月別: 9月 2005
子供もストレス病
最近の小学生は、塾やスイミングや習い事などで忙しく、さらに学校の休みが増えた分だけ行事が過密化して、ストレスがますます増える傾向にあります。最近というより、もっと前からと言ったほうが正しいかも知れませんが、ますますその傾向は強まっていると思われます。
そのため、大人に起こる症状が、子供にも及んで来ています。例えば、不眠、疲れ、食欲不振など、以前ではあまり考えられなかったことです。子供に強い薬や西洋薬は継続的には飲ませたくないとして、今日もお母さんが相談に来られました。
7歳の男の子、8時頃に寝る準備をするが、11時ころまで寝られない、そのため朝が起きにくく、どうにか起きたものの朝食は食べたくない、そして体がしんどいということでした。神経が休まることがないために起こる不眠と考え、肝気を抑える<抑肝散>を使っていただきました。
漢方薬Yのように、従来から主として子供に使われる漢方薬がいくつかありますので、順次紹介していきます。
夜間頻尿
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、本当にピッタリ涼しくなりました。
朝夕涼しくなって急に問合せが増えた症状のひとつに、夜間頻尿があります。今まで暑かったので水分をとる量も習慣的に多く、また冷たいものを飲む習慣の方も多いと思いますが、彼岸を境にして生活を変更する必要があります。
70歳女性のTさん、急に頻尿になり、夜間は1時間ごとにトイレへ行くことになったがどうなったのだろう?と心配してのお問合せがありました。少し細く体重は40kgに満たず、外気の変化をすぐに受けてしまうタイプの方です。
まずは体を温めること、冷たい水はやめて温かいお茶にすること、汗もかかなくなった分だけ飲む水分量も減らして良いこと、そして手持ちの牛車腎気丸をしばらく飲むように電話で話をさせていただきました。
この牛車腎気丸は、腹部を温め、排尿をコントロールし、1回の尿量を増やすことで頻尿を改善する作用があり、これからの時期によく使う漢方薬です。Tさんも1週間以内に落着くことと思われます。
痔の痛み
痔の症状には、痛み、出血、痒み、膿などがあります。これらを表現する言葉が<坐剤>の効能書にありましたので紹介しますと、<いぼ痔> <きれ痔> はよく言いますが、他に<さけ痔> <はれ痔> <かゆ痔> があります。
痔は肛門の病気ですが、漢方では大腸経につながり、秋に影響を受けやすいと思います。ちょうど朝夕が涼しくなって、冷えが始まり、血流が悪くなる時期でもあります。
27歳女性、以前から痔が気になっていたのですが、最近出血して痛みがあり、支障をきたすようになったので来店されました。疲れると悪化する、もともと便秘気味、最近は痛みでさらに排便がつらい、排便のたびに出血しているなどでした。
まずは痔の薬 <槐角丸>と、活血作用の<桂枝茯苓丸> を服用していただき、出血と痛みをはやく改善するために<S軟膏>を併用いただきました。
ほぼ即効性で痛みは改善され、出血もとまりました。そして1ヶ月程度ですっかり改善しましたが、根本治療するために<桂枝茯苓丸>だけをお使いいただいています。
この方のようなケースは多々あり、『痔』は漢方の即効性を実感できる代表的な症状です。
痔の痒み
痔を持ってる方は非常に多いのですが、改めて治療することもなく放置されているようです。そして、痛みや痒みが強くなったり、何日か出血が続くと、はじめて治さなければと思われます。
痔の漢方薬は種類が少ないのですが、いずれもよく効きます! ほぼ即効性ですね。
30代の男性、内痔核があり、出血や痛みはないがとにかく痒い! 寝るときも痒くて安眠できないほどでした。痔はほとんどが肛門部のお血(血流が悪い)が関係していて、そこで炎症が起きているので、これらを改善する<槐角丸>を使っていただきました。また、外用に<紫雲膏>のサンプルを差し上げ、塗っていただきました。
1週間後に来店され、かなり楽になったのでこのまま続けることになりました。
漢方の飲み薬や軟膏は、根本治療薬でありながら、且つ即効性のある対処療法でもあるのです。痔の方はぜひ試してみて下さい!
