然ご自身の努力もあってここまで下がってきたのですが、しかしまだまだ高く、早く改善しなければ大変なことになると話しておきました。

生活習慣を変えるという基本的なことは、自分の生活を振り返って見てもわかるのですが、難しいものだとつくづく感じます。

冬になるとお肌の乾燥で悩む女性は多いようです。

漢方では乾燥に対する改善方法がいくつかありますが、主に「当帰」を含むものです。

当店で人気の<婦宝当帰膠>や<四物湯:商品名シモラ>などは女性にピッタシですし、また高齢者のかゆみを伴う乾燥には<当帰飲子>を用います。しかし他の薬を飲んでいる方は、これ以上薬は飲みたくないと言われますので、入浴剤をお勧めします。

57歳女性Nさん、以前から浮腫や便秘、更年期のトラブルでいろいろな漢方薬を服用されてきました。この冬はお肌がピリピリするので、薬以外で改善できないかとの相談でした。そこで<絹のしずく風呂>というセリシン(潤い成分)とハトムギオイル(エモリエント成分)が配合された浴剤をお使いいただきました。

3日後に来店され、『とても気持ちよく、臭くもないし、肌のピリピリも取れました』とのご報告。早い効果のあることに驚き、学ばせていただきました。

めまいの話は何度か書いていますが、女性の症例ばかりでした。

http://www.kanpou-ichizen.com/2005/08/post_3318.html

しかし、女性に限ったことでなく男性でもめまいは時々みられます。

64歳男性Oさん、以前から尿路結石で痛みが出たときに煎じ薬をお使いになっていたのですが、11月に突然回転性のめまいが起こり、耳も聞こえにくい状態になりました。

心配で病院で検査を受けたところ耳の奥に20mm以下の腫れ物があると言われました。これが原因ではないかとの診断がおりたようですが、切り取るわけにも行かず、漢方で対応をすることになりました。

この方は以前に中耳炎になったこともあり、元々「痰湿」体質であるとともに、前回めまいが起こった時に嘔吐したらすぐ治った、という特徴がありましたので、対応方法は簡単でした。

漢方薬は<半夏白朮天麻湯>と、腫れ物が心配になったので<シベリア霊芝>をお使いいただきました。その後全くめまいは無くなり、ふらつくことも無くなって安心されました。来月に病院で再検査しCTをとることになっていますが、腫れ物も小さくなっているのではと期待しています。

シベリア霊芝>は別名チャガといい、白樺の木に寄生したサルノコシカケのようなキノコで、まだまだ用途があるように思います。

今日あったことですが・・・お客様の中には生薬を求めてこられる方がおられます。

日本漢方では煎じ薬を作るときは原典処方を守り、時にはそれに生薬を加減する方法をとります。中医学では生薬をそれぞれの作用によって新たに組み合わせていく方法もとります。日本の薬事法では、薬局では決まった処方内容しか作ってはいけないということになっています。

お客様はどこかで漢方を勉強されたようで、決まった処方をベースに、季節の変化や体調の変化に基づき生薬の量を増減されているとのこと。それで調子よくなるようです。ここまで詳しい方は少ないし、また話していても面白いです。

漢方薬は、添付文書やパッケージにかかれた効能・効果・病名以外の目的に使うことは<日常的なこと>なのですが、お客様によってはそのような使い方をすると、「ほんと?大丈夫?」と言われ、不信感を招くこともあります。病名で薬を決めるのでなく、症状と体質で決まるという事を説明しても、信じてもらうことは至難の技です。

そんな方が来られた後に前述のように漢方を活用している方が来られたので、ほっとしてうれしくなりました。

以前にも警告をしていましたが・・・

中国製のダイエット漢方薬(漢方ではないのですが)を服用されている時期に妊娠した女性が、心配なのでと相談に来られました。

聞くところによると、整体をやっている中国人から買って飲んでいたとのこと。カプセルを飲むと心拍が上りドキドキし、身体は暑くなり、口が渇き、食欲も少なくなり、ダイエット効果はあったとか。

その間に予定しない妊娠がわかり、すぐやめたそうですが、それが胎児にどのような影響を与えるかは医師でも予測はできません。

中の成分は従来からよく使われて問題になっている<脱N-ジメチルシブトラミン>や<シブトラミン>の類似物質と思われます。

その方の話では、値段は安く、効果があると勧められ、安易に使っていたという事ですが、これらこそ徹底して取り締まり、事故を未然に防ぐことが行政に求められています。今春に薬事法改正が予定されていますが、国内の販売規制だけでなく、薬局や薬店以外で販売されている危険な医薬品流通をもっと取り締まるべきと考えます。

以下も参考にご覧ください。

天天素の事故  http://www.kanpou-ichizen.com/2005/05/post_ab45.html

中国製の精力剤  http://www.kanpou-ichizen.com/2005/11/post_b6b9.html

今日は不思議なくらい、皮ふトラブルの方が多くみえました。

以前からよくあることですが、1日のうちに同じような疾患で相談に来られる方が集中するのです。そのため、いろいろ考えることなく、スムースに対処方法や注意事項が頭に浮かんできます。

26歳女性Tさん、まぶたの付近に乾癬のような、乾燥し、痒みのある皮ふトラブルがあり、酷くなってきたので相談にこられました。舌を見ると色は淡く貧血の様で、聞くと立ちくらみで突然に倒れることがあるとの事。肌は乾燥し、風呂上りは全身に痒みがある。胃腸が悪いと頭痛がするなど、様々なことが聞かれました。

まずはアトピーを治すより、身体を整えることが先決です。そこでまずは血液を補う<婦宝当帰膠>を体質改善薬として使っていただきました。また、生理前のトラブルや、皮ふ状態の変化から、ストレスが大いに影響しているため<逍遥丸>と、外用には赤みと痒みを軽減し、保湿する<瑞花露>を併用しました。

いわゆる皮膚病によく使われる漢方薬は使わず、本治からスタートする方法もまれにあります。全身の改善が部分の改善につながるのです。

大病の後や慢性病の時に生じる寝汗は盗汗ともいいます。

極度に体力を消耗し、痩せてきて、体液が減少し、体内の熱を冷ませないために汗が出る症状で、汗によって再び体液が失われ、体力低下を招くという悪循環におちいります。また微熱が続くのも特徴です。

漢方では、体液が減少している意味の<陰虚>とか、体力・氣力が低下している意味の<気虚>などと表現します。

73歳の男性Sさん、ガンで抗がん剤治療を受け、体調も悪く入院されていました。入院中から寝汗が出始め、医師に相談されたのですが、特に異常はなくガンによるものだから仕方ないとのこと。しかし微熱は続き、身体はだるく、痩せてきて、貧血傾向もあるので、ご家族の方が相談に来られました。

これは明らかに<気陰両虚>の症状ですので、体力を付ける牛黄製剤の<日水清心丸>と、<麦味参>を合わせて使っていただきました。以前にも同様の相談があり、1週間ですっかり良くなったという経験がありますので、前回と同じ処方を使いました。

西洋医学では寝汗は病気にはならないようですが、漢方では昔から対応する処方があるのです。

お正月明けは咳の相談が増えてきました。少しこじれているようで、なかなか抜けない方や、悪化して痰がひどくなってきた方など様々です。

台湾から来られている留学生の女性、3週間ほど咳が続いてひどくなってきたので漢方を欲しいと来店。台湾ではこんなとき杏仁のおかゆと枇杷膏を使うといわれましたが、杏仁が含まれる漢方薬のほうが早く改善するので、麻杏甘石湯(錠剤なら麻杏止咳錠)を1週間使っていただくことにしました。

<杏仁>はアンズの種のことで、止咳作用があり、胸中の痰をとりますので咳には良く用います。使い方は煎じても、おかゆにしてもいいのですが、有毒ですので多くは使いません。

また、枇杷の葉も咳や痰をとる作用があり、台湾ではエキスが商品化されていますが、日本では煎じて使います。

台湾や中国では、日常からこれらの生薬が気軽に使われ、悪くならないうちに自宅で対処さているのですが、日本では民間薬・生薬の活用頻度が少なくなってきています。本来は病気が悪化しないように、早く対処することが最も良い治療法なのです。