海外転勤の方の漢方薬
会社への転勤や海外の大学での研究などで、お客様が海外に住まわれることは結構あり、それだけ国際化していることを実感します。
長期出張などで行かれて、日本に時々帰ってこられる方は、その都度漢方薬を手持ちされますが、1年以上帰る予定のない方は発送することになります。それも、運賃が高いことや、税関での検査が厳しくて到着する保証がないことなどを考えると問題があります。特にアメリカ向けは、テロ事件の後検査が厳しくなる一方で、液体のものは疑いがかけられやすく、注意が必要です。
私も昨年中国に行った時ドリンクを10本ほど持っていったのですが、手荷物検査で引っ掛り、言葉がうまく通じないこともあり、一騒動になりました。放棄をしょうと思っても、疑いが掛けられると放棄すらできなくなります。
いろいろ経験しての結論は、海外に出かけるとき、または一度帰ってこられたときにまとめ買いをして、手持ちされることが一番です。そして、常備薬として置かれることをオススメしています。
生理がこない! 3
昨日の続きです。
26歳のOL、結婚されていて妊娠希望の方の話です。生理周期は40~60日で、昔から遅れ気味でした。冷え性が強く、ひどいときには仕事中に痺れを感じることもあるとのこと。血流計で測ってみると、末梢血管への血流が悪く、これが生理不順の原因であることは明らかでした。
まずは補血の<婦宝当帰膠> と 活血作用の漢方薬を使っていただきました。1ヵ月後来店され、手足が温かくなり、めまいや立ちくらみも消えていました。その後も生理は40以内に来るようになり、結果4ヶ月目でめでたく妊娠されました。
この方の場合は比較的スムースに改善したのですが、本来は結婚する前に生理を整えておくことが大切です。『早い手当て』が『早い結果』を生むのです。
生理がこない! 2
生理不順の原因は、ストレスや疲労などが一般的でおおくありますが、先天的?なケースもあります。いわゆる機能不全にあたります。
高校生の頃から生理が止またという24歳のAさん。数年の間にホルモン剤の治療を3回ほどしたが、やめたら生理が来ないという繰り返しでした。またお薬を服用するたびに、腹部が痛んだり、手が痺れる、嘔吐するなどの副作用があり、怖くなって漢方相談にこられました。
検査ではE2が低く、卵胞が成長していないと言われていました。体温は低く35度以下、極度の冷え性で、顔色も白く、漢方でいうところの「血虚+血お+腎陽虚」の状態でしたので、漢方薬は補血のための<婦宝当帰膠>や活血の<桂枝茯苓丸>などを使っていただきました。
服用後1ヵ月目に生理が久々に自力できました。お薬は調整しながら続けていただき、次は10日目に、その後18日目に、そして20目にと、順次正常な周期に近づいていきました。現在は24日周期で、生理期間も5日間と、量も正常な状態になりつつあります。
女性にとって面倒なことのように言われる方もありますが、来ない方には深刻な問題です。
Aさんには『女性としての幸せな人生』に一歩近づいてきたことを、喜んでいただいています。
生理がこない! 1
生理が来ない、または生理不順等の相談の方は大変多いです。
早い時期に漢方相談に来られると比較的短期間に改善しますが、婦人科でホルモン治療をされていて、自力では生理が来ない方の場合は時間がかります。それでもほとんどの方は改善しますので、あきらめないでください。
31歳の女性、以前から生理が来ない月がありましたが、その時には補血作用の【婦宝当帰膠】と活血の【桂枝茯苓丸】を飲んでいただくと、1週間程度で来るのであまり心配されていませんでした。しかし今回は3ヶ月間来ていないということで、改めて相談にこられました。
今までのお薬でも改善すると思われたのですが、しばらく続けて、しっかりと治した方がよいと思い、同じ薬をを3ヶ月ほど続けることをお勧めしました。
薬を飲み始めて1週間で早々に生理が来たと報告のお電話をいただき、あまりにも早い改善に驚きでした。
この方には、再び止まることのないように当初の予定通りお薬を続けていただき、体質改善を図るようにしていただいています。