コラーゲンは、関節の疾患に関連する症状緩和や、肌を美しくするものとして、人気のある健康食品です。

人体では、皮膚や血管など、ほとんどの組織にある繊維状のたんぱく質ですが、健康食品ではコラーゲンペプチドとして加工されたものを摂取します。これが腸内でたんぱく質分解酵素によって分解され、消化吸収されるわけですが、人によっては分解酵素の差があるため吸収されにくく、大きな分子のたんぱく質としてアレルギー反応を起す場合があるようです。その結果、本来肌を美しくするものが、肌にトラブルを生じることがあります。

いつもブログをご愛読いただいている漢方ファンの女性Mさん、コラーゲンを飲み、額に吹き出物が出来たとのこと。コラーゲンが分解されにくく、胃腸に負担になっているためと思われました。

一般的に<額>や<口の周り>に出る吹き出物は、胃腸に負担があるため生じているもので、胃腸の働きを良くし、胃腸の負担を軽減する漢方を使います。

Mさんの場合は<晶三仙>を飲み始めて1週間ほどで改善してきました。この他にも<香砂六君子湯(星火健胃錠)>でも効果があります。

このような例はたくさんあり、額の小さな白いニキビ・吹き出物には結構早く効果が見られます。ぜひお試し下さい。

寒くなってくると風邪や冷えの相談が増えてきますが、意外に自分で気が付いておられないのが高血圧です。

継続して来られているお客様には、毎回<血流計>で血液の流れを調べると同時に血圧も見て、記録を残していますので、季節による血圧の変化がよくわかります。季節の変化に影響を受ける方と受けない方がありますが、中年以上の方は12月以降に血圧が上ってくるケースが多いようです。

3年来お越しになっている女性Nさん、お嬢様の相談に伴なって来られているのですが、半年前から拡張期(下の)血圧が90を超えるようになってきました。そして年末には収縮期(上の)血圧が150、下が100を超えていましたので、そろそろ気をつけたほうが良いと思い、<冠元顆粒>をおすすめしました。

冠元顆粒>は血管拡張作用があり、寒い時期の高血圧や、末梢血管の収縮にともなう冷えやしもやけにも使います。一般に運動不足の方で肥満傾向の方は下の血圧が上がりやすいですが、Nさんは週に1度以上山を歩いておられる健康志向家で、体型も標準で、見た目は健康的なので、<冠元顆粒>だけでも改善するものと考えています。

寒くなる時期、自分の血圧がどうなっているのか是非一度調べてみて下さい。

1月7日は七草の節句、お正月の締めくくりになる「七草がゆ」の日です。鎌倉時代から行われていたという邪氣を払う風習で、お正月で疲れたお腹を休める意味もあるようです。

七草はどこにでも説明されていますが念のため・・

せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ・・ですね。今はこれらの野草は取れないのでスーパーで買いますが、この日に限らず、いろいろな季節の野草を入れて薬膳粥を作ってみてはいかがでしょうか。

日本では風邪を引いたときなどにつくるとか、中国料理店で食べる程度ですが、中国では日常的にお粥をよく作ります。

朝の胃腸がまだ動いていない時に消化の良い粥を食べるのは道理にかなったものです。そして水分を含んでいるので、固形物が少ないのに結構お腹がいっぱいになるのが粥です。また、鶏肉や野菜など、何を入れても美味しいのがお粥です。ダイエットにも最適です。

最近は炊飯器もお粥モードがあったり、レトルト食品もたくさん出ていますが、米から炊く本格的なものでなくても、残りご飯を煮るだけでも充分おいしいお粥が出来ますので、日常的にも続けられます。

美食としてのお粥より健康食としてのお粥をぜひお勧めします。

新年おめでとうございます。

さらなる漢方の普及と、皆様に少しでもお役に立てればという気持ちを新たにし、ブログを書いていきます。

今年もよろしくお願いします。

学業の神様・北野天満宮から

kitano